厳選！鉄道で旅するヨーロッパ ～レールの先に続く非日常～
私の好きなもの、それはズバリ「ヨーロッパ」。
観光スポットや世界遺産、歴史、食べ物、アートなど、どれを切り取っても本当に素晴らしいです。
しかし私には、もっと自信を持って紹介したいヨーロッパの“○○情報”があります。それは「鉄道」についてのことです。
皆さんはヨーロッパ旅行をするとき、パリやロンドンのような有名都市だけの滞在で終わっていませんか？
次は「地方都市や近隣諸国にも行ってみたい！」と思っていませんか？
そんな皆さんにこそ、鉄道旅行をおすすめします！
今回は「何も知らない場所の鉄道に乗るのはちょっと不安......」という方でも安心な列車を厳選し、ヨーロッパ旅行のさらなる魅力をお伝えしていきます。
1. 気軽に2ヶ国旅行！
イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶユーロスター
「海底をするりと通ればあっという間に他の国へ行けてしまう......！」
そんな驚くべき列車がヨーロッパには存在します。
それがドーバー海峡を通じて、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ人気の国際高速鉄道「ユーロスター」です。
このユーロスターのおすすめポイントは、何と言っても「気軽さ」。国内旅行感覚で簡単に海を越えて、他の国へ渡航できます。
【主な区間・所要時間】
・ロンドン～パリ 約2時間15分
・ロンドン～ブリュッセル 約2時間
・ロンドン～アムステルダム 約4時間
【クラス・サービス・料金】
クラスは3つに分かれており、それぞれ料金やサービス内容が異なります。
予算や「リッチな旅がしたい！」といった目的にあわせて、自分にピッタリなプランを選択してみてはいかがでしょうか？
■特等 ビジネスプレミア 片道317€～（約40,000円～）
・乗車時刻10分前までのチェックインが可能
・ミシュラン星付きシェフが考案した前菜、メイン、デザートの3コース料 理サービス
・ビジネスプレミア専用ラウンジが乗車前に利用可能
・キャンセル変更無料
■1等 スタンダードプレミア 片道158€～（約17,000円～）
・軽食とドリンクサービス
・平日は乗車時刻30分前、土日祝は乗車時刻の45分前までのチェックインが必要
■2等 スタンダード 片道65€～（約8,500円～）
・車内売店で軽食の購入が可能
・平日は乗車時刻30分前、土日祝は乗車時刻の45分前までのチェックインが必要
※料金は予約時期・列車・区間により変動あり。上記はロンドン～パリ間の参考料金です。
私自身も利用したことがありますが、1等車内で提供された食事が意外と豪華で驚きました！
Image by Kana
パンやスナック、ドリンクだけの簡単な食事だろうと思っていたのですが、キッシュやサラダ、デザートまでついてきて、期待以上の食事サービスでした！少しお腹を空かせて乗車することをおすすめします。
2等も利用しましたが、日本の新幹線の普通車に乗っているような感覚でした。2時間ほどの乗車であれば問題なく快適に過ごせるので、安く済ませたい方には十分だと思います。
【チケット購入方法】
購入方法は主に3つあります。
・ ユーロスター公式サイトで購入
・現地駅窓口にて購入
・日本の旅行会社で購入
一番のおすすめはユーロスターの公式サイトです。事前に購入できますし、安いチケットが手に入る確率も高いです。
しかし、外国語を理解するのはなかなか大変。購入するにあたりわからないこともたくさんありますよね。
そんな方には、出発前に日本の旅行会社で手配してもらうのがおすすめです。JTBやHISなどの大手旅行会社でも取り扱っています。
料金は上がりますが、日本語で相談しながらチケットの手配ができます。また日本円での支払いが可能なので安心です。
【乗車方法】
ユーロスターの乗車には、事前のチェックインが必要です。
少々難しく感じるかもしれませんが、国際線の飛行機に乗るときのチェックインとほぼ同じです。その感覚でスイスイと進んでしまいましょう！
■具体的な流れ
1. 自動改札機にチケットをかざす
2. 荷物検査&出国検査（パスポートや必要書類を忘れずに！）
3. 電光掲示板で発車ホームを確認
4. 乗車（乗車まで待機するエリアがあり、乗車時間が近くなるとアナウンスがあります。）
【注意事項】
クラスや曜日によってチェックインの締め切り時間が異なるので、時間に余裕を持って駅に着きましょう。
※締め切り時間については、上記各クラス紹介欄をご確認ください。
またスーツケースなど大きな荷物がある方は、早めに並んで荷物置き場を確保しましょう！
Image by Kana
ユーロスターに乗ると、「海の中で国境を超える」という、日本ではありえない貴重な体験ができます。
トンネルをくぐってしまえば目的地はもうすぐそこ！ヨーロッパ鉄道旅行の第一歩目として、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか？
2. パリから一歩踏み出てフランス各地へ
新幹線よりも高速なTGVでひとっ飛び！
「エッフェル塔に凱旋門、ルーブル美術館はもう存分に楽しんだから、パリを出てほかの都市に行ってみたい......！ 」
そんな方へのおすすめが、フランス国鉄が運行する「TGV」です。
最高時速320kmを誇り、日本の新幹線の記録を世界で初めて塗り替えたことでも有名です。
【主な区間・所要時間】
パリ～ストラスブール 約1時間50分
パリ～リヨン 約2時間20分
パリ～アヴィニョン 約2時間45分
パリ～ボルドー 約2時間10分
パリ～マルセイユ 約3時間25分
シャルル・ド・ゴール空港～リヨン 約2時間
シャルル・ド・ゴール空港～ストラスブール 約2時間30分
シャルル・ド・ゴール空港～アヴィニョン 約3時間15分
シャルル・ド・ゴール空港～マルセイユ 約3時間50分
パリ中心部からはもちろんのこと、シャルル・ド・ゴール空港*からも乗り入れているので、飛行機でパリに到着したら、そのまますぐに地方都市へ向かうことも可能です。
*パリの国際空港。日本発着の直行便は全てこの空港に発着します。
【クラス・サービス・料金】
TGV国内線は1等と2等の2クラス制になっており、主に座席の配列が異なります。
■1等 片道60€～（約7,800円～）
・1列＋2列の座席配列
・車内の売店の利用が可能
・無料Wi-fiの利用が可能
■2等 片道40€～（約5,200円～）
・2列＋2列の座席配列
・車内の売店の利用が可能
・無料Wi-fiの利用が可能
※料金は予約時期・列車・区間により変動あり。上記はパリ～ストラスブール間の参考料金です。
1等の1列側は「ソロシート」と呼ばれる独立席になっています。のんびりくつろぎながら目的地に向かいたい人におすすめです。
【チケット購入方法】
購入方法はこちらも主に3つあります。予算や相談が必要かなどに応じて、購入方法を選択しましょう。
・フランス国鉄(SNCF)公式サイトで購入
・現地駅窓口にて購入
・日本の旅行会社で購入
【乗車方法】
日本の新幹線の乗車方法とほぼ同じです。非常に簡単ですので特にご心配なく！
■具体的な流れ
1. 電光掲示板で発車ホームを確認する
2. チケットをかざし、改札を通る（改札がない駅の場合はそのままホームに向かうだけでOK）
3. 乗車（乗車後に車掌によるチケットチェックがあります。）
【注意事項】
パリ中心部には、複数のターミナル駅が存在します。行先によって発着駅が異なるので注意しましょう。
またTGVは発車時間の2分前にドアが閉まります。ギリギリに乗ることがないよう、時間には十分余裕を持って乗車しましょう。
ユーロスターと同じく、スーツケースなど大きな荷物がある方は、早めに並んで荷物置き場を確保しましょう！
私はあの有名な「モン・サン・ミッシェル」を訪れたときに、TGVを利用したことがあります。大都会パリを離れると、車窓から見える風景がだんだんとノスタルジックな田舎へと変わっていきました。
こうして窓の外の移り変わりを楽しむことができるのも、鉄道旅ならではです。窓側の席に座り、様々なフランスの景色を目に焼き付けてはいかがでしょうか？
3. もっとお得に周遊！
1枚のレイルパスで自由かつフレキシブルに旅行
Image by Kana
「せっかくだからユーロスターとTGVを組み合わせて、多くの国や都市を巡りたい......！」
そんな欲張りさんにおすすめしたいのが、「ユーレイルグローバルパス」と呼ばれる、ヨーロッパ全域で利用可能な周遊券です。
鉄道が一定期間乗り放題になり、1区間ずつチケットを購入するよりもお得に旅行ができます。
また「ユーレイルフランスパス」のような1か国パスや、「ユーレイルベネルクス*パス」のようなエリア限定で使えるパスもあります。旅行したい国や地域にあわせて、最適なパスを選択することが可能です。
*ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3か国を指します。
【購入方法】
こちらはヨーロッパにお住まいの方は購入不可のため、現地では販売されていません。日本出発前に必ず手に入れましょう！
・ユーレイル公式サイトで購入
・日本の旅行会社で購入
【注意事項】
座席指定券の購入が別途必要になります。公式サイト、現地窓口、日本の旅行会社のどこかで購入しましょう。（座席指定不要な列車も一部あり）
また最初の列車に乗る前に、パスの利用開始手続きを行う必要があります。開始日がすでに決まっている場合はパスの購入時に、決まっていない場合は現地駅窓口で行いましょう。
4. 旅行ができない今だから！
鉄道の魅力を知って、コロナ収束後に多くの国を訪れよう！
ヨーロッパの人気旅行先で、常に上位にランクインするイギリスとフランス。この2か国で鉄道デビューができたら、もうあなたは初心者鉄道トラベラー卒業です！
陸続きなヨーロッパだからこそできる、「鉄道で簡単に国境を超える」という貴重な体験を、これからも思う存分楽しんでいきましょう！
また鉄道を利用するだけで、移動時間がなんと最大約3時間ほど短縮されるというメリットもあります。郊外に位置していることが多い空港に対し、鉄道駅のほとんどは街の中心部にあるからです。
気軽で、快適、さらには観光する時間も増やせるという、ヨーロッパ鉄道旅の魅力をもう十分お分かりいただけたのではないでしょうか？
残念ながら今は新型コロナウイルス感染症によって、気軽に海外旅行には行けません。いつかまた自由にヨーロッパに行ける日が来たら、今までの我慢を一気に晴らすように、鉄道でたくさんの国を訪れてみませんか？
駅に踏み入れた瞬間から、それまでは味わうことのできなかった非日常が広がっています。皆さんの旅に彩りを加えられるよう、心から祈っております。Von voyage!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？