見出し画像

GRLが若者に人気なワケ

はじめに

近年、スマートフォンの普及やコロナ禍での外出自粛の影響により、ECサイトで商品を購入する機会が多くなっているといえる。そのような中で、今若い女性を中心に人気のファッションECサイトであるGRL(グレイル)について、その人気の理由を分析していく。

GRL(グレイル)とは?

GRLとは、日本のファッション通販サイトである。2004年に設立された「アートデコ株式会社」という会社が運営しており、洋服からバック、化粧品まで幅広く取り揃えられている。GRLのサイトを見てみると、1000円代、2000円代、3000円代でトレンドをしっかり押さえたファッションアイテムが豊富にラインナップされていることが分かる。とても低価格で購入できるため、お小遣いやアルバイトのお給料の範囲内で無理なく手軽にオシャレを思いっきり楽しみたいと思っている10代・20代の女性にとても人気なサイトである。さらに、プチプラで品質も良いとの評判があり、若い世代だけでなく30代・40代の女性も利用しているようだ。

GRLの商品はインターネット通販のみの販売で、実店舗は無い。通常、商品はグレイルのWebサイトを通じて購入するのだが、2021年の9月に新たにGRLアプリ(グレイルアプリ)が登場し、アプリからも商品を購入できるようになった。アプリは、毎回検索してWebサイトを開く必要がなく、再入荷情報などのお知らせがプッシュ通知で受け取ることができる。そのため、スマートフォンからでも利用がしやすい。また、商品を購入する際の支払方法も多く用意されており、クレジットカード、QRコード決済、代引き、NP後払いができる。送料は一律690円かかるが、1回の注文金額が5000円以上で送料無料となる。ファッションECサイトは商品を注文してから発送されるまでにとても時間がかかるサイトが多い印象があるが、GRLは商品を注文して2・3日で発送されて、すぐに届くため、着るタイミングを逃してしまうという失敗は少ない。

人気の理由

日本語入力&きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」を提供するバイドゥは12月6日、「Simeji」ユーザーへのアプリ上でのアンケート調査で得たデータをランキング化した「Simejiランキング」を公開した。ランキングのテーマは、Z世代が選ぶ「実際に使っているECサイトTOP10」である。このランキングでGRLは第9位を獲得している。数多くあるECサイトの中から、実店舗を持たずオンラインのみで販売しているファッションのECサイトに絞ると、GRLは「SHEIN」に次いで2番目という結果である。

さて、GRLはどのようにしてこのように若い女性の人気を集めたのだろうか。消費者がどのように魅力や関心を持って、GRLの商品を購入するに至ったのかについて分析していく。

GRLが人気を集めている1つ目の要因は、何といってもGRL最大の特徴である「価格の安さ」にあるといえるだろう。先ほども述べたように、トップスやボトムスなどはほとんどが1000円代、高い商品でも3000円代で買えるという破格のプライスで若い世代から絶大な人気を誇っている。なぜこれほどまでの低価格で販売できるのだろうか。それは、GRLは実店舗を持たないオンライン通販専門店だからである。通販だけで販売をしているので余計な人件費や店舗費用がかからず、これだけ安く販売することができる。しかもただ安いというわけではなく、デザインが凝っているものも多く、おしゃれ度もかなり高い。

人気を集めている要因の2つ目は、GRLの利用者が「準拠集団」からの影響を受けているからではないだろうか。準拠集団とは、消費者の購買に影響を与える集団のことである。消費者は、その製品やブランドを買うのかについて自分自身の考えだけで決めているわけではない。消費者が何らかの関係を持つ様々な社会集団の影響を受けている。具体的には、家族や会社などの自分が所属している集団や、スポーツ選手や芸能人といった自らが憧れを抱く集団などが準拠集団に該当する。そのような準拠集団の中でも「願望集団」の影響が大きいのではないだろうか。願望集団は、消費者がそこに属したいという願望を持っているグループのことである。

GRLは、お洒落なファッション雑誌さながらに、みちょぱや、今田美緒、乃木坂46の齋藤飛鳥など、10代・20代の女性に支持されている様々な人気モデルや女優がモデルとして起用されている。以前は、若い女性から圧倒的な人気を誇るアイドルグループのBTSもモデルとして起用されていた。人気モデルや女優が商品を着用した写真は、GRLのサイトやアプリ内だけではなく、GRL公式TwitterやInstagramにもアップされる。消費者の憧れとなる人物や、オシャレのお手本にされるようなモデルやインフルエンサーが実際に商品を着用している写真をInstagramなどに投稿することにより、消費者は「あの人と同じ服を着たい」と影響され、その商品を購入する。消費者にとって、手軽な価格でモデルと同じ服を着ることができることは、とてもうれしいのではないだろうか。実際に、モデルが着用していたファッションアイテムを丸ごとセットで購入する人が多いそうだ。このことから、GRLでは10代・20代から人気のモデルや女優が、消費者の願望集団であると言え、その人気モデルや女優に商品を着用してもらいモデルとして起用することで、消費者の購買意欲をアップさせることに成功しているといえる。

また、GRLの顧客の準拠集団には、先程挙げたGRLが起用しているモデルや女優だけではなく、10代・20代から人気のYouTuberも含まれると考える。なぜなら、10代・20代から人気の多くの女性YouTuberが、GRLでの購入品を実際に着用してレビューするという動画をアップしており、そのYouTuberの着る服を買いたい、着たいという人が多いと考えたからである。動画内では、サイズ感や生地の質感、色味などを詳しくは説明しているYouTuberが多い。実際に、私がGRLで商品を購入するようになったのはYouTuberからの影響を受けたからである。人気YouTuberがYouTubeで紹介したGRLの商品は、在庫がすぐになくなってしまうことも多く、とても大きな影響があるといえる。

ファッション通販サイトでは、イメージ画像のみ掲載しているサイトもあるが、イメージ画像だけでは実際に自分が着用した時のイメージを掴むことができない。しかし、GRLの商品は、私たちがよく知っているモデルやYouTuberなどのインフルエンサーが商品を着用している写真や動画を見ることができる。消費者自身がアイテムを着用した時のイメージをよりリアルに感じることができる為、多くの人がGRLの商品を購入していくのだろう。

おわりに

ここまで、ファッションECサイトであるGRLがなぜ人気を得ることができたのかについて分析してきた。スマートフォンの普及やコロナ禍での外出自粛の影響により、ECサイトで商品を購入する機会が多くなっている。しかし、ECサイトでの洋服の購入は、手軽に商品が購入できるというメリットの反面、試着ができずサイズ感が分かりにくい、色見が分かりにくいといったデメリットもある。GRLは顧客のターゲット層の準拠集団にあたる人気モデルなどを起用することにより、サイズ感が分かりにくいというデメリットをなくしつつ、更に消費者に「あの人と同じ服を着たい」と思ってもらうことにより商品の人気を得ているということがわかった。

最後まで読み進めて頂きありがとうございました。

参考文献

http://fashion-ecfan.com/25.html
今人気のプチプラ・ファッション通販サイト「GRLグレイル」とは?利用ユーザー層や口コミを調査!

https://mine-3m.com/articles/107631#:~:text=GRL%EF%BC%88%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AF%E6%B4%8B%E6%9C%8D,%E3%81%AE%E3%81%BF%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
グレイル(GRL)は危ない? 口コミとレビューから品質・安全性など徹底分析!

https://www.bizkurage.com/entry/reference-group#:~:text=%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E6%B6%88%E8%B2%BB,%E3%81%A7%E8%82%B2%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82
準拠集団の理論を応用してマーケティングの効果を高めよう!

https://eczine.jp/news/detail/10654
Simejiユーザー対象「Z世代が実際に使っているECサイト」ランキング

https://dyzo.consulting/5055/
準拠集団とは?マーケティングで押さえるべき攻略ポイント

http://snasgg.com/12.html
ECサイト「GRL」の魅力とは?


いいね、フォローしてくれると学生のやる気につながります