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空間を使って考える

小説講座やエッセイ講座で文章の書き方をまだ慣れていない人に説明するときには、私はよく、考えるために頭の中の中身を書き出そうと言う話をする。書くことと考える事は同じだから。書かないと本当に深いことは考えられない。3桁× 3桁の掛け算の暗算はできないが、紙に書けばできる。それと同じことが思考にも当てはまる。紙に書けば3桁の計算ができるようになるのと同様に、1階建ての思考が3階建てになる。

さらにどんな紙にどんなふうに書くかも、思考の内容に関わってくる。

ゼロから1を作り出す時や、自分の中の混沌を言語化したいときは、罫線のないA4サイズの裏紙に書き散らす。右上に書いたり真ん中に書いたり、とにかくフィーリングにしたがって書いていく。位置関係がそのまま思考になる。

すでに考えがまとまりかけている場合は、箇条書きで順番に書いていく。考えが整理されて固定化されていく。

こんなふうに長文で長々と綴ることもある。

空間の使い方は、そのまま脳の使い方に通じる気がする。

それは直観ではなく、進化に基づいた必然なのだと『脳の外で考える』という本を読んで思った。

わたしたち動物が賢く生きるためには、位置を覚えることが重要だ。敵の位置、獲物の位置、家の位置、初めて見る場所の記憶。歩き回り、生存に必須な情報を、脳に記憶してきた。脳に記憶できたものだけが生き残った。

そういう頭の使い方をしてきたのだから、位置の刺激は、脳を活性化すると思う。

壁一面にホワイトボードにするシート貼って落書きしてみたいなあ。小説のアイデアが出そうな気がする。

逆に、頭がいっぱいで途方に暮れるときは、小さな紙に書くのがおすすめ。わたしは、毎日のToDoリストは、いろいろ試して、A4の紙を四つ折りにしたものを横長にして真ん中に縦線引いたものに落ち着いた。

ところで今日は、朝から何人の人と連絡を取り合っただろう。取材依頼、打ち合わせ、原稿確認、原稿提出、雑談などなど。ずっとパソコンの前でやっていることだけども、ちゃんと相手の顔を思い浮かべて、想像の中で三次元化してやると疲れ方も違ってくるかもしれないと思った。

◾️本日の小説活動
アプリでひたすら漫画『ONE PIECE』を読んでいる。仲間っていいよね…。

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