僕のちぐはぐな身体、毛深いしおっぱいもある。
みんな、それぞれの身体を持っている。
死ぬまで、それぞれがそれぞれの身体、炭になるまで。
僕の身体の話をしようと思う。
タイトルでも言っているように、僕の身体は相当ちぐはぐで、どんなものかというと、「毛深く」て「おっぱい」があるのだ。
毛とおっぱいというのは言ってしまえば男性・女性的なものなのだが、僕の身体にはその二つが備わってしまっている。
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まずは毛についてなのだけれど、幼少期なんかは特別毛深いといったことはなかったのだが、浪人生のころくらいからだんだんとヒゲが濃くなり始め、気がつくと細い毛たちが身体の表面を覆い尽くすように生えてきてしまっていた。
どのくらい毛深いのかというと、生えているところは自分の肌があまり見えないくらいに濃い。たまに剃った時に「こんなところにホクロが、、」なんてことを思ったりする。
範囲としても、成人男性の毛が生えている部分と生えていない部分の比率が逆になっているといってもいいほど広い。
あと、以前サークルの合宿で、僕の裸を見て「カナザワ、なんかオーラまとってるみたいだね」と言われたのは忘れられない。
遺伝なのかというと、まあこれも不思議なことに父親は肌がつるっつるで、お腹なんかも一切生えていないのだ。
話によると、母方の祖父が毛深かったらしくて、隔世遺伝的なものが僕の身体に現れているらしい。
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次におっぱいについてだ。
これは、ふざけている訳ではなくて、すなわち胸筋があるとか、太って胸が垂れているとかそういう訳ではなくて、単純にホルモン的な問題で僕には多少の胸がある。
一昨年くらいに左胸にしこりを感じた僕は母に連れられて婦人科系の病院にいったのだけれど(乳がんを疑っていた)、診断の結果は「女性化乳房症」といった病気だそうで、まあ悪いものではないということだ。
なんというか、不思議な病気(といっていいのだろうか)なのだけれど、そのせいで僕の胸はたまにまあまあ大きくなっていて、しかも左胸の方がなぜか大きくて、乳首のまわりも少しぷっくりしている。
すなわち、女の子っぽい胸を持っているのだ。
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変化が現れたことは嫌で嫌で仕方がなかったけれど、いつの間にか抵抗が無くなっていた。
自分の身体というものは、当然ながらいつだって自分の近くにいて、自分にしか味わうことができないものだ。
それがどんなものでも受け入れなくてはならないし、生活を共にしていかなくてはならない。
今の身体が好きかと聞かれると、まああんまし好きではないのだけれど、陳腐な言葉になってしまうかもしれないけれど、これは僕だけにしかない個性なのだなと思う。
身体は代わりの効かない大切な個性なのだと最近思う。
だから、youtubeの広告なんかで、「毛深くて女子にもてない〜」とか「太っていて彼氏に振られた〜」なんていうのが流れると、そんなこと気にしなくてもいいんじゃないかなと思う。
自分の身体を大切に思えることって、素晴らしいことなんじゃないかなと思う。難しいことかもしれないけれど。そうなれる人が増えればいいなと思う。
おわり
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