デザイナーズノート『消えたパンツと空飛ぶサカナ』
私は、そんなにたくさん映画を観る方ではありませんが、映画館に足を運んだ際には、必ずパンフレットを購入するようにしています。
ぶっちゃけ観た作品が「つまらないな」と思っても買います。
自分なりにどんな評価の作品であっても、作り手さんたちがどんなことを考えて作ったのか?が非常に気になるんですね。
大抵のパンフレットには、監督や脚本家、演者さん達の想いだったり、作品を作るうえでのこだわりなどが書かれた「デザイナーズノート的な読み物」が掲載されています。これが大好き。
それらを読むと「ダメだな」と思った作品も、それがなぜ「ダメ」と感じたのか意外と腑に落ちたりもしますし、評価が変わることもあります。
というわけで、私も自分の作品について書きたい気持ちはあるのですが、いかんせん「マーダーミステリー」というジャンルの性質上、ネタバレを踏まずに書く事が出来ず。
最近ではプレイ済みの方を対象に「ペーパーヒーローズ -復活編-」のパンフなんかも作ってみましたが、過去作のものを作るというのもなかなか難しく……そこで、思いついたのはnoteのマガジンです。
もちろん、ネタバレが含まれることは変わりませんが「わざわざ有料マガジンを購読してまでネタバレを踏まないだろう」ということで、購読者向けの部分でネタバレを含めたデザイナーズノートを書いて行こうと思います。
古いものからはじめて、比較的新しいものまで、不定期ではありますがつらつらと書いて行こうかなと。
まずはじめに書くのは、「消えたパンツと空飛ぶサカナ」です。処女作ではありませんがこれが良いのではないでしょうか。
というのも、詳しい数は出せませんが恐らく日本で販売されているマーダーミステリー(パッケージ作品)では、2番目……もしかしたら最も数が出ています。製造数ベースではなく、販売数ベースで。
なので、プレイした方も多いと思いますし、何といっても発売から既に2年以上が経っているので、まあそろそろ良いかなと。
ミステリーポータブルシリーズ
最初にお話をいただいたのは、うる憶えですが、アークライトの橋本さんだったように記憶しています。それ以前にも、刈谷さんとマーダーミステリーの話はしていて、酒飲みながら「清須会議を舞台にしたマーダーミステリーとか面白そう」なんて話をしていたので、回りまわって白羽の矢が立ったのでしょう。
制作チームは、リーダー刈谷さんの元、新紀元社の小川さん、デザイン担当のカミバヤシさん、アークライト後藤さんの座組でした。この座組は本当に良くて、私のこだわりというか、もうワガママレベルだと思うんですが、否定せずに「こんなんどうですか?」って感じで、提案と編集をしてくれました。メチャクチャ粗削り&テキストオンリーで納品したのに、あんなに完璧な仕上がりになっているのは、チームのみなさんの力です。間違いなく。本当に感謝しきれません。
この頃、アークライトの刈谷さんはマーダーミステリーに限らず「推理を手軽に出来るシリーズ構想」として「ミステリーポータブルシリーズ」の立ち上げを考えていました。「消えたパンツと空飛ぶサカナ」はそのシリーズの第一弾作品のうちの1つとして発売しました。
当時のマーダーミステリーは公演型が主流であり、数少ないパッケージ作品も所要時間2時間前後の作品しかありませんでした。また、GMレスのパッケージ作品であっても、ルールや進行がそこそこ複雑なため、出来ればGMがいた方がよいと言えました。
公演もパッケージも「手間と時間のかかるあそび」だったのです。これを手軽に1時間程度で、そして比較的少人数で遊ばせたいというオーダーが私のところに来たわけです。本当に良い試みだなと。そして、マーダーミステリーの認知を広げるチャンスだなとも考えました。
ボードゲームの制作(ローカライズ含む)の分野でトップランナーであるアークライトさんからマーダーミステリーが出れば、多くの方に知って貰えますし、カジュアル路線というのもシナジーが利いています。悪い癖で、正直、お金の話をする前に快諾しました。
個人的に、業界を健全に発展させたいのであれば、そこには利益が無ければダメだと思っているので、安請け合いはしていません。私でなくとも、だれかが安請け合いすれば、それが業界の単価となってしまうからです。
ただ、試みとして面白い、或いは新規性があるなど、そういうことに関してはとりあえずお金を度外視してしまうことがあります。
そして、妻に怒られます(笑)
ともすれば、誰しもそうかとも思いますが、これは一応「悪い癖」だなと思うようにしています。妻に怒られたくはないので。
こんなこと書くと、無償でやったように見えますが、誤解のないように書いておくと、もちろんロイヤリティいただいています。念のため。
作品コンセプト
作品のコンセプトは色々なところで書いているかもしれませんが「究極のエントリーモデル」です。マーダーミステリーを始めて遊ぶ人に「マーダーミステリーはこんなゲームだよ」って知っていただくための作品。
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マーダーミステリー白書
マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。
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