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【江戸ことば その28】勘当

≪ 2011年、Facebookへの投稿 ≫
講談社学術文庫の『江戸語の辞典』(前田勇編)は1067ページもある大著で、約3万語を収録しています。
私は4年前(注:2006年秋)に「端から端まで読み通してみよう」と一念発起し、4か月半かけて何とか通読しました。今も持ち歩いては、「江戸の暮らしが目に浮かぶ言葉」「現代語の知られざる語源」「色っぽい言葉」を楽しんでいます。
1日に1語程度、ツイッターで紹介してきた江戸語を、Facebookのノートにまとめて採録してみます。
なお、カッコ内は私の感想・コメントで、編者の前田勇さんとは関係がありません。

「勘当」(かんどう)

主君が家来、師匠が弟子、親が子、兄が弟に対し縁を切ること。

(…縁を切らないまま、家出息子が罪を犯し死刑になったら親も死刑になる時代。役人に願い出て勘当帳に登録した。連座の悲劇を避けるシステムだった)

文例・明和2年(1765年)
「勘当も初手は手代に送られる」
2011年2月16日 Twitter投稿

勘当という言葉は、私が子供の頃には「古い言葉だな」と思いつつも、まだありました。やテレビの時代劇で、「勘当だ、出ていけ!)」と怒鳴るような感じで。
が、さすがにもう死語でしょう。
時代劇がテレビからなくなったことが大きいかなと思います。

勘兵衛が出て行った後、仁左衛門は、独りキセルを火鉢にカンッと叩いた。暴れん坊とは言え、息子が「くたばれ」と言い捨てて、家を出たのだから、初老の父には堪えた。
しばらくして、やっと仁左衛門は、番頭の三郎兵衛を呼んだ。

「仕方ねぇ。勘当帳を書くべぇ」
仁左衛門は、年より老けたように見えた。三郎兵衛は慌てて言った。
「いや、ちよっと待っておくんなまし、旦那さま」

2019年5月、石垣の前で咲き誇る。
父の撮影。

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