58g254円の正義①

首の痛み

2022年11月12日土曜日、起床時に嫌な痛みが首を襲った
正確には右の耳の下辺りとでもいうだろうか
頭との境目辺りに鈍痛を感じた
「寝違えたか?」
身に覚えのない痛みに朝からいちいち構ってられなどいられない
仕事へ行く準備をして颯爽と家を出た
しかし
現場についても、昼休みを迎えても、仕事を終え帰宅しても
痛みは取れることはなく、翌日まで引っ張ってしまうことになった
しかも少し痛みが強まっているような気がする
かといって何が出来るわけでもないので現場に1時間遅れる旨の連絡だけ入れ、少し休んでから仕事へ向かった
今思えばこの放置が良くなかった
そして遂に事件は起きた

動かなくなる顔の右半分

同年同月16日の深夜、翌日にZOOMで営業報告会議を控えていた私は寝る前に自室でたばこを咥え火をつけようとしていた
すると
力弱く口からたばこがポロっと落ちた
ここで初めて「唇に力が入らない」異常事態が発生していることに気づく
さすがに怖くなった私は急いで東京消防庁救急相談センター(通称#7119=救急車が必要かどうか相談を受けてくれる窓口)に電話をした
病状を話すと「言語障害や麻痺が出ているほうの手足に麻痺やしびれが出ていないので緊急性は低いと思われるが、どうしても不安なら夜間診察してくれる病院を紹介してやるからそっちに行ってくれ」とのことだった
こういうところが私の悪いところなのだが、緊急性が無くなった今、今すぐ死ぬわけなじゃいという安堵感に満たされそのまま寝ることにした
だがしかし
だがしかしだ
人生には「ワンチャン」とかいう良い方にも悪い方にも転ぶクソイベントが頻発するものである
かくいう私は「悪い方」でワンチャンを引くProfessionalである
なので念には念を入れ会社には「明日の会議に私がいなけりゃ自宅でくたばっている可能性があるのでそうなった場合実家に電話してほしい」と連絡を入れてから寝ることにした
翌朝、生きていた私はわりかし目覚めのいい朝を迎えた
そして相変わらず顔面に力が入らない
「まいったな・・・」と洗顔と歯磨きを終えパソコンを開く
私は青ざめた
上司どころか部長・社長・親会社の役員から「病院行け」のメッセージで溢れかえっていたのだ
完全に事を大きくしすぎた
ミスった
仕方ないので「病院行くので会議休みます」とレスだけして病院に向かう
ここで初めて知ったのだが、「顔面の神経」は整形外科ではなく耳鼻科に分類されるそうだ
近所の耳鼻科を調べてサクッと病院に行き薬をもらってZOOM会議にさっさと戻ろうとのんきに過ごす最後の瞬間だった
そして病院で下された病名

帯状疱疹感染による顔面神経麻痺

「今日から1週間仕事禁止ね。診断書書いとくから。自宅でゆっくり過ごしてね。神経やられてるから今日から1か月以内に治さないと一生治らないよ。」
診察と検査を終えた私に医者は言った
人間「一生治らないよ」と言われても「あぁそうっすか」とはなかなかならないと思うだろ?あまりにも現実味がなくてピンとこないんすよ
まぁでも「絶対治らない」と言われたわけじゃないし
でも「ミスったら一生治らないのか…」とふわふわしながら薬局へ向かうと実家に住む親父からLINEが入った
「コロナにかかった」
ごめん親父、オレそれどころじゃない
あんた2~3週間くらいで治るだろ多分
オレ、もしかしたら一生だから
とにかくぼーっといろんなことを考えながら薬局で薬をもらった
「ガンギマリ」という単語を使いたくなるほどのバカみてぇな量の薬を処方される中に1つ「この薬だけは何がっても絶対に飲み忘れるな」とごり押しされた
バカな私は「フリか?」と本気で思ってしまった
こんなどこにでもありそうな薬をたった1回飲み忘れただけで一生治らないのか…
怖ぇな
そんなわけで大量の薬を持って帰ってきた私はパソコンを開いてZOOMに…
あれ?
入れない
ミーティングIDは間違ってないのに…何回もはじき返される
すると上司からLINEが入る

「承認しましぇーんwwwwお前は寝てろwwww」

初めて尊敬する上司に「なんだこいつ」思った
そして唐突に始まる人生初のドクターストップ生活はそれそれは退屈で仕方がないものだった
そして2022年で最も中身のない1週間を過ごし同じ病院で再診
そしてしれっと一言

「入院しよっか」

マジでぇー?
どうなる金山!

続く!!!

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