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【江戸ことば 31】鯨、鯨鬚(くじらひげ)

≪ 2011年、Facebookへの投稿 ≫
講談社学術文庫の『江戸語の辞典』(前田勇編)は1067ページもある大著で、約3万語を収録しています。
私は4年前(注:2006年秋)に「端から端まで読み通してみよう」と一念発起し、4か月半かけて何とか通読しました。今も持ち歩いては、「江戸の暮らしが目に浮かぶ言葉」「現代語の知られざる語源」「色っぽい言葉」を楽しんでいます。
1日に1語程度、ツイッターで紹介してきた江戸語を、Facebookのノートにまとめて採録してみます。
なお、カッコ内は私の感想・コメントで、編者の前田勇さんとは関係がありません。

「鯨」「鯨鬚」(くじらひげ)

歯のないセミクジラなどの上あごにある、櫛の歯状の角質板で、食物と水をこし分ける。

(…凧のうなり、提灯、操り人形内部のばね。使われたのは竹ではなく鯨鬚。弾力性があり、様々なものに利用された)

文例・寛政6年(1794年)
「のどやかさ空にくじらの声がする」
2011年2月19日 Twitter投稿

日本列島に暮らす人間にとって、クジラはとても重要な生物で、身体のすべてを余すところなく役立てました。
とは言え、クジラの「ひげ」まで、ばね代わりにして、生活のあちこちにこんなに使われていたとは驚きました。

膝でぐいぐいっと三尺もの長い鯨を曲げて、麻紐で結える。びいんと張ったうなりが付いて、大凧ができた。一年に一度、こうして凧を作って八年になる。
大凧揚げは来月三日。一の宮の秋祭りに合わせて開かれる。今年もいい音を響かせて、青空に上る凧を思い浮かべると、気持ちが高ぶった。

写真は今年4月、自宅裏で父撮影。
右は、鳥小屋。

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