羊の数だけ増えていく。
眠れない夜。
羊を数えるといいらしいですが
私はある程度の数になると、
「あれ?123って言ったっけ、今?」
となり、眠気がとんだりします。
もはや羊の数を数えるのが目的になっていますよね。
それで寝られるわけがない。
元々長時間まとめて寝るタイプではないのですが、
ここ数年は夜中に目が覚めるのが怖くて、
寝るのもなんだか怖い様な変な気持ち。
寝ていて起きた時、動けなかった時期の
気持ちが突然襲ってくるのが、怖くて仕方ない。
そういえば、ギランバレーで寝返りも打てない時期は
夜が来ること自体が怖かったというか、辛かったです。
夜勤の看護師さんが「今日の担当です」と挨拶に来て
更に消灯の時にも来るのですが、それが嫌で。
「これから夜の時間なんだ」って思うのが辛かった。
何とかうとうとして目が覚めて、見ない方がと思いつつ
枕元にあるデジタル時計を見てガッカリ。
「まだ2時間しか経ってない・・」
朝6時になれば検温があって、通常の1日が始まる。
それが本当に待ち遠しかった。
夜間も見回りと態勢を変えるのと水分補給などで
看護師さんが2時間おきくらいには来てくれますが、
たまたま寝てしまっていたら、会話とかもなく。
体調が悪い時期は、寝てばかりで気にならなかったのに、
治療が進んで体力が戻るにつれ、時間の進みの遅さが
本当に辛いと感じていました。
寝てばかりの時期を過ぎ、ちょっと体調が戻った時、
私は頭の中に、何も考えも感情も思い出とかも浮かばないと
気付いたのです。
「え、何でこんな無なの?」
怖かった。このままじゃダメだ、どうしようってなりました。
自然に浮かぶ感情とか感想も鈍くなっていて、
頭の中が常に静寂って、どういうことなんだろうって。
本当は色んな人と話したり、交流出来れば嬉しいけど、
看護師さんは忙しいし、家族だっていつもいる訳じゃない。
廊下から聞こえる話声や、生活音で安心出来る位、
私は人との繋がり、社会との関わりに飢えていたんだと思います。
そこで、ラジオを買ってもらいました。
幸運な事に感染症対策で個室だったので、
特例として24時間消灯後も小さい音でかけっぱなしOKの
許可をいただいていました。
病院のある地方FM局の番組で時間と曜日が分かるほど
毎日毎日聴いていたのですが、月に1~2回の日曜日だけは
私にとってつらい日でした。
その日は、2時くらいに番組が終わって、月曜の朝番組まで
無機質な音楽か、「ジー」という繋がってます音だけが流れて。
朝5時台の番組が始まるのを今か今かと待っていました。
その時も羊を数えようとかもしてみたのですが、
私の思い浮かべる羊がストレイシープのポー(アニメ)だったり、
ウォレスとグルミットの羊だったりで眠くなる感じではなかったですね。
昨日相方のあゆちゃんが、ご子息の手術の関係で
1番病院の待機室にいると聞いた時、その入院中の夜感じてた感情が
一気に押し寄せてくるのを感じました。
長い夜。一人で過ごす。個室。
このキーワードでなったのかもしれませんが、
「わーーーーー」ってなっちゃったんですね。
それで、何か出来ないかなと思って、いつも収録でお届けしている
寝る前ラヂオ(standFM)をライブでやりました。
聞かされていなかったあゆちゃんは「ライブ!?」って(笑)
かなりのサプライズになったみたいで、良かったです。
試しに言ってみたら、快くコラボしてくれて、私の方が
楽しい時間をいただいてしまいました。
いかにあゆちゃんが周りから愛されているかも感じられ、
人の繋がりや温かさにほっこりしましたが、
引き続き一日も早い回復をお祈りすると共に、
時々あゆちゃんのいる方へ、パワーを送り続けたいと思います。
昨日も結局、羊を数える夜になりました。
その間にも余計な事を考えてしまい、数え直す事数回。
恐らく私がなかなか寝付けないのは、頭の中の落ち着きが
足りないからなんだろうな。