【江戸ことば その13】もく
≪ 2011年、Facebookへの投稿 ≫
講談社学術文庫の『江戸語の辞典』(前田勇編)は1067ページもある大著で、約3万語を収録しています。
私は4年前(注:2006年秋)に「端から端まで読み通してみよう」と一念発起し、4か月半かけて何とか通読しました。今も持ち歩いては、「江戸の暮らしが目に浮かぶ言葉」「現代語の知られざる語源」「色っぽい言葉」を楽しんでいます。
1日に1語程度、ツイッターで紹介してきた江戸語を、Facebookのノートにまとめて採録してみます。
なお、カッコ内は私の感想・コメントで、編者の前田勇さんとは関係がありません。
「もく」
香具師の隠語。
タバコ。雲の倒語。
(…語源が雲=煙の連想とは知らなかった。吸えるところがまだ残っている吸い殻「シケモク」で現代にも残る。なお、当時タバコは薬と見なされていた)
文例・天保2年(1831年)
「時にモクが、かまらねえ」
(「かまる」は香具師言葉で「ある」だから、「かまらねえ」は「ない」。つまり、「たばこを切らしちゃったんだよ」と言っている)
2011年1月24日 Twitter投稿
煙がモクモクからだとばかり思っていました。逆さ言葉は、江戸時代にも結構あるんです。これから、ちょこちょこ出てきます。
ちびの権左が「兄貴。モク、くんねぇか?」と言う。大人ぶりやがって。
なんでお前みてぇな餓鬼に、煙草を恵んでやらなきゃならねえんだ。いい加減にしやがれ。
写真は実家の仏壇、昨年のお盆に撮影。
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