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カリタ式ドリップを解説!コーヒーが好き。カリタが好き|金澤屋のドリップ教本

コーヒーが日本で愛飲され始めたから最も使われていると言っても過言ではないのがペーパードリップの「カリタ」通称「カリタ式」で愛されるコーヒー機器メーカ―カリタ社の「カリタ式ペーパードリップ」を金澤屋流に解説。その構造からの特徴とポイントそして美味しい淹れ方の動画や図解説を交えて、美味しさ抽出の謎解きをしていきます。

コーヒーの抽出に一歩二歩踏み込んだ内容となっております。初めての方には、器具についての一般知識を、ドリップをしている方にとっては気になる事や共感することがあるのではないかと想像しております。

マニアックな図解説は、金澤屋流の解説です。どうしたら美味しく淹れられるだろうと考えている方にぜひ読んで頂けたらとお勧めします。

初めまして「カリタ」

ネルドリップの良さを残しながらお手入れやメンテナンスの面倒を省いたものから生まれたのが「ぺーパードリップ」です。ドイツのメリタベンツ氏が考案したのが始まりです。以降コーヒー機器メーカー各社から改良を重ね現在では、沢山の抽出器具が生まれました。その幾多ある器具の中でもトップブランドのカリタ。1959年日本で生まれました。

代表的なドリッパーには

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扇形で底に穴が3つの「コーヒードリッパー」

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底が平らで穴が3つのニューコンセプトの「ウェーブシリーズ」の2種類

専用の紙フィルターをセットしコーヒーを淹れます。
ドリッパーの材質は、樹脂、磁器、ガラス、ステンレスなど豊富です。

メーカー規定のメジャースプーンは1杯=10g
比較的安価、手に入りやすくスターターにお勧めしやすい商品です。

<特徴> 
簡単 
誰でも淹れやすい 
手に入りやすい
早めの抽出
軽やかな味わいが得意 

2つのカリタ「コーヒードリッパー」と「ウェーブシリーズ」

カリタ式には、定番の扇形3つ穴からニュータイプのウェーブシリーズ3つ穴の2種類があります。
一般的には、3つ穴扇形がカリタ式のイメージですが、近年では家庭用からプロまで幅広く愛用されているニュータイプの「ウェーブシリーズ」が注目され使われています。
「コーヒードリッパー」101-D、102‐D、103-D,104-Dなど

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雑味が出る前に美味しいコーヒーだけをドリップしよう。湯の通りを早くするリブが複数ドリッパー内に刻まれ底には穴が3つで高速抽出。
ドリッパー価格330円~
紙フィルター 扇形(1枚当たり約3円~)

「ウェーブシリーズ」155,185

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近年発売されたニュータイプ。
ニューコンセプト「簡単に味ブレの少ないドリップコーヒーを淹れることが出来る」穴の数は3つ。ドリッパーに溝はなく20個のひだのついたウェーブフィルターを使用することでドリップができる。
価格 2310円~
紙フィルター カリタ・ウェーブフィルター(1枚当たり約7円~)

いずれも、カリタ式でありますが、価格の差はかなり大きく見た目も大幅に違います。ここ近年の売れ筋はニュータイプに集中しております。その理由は、上記記載した通り「簡単に味ブレの少ないドリップコーヒーを淹れることが出来る」プロは勿論、一般の方にも目に見えてわかるコーヒーの美味しさにあると言えます。その理由についてはこの後ゆっくりと解説していきたいと思います。

メーカー推奨の淹れ方

少量のお湯で粉全体を湿らせる。
30ほど待つ。(むらし)
その後数回に分けて注ぐ。
推奨抽出時間 3分以内
杯数と粉の量の目安
1杯分 120㏄ 10g 中挽き
2杯分 240㏄ 18g 中挽き
※一人分を10gとし、2杯目以降は8gずつ増やしていく。

カリタの大きなドリッパーで沢山淹れる際は、抽出時間がかかりすぎる可能性があるため粉の粗さはやや粗めにする。

金澤屋流カリタ「コーヒードリッパー102―D」で淹れる|動画解説

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動画で使っているのは、こちらの扇形ドリッパーです。↑

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底に小さな穴が3つ   底が長細い

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リブが上部、サイド、底部分に複数ある 

<抽出のコツ>
1. 紙側にお湯をかけない
2. 扇形であるので、上から注いだお湯の通る粉の層の深さをイメージしながら注ぐ。底の部分から真上の粉の層が一番深く、ドリッパー側が一番浅い。粉の層が深い部分には、しっかりと浅い部分には最初からたっぷりとお湯を注がない事で抽出ムラ(味が沢山出ている個所と不足している部分)が防げる。
3. 底が細く長い形状に合わせて細長い楕円状にお湯を注ぐ。真ん丸でなくてよい。
4. 泡には、コーヒーの灰汁が付着して浮いた状態になっているため、最後はドリッパー内のお湯を落とし切らずに完了させる。

こちらが動画です。↓

粉24g使って2杯分淹れています。

金澤屋流カリタ「コーヒードリッパー102-D」図解説

ここからが、本題です。抽出のコツやドリップ動画もご覧になられた事と思います。こちらを1度見て、なぜそうするのか?を説明するのが目的であります。説明するにあたり言葉足らずな部分は、金澤屋流カリタ図解説で謎解きして行きます。

カリタ式コーヒードリッパー扇形①粉をセットした際の基本構図

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ドリッパーに粉をセットします。

上から見る/斜め横から見る/真横から見る。

何か気が付いたことはないでしょうか?

ここで頭に入れておく大切な事があります。

「上から注いだ湯は、浅い粉の層と深い粉の層を通る事になる」という事です。ほぐして言うと、上から同じようにお湯を注いでも、ドリッパーの中では、浅い、深い部分があるので均一に行き渡りにくいという事です。

ここでのポイントは、粉の層の深さを意識してお湯を注ぐこと。深い部分にお湯を重点的に注いでいくことです。つまりこちら↓

底の部分から真上の粉の層が一番深く、ドリッパー側が一番浅い。粉の層が深い部分には、しっかりと浅い部分には最初からたっぷりとお湯を注がない事で抽出ムラ(味が沢山出ている個所と不足している部分)が防げる。

カリタ式コーヒードリッパー扇形②形状を考える

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ドリッパーには色々形状があります。カリタ3つ穴扇形ドリッパーと例えば全く違うのがコーノ式円錐1つ穴フィルターです。

扇形のカリタ式では、上から注いだお湯は、細長い底でたまってろ過されます。コーノ円錐形フィルターでは注いだお湯が1点に向かって溜まらずろ過されます。

ドリッパーの中のお湯の流れ、想像してみると形状の影響が大きく出るところです。

ドリップのコツでよく言われる丸い円を描く注ぎ。カリタ式の扇形ドリッパーでは、底が細く長い形状に合わせて細長い楕円状にお湯を注ぐ。と良いのですね。

カリタ式コーヒードリッパー扇形③リブを考える

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ドリッパーの構造でよく使われる専門用語「リブ」は、今後も毎回出てくるキーワード。「リブ」というのは、ドリッパーの内側に意図的につけられた溝です。数、長さ、太さ、高さ…同じように見えてもメーカー各社によって違いがあり、ドリップをコントロールする役目があります。具体的には、リブは、ドリッパーと紙フィルターに隙間を作ります。

空気が通り、コーヒーに含まれる炭酸ガスを抜きます。

リブが上部まで複数伸びたカリタ式では、どんな事が起こるだろう?

「空気の抜け道が多い=湯抜けがよくなる」

つまりお湯が早くコーヒーの粉を通過し抽出時間が早くなります。

カリタ式コーヒードリッパー扇形④抽出中のお湯の流れ

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ドリッパー内に複数つけられたリブがお湯の抜けを促進。リブ側からのお湯の抜けが多く、底に空いた3つの穴からろ過がどんどん促進され早く落ちます。リブは、ドリッパー内の底だけではなく横にも複数つけられているため、ドリップ時にドリッパー側にかけたお湯は、底からろ過されるが横からも抜ける事が分かります。上から注いだお湯がリブ側から粉を通らずとも下に向かってろ過。つまりドリッパー側に向かって沢山お湯を注ぐと粉を通らないお湯の通り道を作る事になります。

こちらの構造と全く違うのは、コーノ式名門です。(説明書きは、リブが一番短い名門K)リブは低くとても短く小さな穴が1つ。上から注いだお湯は、フィルターの端に流れても再び中心へ戻ります。結果的に穴が一つ。一点に向かいお湯がしっかりと粉を通ってろ過されます。リブが短いとガスの抜けはわるいですが、お湯が粉を通る時間も長くなります。

紙側にお湯をかけないと言った理由はここにあります。ドリップ時の最初から最後まで守ってみてください。水っぽかった味わいが、少しばかりの努力で味はググっとしっかり出ます。

カリタ式コーヒードリッパー扇形⑤抽出のイメージ

コーヒーの抽出を始まりから終わりまでをイメージしたものです。

コーヒーの抽出:始まりから中盤までに良質な成分が沢山出ます。
注ぐ湯量:細い→やや細め→並み→太め
上面から見たコーヒーエキスの濃度です。前半にたっぷりと、味が出たらエキスは薄くなっていきます。
ドリッパーの側面から見てみると、最初はポタポタっと濃厚なコーヒーがろ過されるのに対し終盤では、薄い茶色のコーヒーが沢山出てきます。

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コーヒーの抽出は、いかに良質な成分をたっぷりと引き出し要らない成分を食い止めるかがテクニックとなります。抽出のイメージを更に細分化していくと下記の図になります。

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<カリタ式扇形ドリッパーの抽出イメージ>

蒸らし:中心から楕円状にお湯をのせるように優しく注ぎます。ペーパー側までいかないほどの湯量です。

30秒程待つと粉全体がぷっくり膨らみ、落ち着いたところで次の注ぎです。

2回目の注ぎ:粉全体のガスが抜けてお湯が浸透し良質な成分がたっぷりとでてきます。ここはたっぷりとお湯を注ぎたいのですがここは慎重にお湯を中心に底の穴3つ空いた細長いラインに合わせて線を引くように注ぎます。注ぐと泡が出てきます。一旦注ぎを止めてクリーミーな泡がお湯の注ぎと共に楕円状に広がるまで慎重に注ぎます。クリーミーな泡が溢れ出てくるタイミングと共に、サーバーへ落ちるコーヒーのろ過速度も安定します。コーヒーのいい香りが出てきます。

3回目と4回目の注ぎ:2回目でほとんどのコーヒーの成分が出ています。ろ過速度も速くなるのでそれに合わせて注ぐ湯量も上げていきます。抽出量のコーヒーがろ過されたらドリッパーの中にコーヒーが入っていても、終了。ドリッパー内のコーヒーの中には、雑味も入っているので落とし切らずに外します。

最後の抽出の粕:泡に茶色い粉が付着した状態が望ましく、泡がない場合は抽出をしすぎている可能性がある。

金澤屋流「ウェーブシリーズ185 ガラスドリッパー」で淹れる|動画解説

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こちらがカリタウェーブシリーズのドリッパーです。

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こうやって見ると、透明なカップのようですね。くびれがあります。

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丸い底に穴が3つ

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ドリッパー本体にリブはありません。こちらのマドレーヌ型の紙をセットするとドリッパーと紙に大きな波型の隙間が出来ます。

これがリブの代わりです。

<抽出のコツ>

1. 紙側にお湯をかけない
2. 蒸らしのお湯は、たっぷりと一度にドリッパー内の粉が湿るようにそそぐ。30秒ほどガスが抜けるまで蒸らす。
3. 底が真ん丸で平らな形状であるので、500円玉くらいの円状にお湯を丸く注ぎます。「の」の字を描かず、〇で注いで下さい。泡が断続的に出てきたら、〇の範囲をドリッパー側いっぱいに広げて大きく広げます。
4. 泡には、コーヒーの灰汁が付着して浮いた状態になっているため、最後はドリッパー内のお湯を落とし切らずに完了させる。

こちらが動画です。↓

粉24g使って2杯分淹れています。

金澤屋流カリタ「ウェーブシリーズガラスドリッパー185」図解説

ここからが、本題です。抽出のコツやドリップ動画もご覧になられた事と思います。こちらを1度見て、なぜそうするのか?を説明するのが目的であります。説明するにあたり言葉足らずな部分は、金澤屋流カリタ図解説で謎解きして行きます。

カリタウェーブドリッパーの本体の構造

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ガラス製ドリッパーです。サイズは、1〜2人用の155タイプ。2〜4人用の185があります。いずれも内側にリブはありません。ドリッパーの支えを外すとガラスのカップ。底に穴が空いています。専用の紙フィルターを使います。

リブは、紙フィルターをセットすることで20個のヒダがガラス面と接している部分がリブとなります。粉を詰めないと紙フィルターは上記写真のように浮いた状態になります。

カリタコーヒードリッパーとウェーブドリッパーの比較

少し視点を変えて見てみましょう。従来の扇形3つ穴カリタドリッパーとの比較。同じ量の粉をそれぞれのドリッパーにセットしました。扇形のドリッパーとウェーブドリッパーでは、層の深さに違いがでます。底部分が平らなウェーブドリッパーでは、粉の層の深さがどこから注いでもほぼ均一であるのに対し、扇形ドリッパーでは、浅い部分と深い部分ができます。

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何も考えずに注いでも均一にお湯がコーヒーを通るのはどちらでしょうか?

偏ってお湯が流れやすいのは、従来の扇形ドリッパーとなります。対してウェーブドリッパーは、お湯が偏って注がれても粉に均一に湯が流れる構造となります。どちらが簡単かもう分かりましたね!

底が真ん丸で平らな形状であるので、500円玉くらいの円状にお湯を丸く注ぎます。「の」の字を描かず、〇で注いで下さい。

というのは、そもそも「の」の字を書いて注ぐ理由が中心の粉の層の深さとその周りの粉の深さが違うドリッパーの場合。今回は、どこから注いでも底が平らで粉の深さはほぼ均一。円状に注ぐ事で注がれたお湯は、底へ均一に広がります。

均一にお湯を注ぐことというのは、美味しくコーヒーを淹れる上で大切なポイントです。なぜならコーヒーの美味しい成分は足が早く、美味しくないコーヒーは後から出てきます。一ヶ所に断続的に注いだり、少なすぎるところバラバラに注ぐというのは、味わいの足並みが揃わず、抽出不足になる箇所、逆に味が出過ぎた箇所が出来る事になり、出来上がったコーヒーの味わいは渋みや雑味と言われる味が顔を出すことになります。

均一に注ぐのが難しい扇形に比べてウェーブドリッパーは、意識的に注ぎわけをせずとも均一に注ぎやすい構造を備えたニュータイプと言われるドリッパーです。

カリタウェーブドリッパーのリブの役割を考える

もしリブがなく紙フィルターだけだとどうなるでしょうか?お湯を注ぐとドリッパーと紙はぴたりと引っ付きます。お湯は抜けず、ドリッパーからガスが抜けず上へ上へ噴火状態に。

リブは20個のヒダがドリッパーと接する際にできる隙間。通常のドリッパーに比べて、隙間の空間が広くガスの抜けが効率よく行われます。

むらしのお湯は躊躇せずたっぷりと粉全体に注ぎましょう。↓

蒸らしのお湯は、たっぷりと一度にドリッパー内の粉が湿るようにそそぐ。

30秒ほどガスが抜けるまで蒸らす。

紙の浮いた箇所からガスが一気に抜け、自然に紙がお湯を保持し、保水力がアップ。ガスは短時間に抜けますが、粉1粒1粒とお湯の接触時間は長くなります。味が満遍なく偏りなく引き出されます。

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紙フィルターの形状による粉とフィルターの接触面積の違い

こちらは、違う角度から見たウェーブフィルターの粉面積です。

扇形ドリッパー、円錐形フィルター、そしてウェーブフィルター。抽出後の粕の残りを図にしたものです。同じ粉の量を抽出。より広く粉が広がっているのは、cのウェーブドリッパーです。

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紙と粉の接触面積が広いと言うのは、抽出の上では効率よく短時間で味を引き出す効果が出ることに繋がります。円錐形の2倍の面積のウェーブフィルターの紙の力は、かなり大きな存在と言えます。

カリタウェーブドリップの抽出イメージ


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<カリタ式ウェーブドリッパーの抽出イメージ>

蒸らし:ドリッパーの中にある粉全てに一度のお湯が染みわたるようにたっぷりとお湯を注ぐ。ガスがしっかりと抜けます。

30秒程待つと粉全体がぷっくり膨らみ、落ち着いたところで次の注ぎです。

2回目の注ぎ:粉全体のガスが抜けてお湯が浸透し良質な成分がたっぷりとでてきます。ここはたっぷりとお湯を注ぎたいのですがここは慎重にお湯を中心に少しだけ注ぎます。注ぐと泡が出てきます。一旦注ぎを止めてクリーミーな泡がお湯の注ぎと共に真ん丸の円状に広がるまで慎重に注ぎます。クリーミーな泡が溢れ出てくるタイミングと共に、コーヒーのいい香りが出てきます。上から注いだお湯は、ドリッパーと紙フィルターの間のウェーブゾーンに流れて底に空いた3つの穴から流れていきます。

抽出量になるまで大きめの円を描いてドリッパー全体にお湯を注いでいく:蒸らしの後のガスが抜けたコーヒーから断続的にたっぷりと泡が出てきます。ペーパー側にお湯は最後まで注ぎませんが、真ん丸の円を抽出終盤はドリッパー側までたっぷりと注いで行き、抽出量になったら完了です。ドリッパー内のお湯は最後まで落とし切らずに終わらせます。ドリッパー内のコーヒーの中には、雑味も入っているので落とし切らずに外します。

最後の抽出の粕:泡に茶色い粉が付着した状態が望ましく、泡がない場合は抽出をしすぎている可能性がある。

カリタウェーブフィルターを考える①簡単で美味しくなる!なぜクリアな味わいになるのか?

カリタ扇形ドリッパーからの乗り換え新規で、使った方のほとんどの方が経験しているのが「いつもと同じように淹れただけなのに美味しくなった。」

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飲んだ人の多くが実感する飲み心地の良さであるクリアさ。通常の扇形ドリッパーでは、難点とされるお湯を均一に注ぐ事。がウェーブドリッパーでは可能に。層が浅くお湯と粉の滞留時間も程よく長くなりすぎない。スムーズな抽出は、余分な味が出ず飲み口の良さに繋がっています。

カリタウェーブドリッパーを考える②バランスよく出る味わいはなぜ?

コーヒーを飲んだ時に感じる味。わかりやすく言うと苦味、酸味、甘味,コクという表現があり、それらがうまく絡み合って複雑な味わいを引き出しています。ウェーブドリッパーで淹れたコーヒーは、どんなコーヒーもどの味もバランスがよく出てきます。

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その理由は一つ。ガスがしっかりと抜け、お湯が浸透効果的な蒸らしができる事です。コーヒーの抽出でいう蒸らしと言うのは、コーヒーの成分、味や個性を引き出す準備作業です。ウェーブドリッパーの構造の特徴であるリブのないドリッパー。紙フィルターをセットすると接触面はわずか20個のひだがドリッパーを接する部分で支えています。紙フィルターにはつなぎ目がないという特徴があります。ドリッパーの底部分では、わずかにシェイプされ紙フィルターの底がドリッパーに引っ付かず浮いた状態です。ドリッパーの影響を受けずに紙フィルターの中で粉とお湯が自然に浸透。豆から出る炭酸ガスは、フィルター全体から抜け出ていく。また、ウェーブフィルターと粉の接触面積が広く、ネルドリップにも類似する保水力の高さが味を引き出す特徴となっています。

カリタウェーブドリッパーを考える③短時間抽出でも美味しさはしっかりなぜだろう?

粉の層が浅い分短時間で抽出が進みます。ですが先ほども説明した通り粉とお湯の接触する面積は、構造上とても大きくなっています。注いだお湯は均一に流れ、無駄なくむらなくお湯が粉に万遍なく行き渡ります。コーヒーはお湯に触れてから成分の溶解が進みます。美味しい成分は足が速く、好ましくない味わいは足が遅い。コーヒーの成分の溶解は、粉とお湯が触れた瞬間から始まります。一緒に始まったのであれば終わりも一緒に。均一に行き渡るお湯が短時間で抽出ムラのないコーヒーを作り上げます。

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カリタウェーブドリッパーを考える④コーヒーの雑味をろ過させない秘密

最後の最後でも活躍するのが20個のひだを持つウェーブフィルター。紙フィルターのひだの中には、コーヒーの粉が入り込みます。上からのぞくと真ん丸のコーヒーの壁がドリッパー側に出来ます。壁のおかげでドリッパー内にたまった雑味はろ過されずにとどまる事になります。

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この時に出来るコーヒーの壁は、写真のように残るのが理想です。厚すぎる場合は、粉が多すぎるか注ぐ際に湯量が少なすぎる事でまだまだコーヒーの味が出る可能性があります。短時間で粉とお湯を浸漬状態で味を出すウェーブドリッパーでは、使用する粉の量と大きさがカギとなります。適度に抽出されたバランスの良い味わいをイメージして程よいポイントを見つけましょう。ウェーブドリッパーの大きさは2種類。1~2人用の155と2~4人用の185。2~4人用の185でも一人分の抽出は可能である。

2つのカリタ「コーヒードリッパー」と「ウェーブシリーズ」まとめ

カリタ社のドリッパーいずれも3つ穴。
雑味が出る前にコーヒーをドリップ。美味しい部分だけ抽出という観点から
早くお湯が抜ける構造になっています。
コーヒーの雑味は、抽出時間がかかりすぎると出てくるため早く終わらせるという考えをもとに造られています。扇形ドリッパーの方は、扇形の形状の構造上上から注いだ湯が均一に注ぎにくく、ウェーブシリーズでは、粉が平らで浅く均一にお湯が広がりやすい。抽出に携わっているものの観点から見てもウェーブドリッパーの方が誰が淹れても簡単で美味しいと確実に実感しております。コーヒー初心者であればウェーブを選びましょう。

お値段は、ドリッパーが「2000円以上で専用の紙フィルターも高価。
「と値は張りますが、試してみる価値は十分にあると言えます。

カリタってすごい!家庭ニーズに合わせて選べるバリエーション

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きらびやかな銅製ドリッパー。

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3つ穴カリタ扇形ドリッパーです。

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こちらは、カリタウェーブドリッパーです。

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ステンレス製。

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おシャレで高級感もあります。材質もバラエティーに富んでますので、気になった方はメーカーさんの商品カタログ見てくださいね。



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