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【江戸ことば 34】じょな娘

≪ 2011年、Facebookへの投稿 ≫
講談社学術文庫の『江戸語の辞典』(前田勇編)は1067ページもある大著で、約3万語を収録しています。
私は4年前(注:2006年秋)に「端から端まで読み通してみよう」と一念発起し、4か月半かけて何とか通読しました。今も持ち歩いては、「江戸の暮らしが目に浮かぶ言葉」「現代語の知られざる語源」「色っぽい言葉」を楽しんでいます。
1日に1語程度、ツイッターで紹介してきた江戸語を、Facebookのノートにまとめて採録してみます。
なお、カッコ内は私の感想・コメントで、編者の前田勇さんとは関係がありません。

「じょな娘」

美しく着飾った、なまめかしい娘。

(…「じょなめく」は美しく着飾る、なまめかしく振舞う、しなやかである意味。現代には残っていないが、とてもつややか)

文例・文政6年(1809年)
「こりゃかわゆらしい、じょな娘」
2011年2月23日 Twitter投稿

昭和末期の「ギャル」という言い方が生きていたのは、平成の「小ギャル」まで。
こういう類の言葉は、「文政年間には言っていた」が、「天保の時代になってからは、明らかに古い」ということがありえます。

煮豆を運んできた娘に、燗酒に酔い始めていた初老の町人が「こりゃかわゆらしい、じょな娘」と声をかけた。
精七は、横の町人を横目で見ながら、「聞いたか、じょなむすめだとよ、あのおやじ」と笑いを噛み潰しながら清兵衛に言った。
「確かに、もう聞かねぇ文句だわい」


写真は2018年11月、故郷で私が撮影。

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