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【何を飲んでもええねん!】今話題のスマドリを徹底分析

 1. はじめに

現代社会において、飲酒は多くの人々のとって重要な社交活動の一環であり、リラックスや楽しみを提供する手段として認識されている。特に社会人になると、仕事上の付き合いや交流関係を深めるための飲みの場が増える傾向にある。しかし、過度な飲酒は健康リスクを伴い、個人の生活の質や社会全体に対して深刻な影響を及ぼす可能性がある。こうした背景から、健康と楽しさを両立させる新しい飲酒のスタイルが求められており、これを実現する一つのアプローチとしてアサヒグループが提案する「スマートドリンキング(以下スマドリ)」プロジェクトが注目を集めている。

スマドリプロジェクトは、ノンアルコールや低アルコール飲料の提供を通じて、健康的で楽しい飲酒を促進することを目的としている。この取り組みは、従来の飲酒文化に対する新しい価値観を提供し、飲酒に対する多様なニーズに応えることを目指している。特に、ノンアルコールビールや低アルコールビールは、アルコール摂取量をコントロールしながら、ビールの風味や飲酒の楽しみを提供する選択肢として人気を博している。

アサヒビールのスマドリプロジェクトは、健康維持やライフスタイルの向上を重視し、飲酒に伴うリスクを低減するだけでなく、新しい飲酒の楽しみ方を特に若者に向けて提供している。さらに、スマドリプロジェクトは、社会的な飲酒の場面でもノンアルコールや低アルコール飲料を楽しめるようにすることで、飲酒の自由度を広げている。これにより、飲酒を控える必要がある人々やアルコールに対する耐性が低い人々も、社交の場において一緒に楽しむことができるようになる。このように、健康と楽しみの両立を実現する新しい飲酒文化を提案し、多様な選択肢を提供している。

本論文では、アサヒグループのスマドリプロジェクトの背景と意義を詳しく探り、その効果と影響について検討する。また、スマドリの事例紹介やターゲット層を深掘りし、フレームワークの分析を行う。さらに、スマドリプロジェクトの成功要因としてのマーケティング戦略や消費者の反応の分析も行う。

2. スマドリプロジェクトの事例

2.1 ノンアルコール飲料商品の事例: ドライゼロ、ビアリー、すらっと

アサヒのドライゼロは、アサヒビールの代表的なノンアルコールビールである。アルコールを含まないが、アサヒスーパードライと同様のクリアでスッキリとした味わいが特徴である。モルトの風味や苦味を楽しめる構成となっている。ビールらしい香りや口当たりを楽しみたいが、アルコールを摂取したくない消費者向けに開発されている。特に運転者や健康意識の高い人々に人気がある。次にビアリーはアルコール分0.5%なのに、ビールを飲んだかのような満足感があり、コクがあり香りも良い商品となっている。

2.2 Z世代に響くノンアルコールの新潮流:アサヒビールのスマドリバー戦略

 「スマドリバー」とは、アルコール分0.00%、0.5%、3.0%のドリンクを100種類以上楽しむことができて、自分の体質や好みに合ったドリンクを選ぶことができる渋谷にオープンしたバーのことである。多様な商品がラインアップされており、お酒を飲まない、飲めない人に配慮されている。特にオシャレなデザインとブランディングに凝っており、パッケージデザインや商品名は、若者の感性に訴えるようなスタイリッシュでモダンなデザインが採用されている。

「バー」という名前ではあるが、お店の雰囲気は明るく、インテリアも木目調とすっきりとした空間である。バーのイメージとしては、重厚感がある、薄暗いなど、お酒を飲めない人々にとっては、入りにくいというイメージがある。そのイメージを払拭するために、誰もが安心して来店することができ、親しみのあるバーとなっている。また、インスタグラムなどのソーシャルメディアでのシェアを促進している。

『SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー シブヤ)』の店内

3. スマドリプロジェクトの分析

3.1 STP分析

主に20代から30代のお酒を飲めない、飲まないが飲みの場が好きな若年層をターゲットにしており、特にZ世代を重視している。性別は男女ともにターゲットとしているが、特に都市部でアクティブな人々も重要なセグメントとして考えられる。

また、健康意識の高い若年層として、アルコールを摂取しない場面や、健康に配慮しつつ社交的な体験を求める消費者に絞る。立ち位置としては、ノンアルコールでありながらビールやカクテルに近い味わいや楽しさを提供する。

3.2 4P分析

商品では、スマドリはノンアルコールビール、カクテル、チューハイ風飲料、スピリッツのノンアルコール版を多様に提供している。健康志向に配慮し、低カロリーでありながらも味わい深い製品となる。価格は手頃な価格帯を重視し、幅広い消費者にアクセス可能な価格設定を行なっている。

また、商業地域にポップアップバー、専門店を展開し、スマドリバーだけでなく、直接消費者にもアクセスできるようになっている。さらにオンラインストアを通じても製品を販売している。プロモーションは、テレビCMやソーシャルメディアの活用、消費者が参加できる体験型イベントも豊富に開催されている。これにより、消費者の関心を引き、ブランド認知を高めている。

3.3 5C分析

アサヒビールのスマドリは、健康志向の強い消費者をターゲットとしている。アサヒビールは日本を代表する大手飲料メーカーであり、その強力なブランド力と製品開発能力がスマドリの成功に繋がっている。主に20代から30代のZ世代および健康志向の消費者を顧客として、アルコールを避ける傾向が強いZ世代や、健康を意識した消費者層にアピールしている。

スマドリは、他のノンアルコールビールやノンアルコールカクテルのブランドと競合している。市場では健康志向や味の豊富さ、ブランドの知名度が競争の鍵となる。また、アルコール飲料市場における代替品としても位置付けられ、その市場動向にも影響を受けている。小売業者、卸売業者、飲食業者、レストランなどを含むさまざまなチャネルで構成されている。消費者の理解としては、お酒を飲んでいる人は多いが、若い人のお酒離れ、体質的に飲めない、そもそもお酒が嫌いという人に視点を置いている。

ひと昔はアルハラにあたるお酒の強要が存在していたが、今では多様性が認められるというビジネスを取り巻く地域社会の理解がある。このように、スマドリはアサヒビールの強みを活かし、Z世代や健康志向の顧客ニーズに焦点を当てた戦略を展開している。競争環境においても、独自の商品ラインやマーケティング戦略を通じて差別化を図っている。

3.4 Who,What,How,Objectiveから見る分析

スマドリの主な目的は、広く多くの人々に飲んでもらうことである。特に、従来のアルコール飲料に代わる新しい選択肢として、健康志向の高まりやライフスタイルの変化に対応することを目指している。ターゲットとなる顧客は、お酒を飲まない人々であり、既にお酒を楽しんでいる消費者は従来のアルコール飲料を購入しているため、新たな市場を開拓するために、ノンアルコールや低アルコール飲料を求める消費者に焦点を当てている。

これには、健康志向の高い若者やアルコール摂取を控える必要がある人々が含まれる。また、スマドリは、専門的な低アルコールブランドを確立することを目指し、これにより、消費者に新しい価値を提供し、アルコール飲料市場において独自のポジションを築いている。具体的には、ノンアルコールビール、低アルコールカクテル、チューハイ風飲料、スピリッツのノンアルコール版など、多様な製品ラインを展開している。

4. まとめ

アサヒの「スマートドリンキング」(スマドリ)は、Z世代と健康志向の消費者向けに開発されたノンアルコール飲料ブランドであり、飲み方の多様性を浸透させ、酒を飲む人も飲まない人も自由に楽しみ、互いに尊重し合える社会を目指している。健康を気にする消費者や運転をする人々、アルコールを控えたい人々にも人気があり、アサヒはこのブランドを通じて、健康的で美味しいノンアルコール飲料を提供し、現代の消費者のニーズに応え続けている。

参考文献

[1] https://www.dentsudigital.co.jp/knowledge-charge/articles/2023/2023-0606-sumadori

[2] https://www.asahibeer.co.jp/smartdrinking/

[3] https://www.sumadoribar-shibuya.jp/

 

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