アラジンと魔法のランプ
演劇シーズンも後三作品の公演が残るのみになりました。
劇のたまご 子供に演劇を好きになって欲しいパワーが溢れてました。
チラシにはランプと魔神。
やまびこ座は札幌市営地下鉄元町から徒歩8分。
札幌座の公演は主に扇谷記念スタジオ・シアターzooで見る事が多いからやまびこ座で見るのは珍しいのですよ。
熊木さんと木村さんの前説からの突然のアラジンの登場。
座席の目の前のちびっこがお芝居なんて観たくないから一分でここを出ていいかとお母さんに聞いていました。
そんなちびっこが手にしているチケットをもきゅもきゅしながらも舞台から目が離せなくなってしまうスピードで役者達の(離脱などさせるものか)という気合が舞台の上から怒涛のように押し寄せて、泣いている子もワイワイしていた男の子たちも固唾を飲んで話の行方を追ってしまう舞台の回転の速さ。
山野さんのランプの魔人の登場に目線がくぎ付けなんです。
アラジンが働かないで遊んでいるという設定も子供たちは自分を重ね合わせてしまう主人公像のようでした。主人公が優秀ではない。最初からヒーローではない。冒険や経験を重ねていくうちに成功していくものなのだと子供たちがほっとしてしまうようです。お母さんにお金をねだったり知らない人に騙されそうになったり。自分もそうだよなって思いますよね。
アラジンが甘えるお母さん役の熊木さんがお姫様に代わって登場するとわかっている大人は笑ってしまいます。男とはマザコンなのだと。熊木さんは札幌座の公演で「群来、春告魚と蜃気楼」では犬の役で舞台の上で四つ足だったりしましたから、お母さんからお姫様になっても何の不思議ではないのですが母からお姫様の役が被り物一枚で変容してしまうので、役者さん凄すぎると思ってしまうのです。
磯貝さんも指輪の魔人の迫力(巨大さと小林幸子的な歌声)でアラジンを吹っ飛ばすのでその後で棒読みの王様になって表れても磯貝さんだと気づかれず、誘惑に弱い君主であるが為に自分の娘を翻弄させる役に染まってしか見えないので役者さん凄いーと息を呑んでしまいます。
札幌座「葉桜」で熊木さんと磯貝さんの母と娘設定の二人芝居もお見事だったんですよ。
まあ、どんだけ札幌座にはまっているのって話ですが、職場からの帰り道に自転車で行けるから(冬は徒歩)。
金曜日の夜に一週間の終わりにお芝居が観れるのだとお仕事に張りを持って生きていけるの素晴らしくてやめられないのです(疲れているから少し寝てしまう時あってごめんなさい)。
山野久治さんは札幌座にたびたび登場していて「亀、もしくは…」の医師役がつい最近なんだけど、「ブリテン罰符の錬金術」で頭に天使の輪を付けてソフトクリーム持って出てきてしまった時に(コープの家族葬のCMの方!!)と大笑いしました。そんなノリノリで天使の輪を付けてしまうとは。
山野さんの怪演が凄すぎて、主人公の田中さんのアラジンも頑張って演技しているのはわかるのですが、なんせ役者歴が違うのでしょうか?もう、振り返れば山野魔人が「きゅっきゅっきゅっきゅー♪」とリフレインするから大変です。アラジンも凄い頑張るのですが所詮は魔人頼みだから仕方ない。
ちびっこも舞台の端から魔人が登場するだけで爆笑だったんですよ。動きが素晴らしく細かい。山野さんをもう一度見たいと二回足を運んでしまいました。出来るなら毎日観たいくらいだったんですよ。
横尾實さんの悪物も一貫して悪者でお姫様に誘惑されてあっさり陥落。出てくるだけでちびっこたちの緊張が会場中から伝わってきました。
木村美結さんも舞台で役者するようになりましたね。成長が楽しみ。
コール&レスポンス。舞台と客席が一体化した回でたくさんのちびっこと楽しくお芝居を拝見できました。
回によってかなり雰囲気が異なります。
やっぱり満員に近いくらいが役者さんもノリノリになるようです。
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