お尻を洗ってお待ち下さい。その6
術後安静七日間。
そのうちベッドから動けない二日間が過ぎてベッドから自由になって動きまわる。病院の中だけであるが。
8時、12時、18時。何もしなくてもご飯が出てくる。結婚してから経験した事が無い毎日毎食全自動的に食事が配膳される喜びに全ワタシが泣いた。
腹八分の絶妙な量でいつも残すこと無く頂きご飯はお代わりが欲しいくらいであった。(ちょっと足りなくて大飯食らいであることに気づく)
間食はして良い事になっており持ち込んだ干し芋とビスケットを少しずつお茶と楽しんだ。
暇になると意識が患部のヒリヒリした痛さの方に行ってしまうのからタブレットで必死に映画を見た。
蜜蜂と遠雷
最強のふたり
ボヘミアン・ラプソディ
舞妓はレディ
ラ・ラ・ランド
夜のピクニック
洋菓子店コアンドル
グランド・ブタベスト・ホテル
最高の人生の見つけ方
パーマネント野ばら
ジョゼと虎と魚たち
きっと、うまくいく
トレインスポッティング
舟を編む
リップヴァンウィンクルの花嫁
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
チョコレートドーナツ
メゾン・ド・ヒミコ
U-NEXTからなるべく見放題の物を選んだ。
おススメの映画を検索して
評価の高い映画を厳選したから
大体どれも面白かったが
短期間に詰め込んだので
一人映画キャンプみたいになり
頭が重くなった。
後は本を読んだり、俳句を作ったり、
空を見ながらラジオ聞いたり。
土日以外は医師の診察を自室のベッドで受けた。
朝9時頃になると院内に放送がかかる。
「これから医師の回診です。お尻を洗浄してお待ち下さい」
医師が現れる数分前に看護師さんがやってきて
「はい、あっち向いて布団の中でお尻をだしていて下さいねー」と声をかけてられる。
パンツを下げてバスタオルを掛けて待つ。若いがもう尻を触らせたらベテランという感じで医師が微笑みながらお尻の穴に指を入れ、
「うん、腫れてないねー!順調!!」
キラキラした笑顔を振り撒いて颯爽と部屋を去って行く。
ほっと胸を撫で下ろしパンツを上げて皆が居なくなるのを待ってからタブレットで映画の再生ボタンを押す。そんな日々が過ぎていった。
最後の二日間は二人部屋なので相部屋になったが、ほぼ一人自由に入院ライフを過ごし退院前日には帰りたく無い気持ちが芽生えるほど居心地は良かった(看護師さんは優しいし)のだ。
目を瞑れば温泉宿であるような錯覚までしてきた。
ただ夫が毎日LINEで近況を報告してくる。
さびしんぼうが待っているから
早く帰宅しなくてはならない。
予定通りに退院を決めて
薬をわっさりバックに詰め込みタクシーで帰宅。
現在は自宅療養を過ごしている。
九日間、ベッドに横になっていると
流石に足がおかしいやら痛いやら。
足がもつれてひっくり返りそうになる。
手術後、気がついた事がある。
あまりにも病気を長引かせて
異常が通常になってしまい、
完璧に通院のタイミングを見誤っていた。
閉経していてその後の不正出血と思っていたのが
実は私の場合は「痔」だったので
思い込むのはやめて
おかしいなと思ったらどこかの病院に行くべきだったのだ。
術後に変な出血は無く、
腫れていた肛門付近も
こんなお尻だったのかしらと思うほど
へっこんでいる。
二週間したら下半身からの出血が
流れる事は男同様になくなるのだ。
忙しい過ぎる日常を見直して
落ち着いて身体を見直す時間を見つけ直さないと
また、何か病気が出て来てしまうかもしれない。
痔は早めに受診すれば
日帰りで帰宅できる時代です。
是非、悪いところがあれば早めに病院へかかることを
おススメしてこの連載を終わりにしたいと思います。
退院後、購入したクッション
「女王の座」。
持ち歩く為に風呂敷に包んで持ち歩いたら
デパートでなんだかペコペコ頭を下げられる。
お歳暮を丁寧に風呂敷に包んで歩く奥様に見えたに違いない。
ワンピースを来て風呂敷は夏のお中元ファッションだったか。
早めの痔の治療は人生において本当に大事です。