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幸せのキャパを増やす方法と、幸せを貯める方法。

漫画『DEATH NOTE 』をKindle大人買いして読みまくっていて、昨日読み終わった。今更読み始めたのは、ネットで「DEATH NOTEの主人公はなぜ死んだんですか?」っていう質問を見て、ちょっとしか読んだことなかったけど、あいつ、死ぬんかい…!と思って読みたくなったから。

面白かった。絵もストーリーも、人物の書き分けっぷりがすさまじい。それぞれのキャラが、それぞれの動機で動いていて、少しもぶれていない。ときどきストーリーにとって意外な動きをするけれど、その動きも、後から考えたら、そのキャラクターだから納得できるものばかりで、この性格じゃなかったらこうは動くまい、という感じで。キラとLの読み合いだけでなく、すべてのキャラの設定がかみ合わないと、このストーリーが成立しない。

将棋の上手い人は、全ての駒を活かして相手の王を攻めていくけど、わたしなんかは2手以上読むのが面倒くさいので、とりあえず王手狙えるって思ったら、単独で突撃して取られて終わってしまう。行き当たりばったり。

「DEATH NOTE」は全部の駒が効いていて、わたしの書くものはわたしの将棋とおんなじでちょっと先までしか考えられていない、行き当たりばったりだわ、と思った。わたしもこんなストーリーを書けるようになりたいな。

ところで、面白い漫画やドラマを見つけたら、すべて見終えるまでは、そのことで頭がいっぱいになってしまう。やらねばならぬ仕事も押しやって漫画を読んでしまう。漫画を読む合間に仕事をする、という感じになる。でもまあ最終的には間に合うので、書けずにうだうだしている時間を、すっきり気分転換できていいのかもしれないけれど。

そんなことしてないでもっと先々進められたら、クライアントさんも喜ぶのにダメだなあ、なんて思ったりもするんだけど、でもこのスイッチが入らないとわたしは仕事ばかりしてしまう。

漫画の合間に仕事をするように、好きなことをする合間に仕事をやるのは、仕事ばかりしていて好きなことをする暇もなく、そのうち好きなことを思いつかなくなるよりも健全なのじゃないか。好きなことが人生のメインで、仕事はそのための手段。もちろん仕事の中にも好きなことややりたいことが入っているんだけども、仕事ばかりというのは毎日焼肉ばかり食べるような不健全さがある。他の好きなこともやれた方がいいと思う。

アプリ限定の連載漫画で毎日少しずつ「異世界ウォーキング」という作品を読んでいる。異世界に勇者として召喚されたけど、特殊スキルが「歩いても疲れない」という戦いに向かないものだったので、第一線から外れてしまい、それならこの異世界を隅々まで歩いていろいろなものを見よう!というポジティブで素朴でいい人な主人公の話。

勇者として名を馳せたり競争したりする気持ちがさっぱりなく、ただただ毎日、いろいろな未知のものに出会って楽しそうな主人公を見ているうちに、わたしだってこの世界に召喚された異世界の者なのかもしれないと思う。

寿命という期間限定で、この世界に召喚されて、しかも魔王を倒すという使命も何もない。何をするかは任されている。異世界ウォーキングの主人公は、いろいろな体験にワクワクしながら歩いているとスキルが自然にアップしていくのだけど、レベル上げが主目的ではなく、異世界を楽しむことがメインなのが面白い。今ここにいるわたしだって、そんなふうに生きることもできるはずだ。

すんごい強い能力を与えられていたら、世界を代表して魔王的なものを倒しにいくしかないけど、そうじゃなくて誰にも期待されなかったから、世界の隅々まで歩いてやろうって思えたわけで、勇者として魔王を倒して幸せになる、というテンプレから外れたのに、自分の幸せの形を作り出した主人公がかっこいいなあと思う。

わたしだって、せっかくこの世界に召喚されたのだから、いろいろ見て回って好きなことをして、ときどき必要に応じて仕事依頼をこなして。創作や表現をして勉強して経験して、自分のスキルが増えることにワクワクして、人に出会って、ひとりではできない体験をして。感情を動かして生きていきたい。

そうしたら、誰かの役に立ったり、誰かに喜んでもらったりできる場面も増えて、誰かにいてくれてよかったと思われることで生きる力が増える気がする。自分が生きたいように生きるのが1番で、でもそれだけだと時にはぐらぐらしちゃうから、そういうときに「生きててくれてよかった」と思ってくれる人がいたら、がんばれなくなったときでも危機を乗り切れる気がする。

自分に好意的な人とやりとりをすると、幸せが回復する気がする。そして、自分の生きたいように生きると、幸せのキャパ自体が広がる気がする。要はそのバランスなんだよなあ。

期待に応えてばかりで自分の生き方を見失ってしまうと大きな深い幸せにはたどり着けなくて、すぐ枯渇して満たされなくなって、いつも人の反応ばかり求めてばかりになる気がする。

かといって、自分の生き方にこだわりすぎて誰の期待にも応えなかったら、幸せのキャパは大きいのに、中身がスカスカで、「何のために生きてるんだろう」と苦悩し始める気がする。何で生きているのかなんて、自分の意思と関係なくこの世界に召喚されただけだから、理由なんて、そもそもないのに。幸せがある程度満たされていれば、その疑問を追いやって生きることができる気がする。経験上。

というわけで、幸せのキャパを増やすべく、仕事減らして、もっと遊びたいです。

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