社会課題・ソーシャルビジネスに取り組む同志へ

私は、過去、米倉誠一郎先生の運営する「日本元気塾」(現在名称世界元気塾)に通っていました。
そこには、社会課題に取り組んでいる方、これから取り組もうとしている方が多く集まっていました。
そんな仲間と切磋琢磨していた時、私は、自身が本心から望む「世の中を元気にするビジョン」を持っていただろうか。
その後数年を経て、今思い返すと、「周りから素晴らしいと思われたい」という思いが働いていたかもしれない。

その経験から、社会課題に取り組もうとしているあなたに問いたいこと。
それは、たった1つのシンプルな問い。

その志は、ご自身の本心から出たものか?

米倉誠一郎先生は「クレイジーになれ、好きなものをとことん突き詰めること」が大切とおっしゃっていました。
米倉先生とともにコースを担当されていた楠木健先生も、「良し悪しではなく好き嫌いが大切」とおっしゃっています。
以下動画内でも、お二人とも、好き嫌いの大切さ、を述べています。

「本当に心から好きなものか」ここ、本当に大切だと思うのです。
うっかり、エゴに自分のハンドルを任せた状態で思考を重ねてしまうと「この社会課題に取り組んでいる私って素敵と思われたい」と感じる領域をターゲットとしてとらえてしまうこともありうる。そうではなく、心から取り組みたいと思える領域かどうか。

元気塾の卒業生仲間で、実際にソーシャルビジネスを推進している方も多くいらっしゃいますが、その中の一人から教えていただいた書籍に、コンパッションという本があります。
今回の記事のこの壮大なテーマに対し、私の文章だけでは説得力がどうも、、とも思いますので、この書籍の中からメッセージを紹介。

著者ジョアン・ハリファックス氏は、「コンパッションとは、自分であろうと他社であろうと、その悩みや苦しみを深く理解し、そこから解放されるよう役に立とうとする純粋な思いである」と述べます。

この本の中で、ソーシャルビジネスを実践するには(コンパッションを持ち続けるには)利他性・共感・誠実・敬意・関与の5つの資質が必要と書いてあると私は読み取りました。
この5つの資質には、いずれもダークサイドがあり、質が低下すると害となる一面がある。
5つのエッジから落ちずに立ち続けることが大切。
と書かれています。

ここで、5つの資質の1つ目として言及されている資質は 利他性 です。
(それ以外も、この5つの資質は、いずれもとても参考になります。ご興味あればぜひ書籍をご覧ください。)
1つ目に記載されているということは、そのエッジでダークサイドに落ちてしまう方も多くいる ということだと思います。

人に親切にしようとするとき、それが自分の気持ちの満足ではないことを確かめなくてはなりません。
他者に奉仕して喜びを感じること自体は大切でしょう。
自分の満足のためだとか、周囲から称賛され尊敬されたいという動機だと、私たちの行動は利己的欲求によって中途半端なものになります。
「これをやったら、自分が善い人間だという証明になるか」と考える代わりに「これは役に立つのか」と問わなければなりません。
(コンパッション:ジョアン・ハリファックス著 から引用)

まさに、この点をクリアにしていただくことで、これから社会課題に取り組むあなたの時間を、より有効に活用できると思うのです。
そして、そのためには、エゴと距離を置くことが必要です。
エゴと距離を置くためのご自身ならではの手法をぜひ構築されてください。
※米倉先生は、この点を実践されている点がまた素晴らしいと感じます。
だからこそ、善人善人しておらず、自然体でとても魅力的なお人柄でもあられるのだと思います。

米倉先生がもくろむように、
世界の中で恵まれた環境にある日本のビジネスマンが、組織に忖度せず、現状に腐らず、自身の全智全能全生命力をかけて、ご自身の本当に望む社会課題に取り組むとき、社会課題は山積していますが、解決に向かうと思うのです。
ジョアン・ハリファックス氏ではありませんが、私たちの社会そのものが、今エッジの上にたっており、可能性は私たち次第なのかもしれません。
ソーシャルビジネスのエッジに落ちず、皆様の活動が花開くこと、心からお祈りしております。


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