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イーオン岡山本社の勉強会で映画「素晴らしき哉、人生!」を観た日

岡山で会社員をしながらブログを書いている神高(かんだか)です。

英会話学校イーオン( AEON )の創業の地が「岡山」ってご存知でしたか?

創業社長は安藝 清(あき きよし)さん。

あのアンジェラアキ(歌手)のお父様です。

ぼくが「 素晴らしき哉、人生! – It’s a Wonderful Life 」という映画に出会ったのは、まだ英会話のイーオンが岡山に拠点を持っていた頃でした。

あれから、心の片隅にずっと置いたまま、生きてきました。

間違いなく、ぼくの進む方向に影響を与えた作品なんですよね。

今回は、その思い出とぼくが海外に関する仕事をするようになったきっかけをお話します。

イーオン岡山本社の勉強会で映画「素晴らしき哉、人生!」を観た日 

親に頼み、当時、住んでいた岡山でイーオン( AEON ) に通わせてもらっていました。

1991年、あるいは1992年でしょうか。25年ほど前になります。

当時、岡山市北区厚生町のイーオンのビルは英会話学校の生徒向けにいろいろなことに使われていました。

まだ今ほど有名ではない先々代の形式の TOEIC の試験会場、学生向けのスピーチコンテストなどもやってましたね。

今はどうなっているかわからないのですが、当時、岡山駅西口に新任教師のトレーニングセンターが置かれるなど、岡山自体が重要な拠点になっていました。

創業時、イーオンはアンビックという社名で、ノベルティグッズなどに名残がありました。

そんな折、「実際の洋画を使って、英語を勉強してみませんか?(詳しいイベント名はすっかり忘れてしまいましたが)」みたいな名前のイベントがあることをスクールのスタッフの方から紹介されました。

会場は岡山市厚生町のイーオン自社ビル、講師はネイティブの先生、映画は「 素晴らしき哉、人生! 」が使われる。

これは、面白いに違いない。親に頼んで行かせてもらうことにしました。

ただ、まったく聞いたことがない映画タイトル。

今ならスマホですぐにどのような内容か、ネタバレ含めてわかりますが、当時はインターネットにアクセスできるパソコンさえ高校生にはまれな時代でした。

当然、ぼくも持っていなかったので、事前に内容を知ることはできなかったわけです

生まれて初めて大きな会議室のプロジェクターで観た映画

イベント当日、岡山市厚生町のビルに入ると、上層階の会議室まで案内されました。

大型スクリーンと天井から吊るされたプロジェクター、映画館のような音響と100人は入れるだろうか、という収容力の大部屋です。

当時、最新であったろう事務所内装やレセプション含めて、いずれも大人の世界を少し見せてもらったようで、世間を知らない高校生のぼくは興奮を覚えました。

まるで映画館のような設備に感動しつつ、十数名の英会話学校の生徒さんたちと映画を鑑賞したのです。

当時のメディアはまだ VHS (ビデオテープ)だったと思います。

デジタル処理が普及する前の、白黒の輪郭のはっきりしない映像と、ゆっくりとしたストーリー展開。

このまま話が進み、最後にいじわるな金持ちのおじさんに逆襲する映画なんだろうか、などと思いながら観ていました。

当時の英語力ではとても字幕なしで理解できるような内容ではないので、字幕を追いました。

……視聴後、担当のネイティブの先生は、しばらくの間、泣きながら映画内で使われた表現などを解説してくれました。

心に残るジョージベイリーとポッターの会話(英語を学び、世界を見たい)
ネタバレにならない程度に、あらすじの一部、ぼくの人生に大きな影響を与えた場面に触れさせてもらいます。

主人公は、父親の興した貧しい人向けの小さな住宅ローン会社を引き受けた主人公のジョージベイリー。

ジョージは、その街随一の資産家であるポッターから、重役かつ秘書として自分の仕事を手伝わないか、と誘われます。

徐々に住民の信頼を得てきたジョージの芽をつんでおこう、という今どきの IT 企業の戦略に通じる罠でもありました。

その提案の際、ポッターは「社用でわたしの代わりに海外にも行ってもらうから、そのつもりで……」と伝えます。

そして、社用で世界を転々とする自分を想像したジョージは、心が動かされそうになります。

報酬や地位ではなく、「社用で海外に……」というセリフで、ジョージは頭がぼーっとなるのです。

高校生だった当時、ぼくはジョージになぜか共感しました。

社用で海外に行き、そして毎回でないにせよ、何らかの成果を所属する組織におみやげとして持って帰る。

「英語+α(専門分野) を学んで、仕事で海外に出る。そんな生活をしてみたい。世界を、いろいろな場所を見てみたい」

若かったぼくは、心からそう思いました。

そして、いろいろな幸運や人の縁のおかげで、ぼくは地元岡山に戻り、貿易実務、海外営業の分野に関わり、イメージに近い生活を送っています。

まだ観ていない人には、ぜひ体験して欲しい映画|ズズの花びら


ぼくは、この映画を節目節目で観てきました。

会社に入った頃。結婚した頃。息子が生まれた頃。ビデオテープのこともあったし、DVDのこともありました。

そして、サブスクが一般的になった今、無料(定額)で視聴できる映画のリストから、もう一度、自分の人生を生きる勇気をもらいました。

自分が、自分の人生を生きないで、一生に何の意味があるのか。

自分と、自分が大切だと思う人のために生きよう。

金や物で生かされるのではない。

そんなことを思いながら、何度も観たストーリーやセリフを反芻していました。

高校生の時とは、心に刺さるシーンが明らかに違います。

ズズの花びらも、ヤバい。

あれから25年が過ぎているのだから、当然ではあるのですが……。

終わりに:パブリックドメインとこの映画の知名度

最後に、この映画の知名度についてお話しましょう。

この映画、パブリックドメイン、つまり著作権が切れているそうです。

そのせいで、アメリカのテレビ局がこぞってクリスマスシーズンにこの映画を放送し、名作と認められた、というエピソードがあるくらいなのです。

でも、日本ではそこまでで有名な映画作品ではないですよね。

本当に、米国ではクリスマスの定番らしい。ホームアローンの映画の中でも、テレビを観るシーンで放送されている。

ホームアローン2では、ポッターのおじさんは吹き替えでフランス語を話しているくらいに。

ただ、パブリックドメインとなると、安価な DVD 版は相当、画質に問題があります。VHS 全盛の時代ならまだしも、今となってはね。

その点、U-NEXT や Amazon Prime 版は、画質、音声とも、今まで視聴してきた中で最もクリアでした。

はっきり判断できませんが、blue-ray DVD 版が発売されているので、そのデータなのでしょうか。とにかく、HD に耐える画質です。

今にして思います。

AEON があのような企画をしてくれたこと自体が、おじさん天使)クラレンスの導きなのかも知れません。

ありがとう、クラレンス。

生きる勇気、しかと受け取ったよ。

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