『雲仙記者青春記』第3章 警戒区域が設定され、1万人の被災者の長い生活が始まっていった
『雲仙記者日記 島原前線本部で普賢岳と暮らした1500日』
(1995年11月ジャストシステム刊、2020年12月17日第3章公開)
自然災害 と ”法律災害”
「6・3大火砕流」から3日後。島原市の鐘ヶ江管一(かねがえ・かんいち)市長は、市内のホテルの一室で、高田勇長崎県知事の必死の説得を受けていた。「普賢岳が沈静化するまでヒゲはそらない」と公言し、普賢岳災害を象徴する存在となったヒゲ市長である。
「なんとしても警戒区域を設定してくれ。これ以上犠牲者は出せない」との知