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2023年5月の記事一覧

読書会メモーー野口雅弘『マックス・ウェーバー』

野口雅弘『マックス・ウェーバー』(中公新書)を課題本として読書会を行いました。ここでは、そこで話された内容のポイントを簡単に残しておきます。 ・ウェーバーは社会のなかに、官僚制や民主主義といった「機械」を見出していた。その意識されざる仕組みを解明することをライフワークとしていた。とはいえ、政治の情報公開に難色を示していたところなどを見ると、死後のナチスの隆盛を予見できなかったように、機械が「どのように稼働すべきか」という問題は深めきれなかったのではないか。 ・『プロテスタン

近代の脱構築――野口雅弘『マックス・ウェーバー』を読んで

 今回の課題本は、2020年に中公新書から発売された野口雅弘『マックス・ウェーバー』でした。ドイツの社会学者であるウェーバーの代表作『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読む前に、入門書から入って背景を知ろうということで選書されました。  野口の本には、「近代と格闘した思想家」という副題がつけられています。この記事では、「近代との格闘」という言葉が意味するものを、自分なりに整理したいと思います。 格闘とは脱構築すること  といっても、ウェーバーは社会を転覆させよ