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妄想2022.5.22 カルマの法則

 自分が行ったことのすべて(=カルマ)が、自分に跳ね返ってくるというのがカルマの法則です。
 
 単純に言うと、善い行いをすると善いことが、悪い行いをすると悪いことが返ってくるということです。等しく帰ってくるのではなく、何倍にもなって跳ね返ってくるかもしれません。
 
 自分自身の人生を振り返ると、これがけっこう当てはまっています。
 
 例えば、人のためにお金を使うと同等額のお金が全く別のルートから還流するなど、正に作用・反作用のごとくです。私の場合、良いことをすると返ってくるものは等しいですが、悪いことをすると何倍にもなって跳ね返ってきます。
 
 カルマによって、善いものを受け取ったときに快を感じ、悪いものを受け取ったときに不快を感じると、快を取って、不快を遠ざけたいという執着が生じます。そして執着は、人を急き立て、うまく行った場合には気分を高揚させ、上手く行かなかった場合には落ち込ませます。
 
 この心の動きを苦と捉える方々がいます。彼らは人里離れたところで静かな生活を送り、これらの原因となるカルマを作らないために、人と接触しません。
 
 現在は、外の世界での目的を達成するために、あらゆることを犠牲にしてもいいと考える人が多いようで、アスリートの中にはオリンピックで金メダルが獲れれば、その直後、死んでもいいと考える人が多いそうです。
 
 しかし、将来、この価値観は逆転するでしょう。人類が終末に向かって進化により脳の抑制力を獲得していくと、外の世界には求めず、自分自身の内側を見つめるようになり、外の世界よりも自分自身を大切にするようになります。そうすると、外の世界を犠牲にしてでも自分の精神を最高の状態に保とうとするでしょう。もっと言うと、自分の肉体を犠牲にしてでも自分の精神を優先させようとするのではないでしょうか。
 
 人類の数は、第二次大戦後の1950年時点では25億ほどでしたが、それから70年で3倍以上に膨れ上がってしまいました。
 
 これによって何が起こったかというと、急激な地球環境の破壊です。地表を深く掘り進んで、水、油、鉱物その他たくさんのものを掘り起こし、そして森林を破壊し、さらに大気、海、河川を汚しています。
 
 しかし、最も残酷な破壊行為は動物の殺戮でしょう。学者の推定計算によると、地球上の哺乳類のバイオマス(生物量)の4%が野生種で、36%が人類、60%が家畜だそうです。家畜には乳牛のようなものも含まれていますが、その多くは屠殺されています。他にも魚や鳥を家畜以上に殺しているはずです。
 
 森林破壊によって動物由来感染症が人類に拡散したのは正に自業自得と言えるでしょう。
 
 そして、パンデミックの最中にもかかわらず、欧州で核戦争の危機が訪れています。21世紀にもなって、あからさまに武力で他国の領土を奪うということをやってのけた人物が、核を使う可能性があると明言しているところに問題があります。 
 
 これまで、核を持ち合うと報復を恐れて核を使うことはないと、核の抑止力が実しやかに唱えられてきましたが、果たしてそうでしょうか。
 
 ロシアの核攻撃が限定的であった場合、ロシアの核攻撃に対して英仏が核で報復すれば、さらに被害が拡大します。英仏は簡単に報復に出るでしょうか。その上さらに米国が報復すれば、欧州が破壊されただけに留まらず、北米までもが破壊され、核の冬がはるかに悲惨なものになります。米国はそこまでして欧州での権益を守るでしょうか。
 
 ロシアの核兵器使用が我慢の限度を超えた時点でしか報復には出ないでしょう。
 
 さらに、データエラーによる事故によっても核攻撃が行われる可能性があります。1983年にソ連の防空司令官スタニスラフ・ペトロフが命令に背き、米国に対する報復的な核攻撃を発動することを拒否したことがありましたが、後に米国の攻撃とされたものがソ連のデータエラーだったことが判明しています。
 
 2022年2月の下旬頃からプーチンは、たった一人だけで権力を行使する自分の姿を見せるようになっています。見せるだけでなく、実際に独断で戦争を行っているのではないでしょうか。
 
 多くの識者がプーチンの判断は合理的ではない、脳あるいは精神の疾患の可能性があると言っています。しかし、ヒトというのは必ずしも合理的な行動をとるとは限りません。究極の判断基準は好き嫌いで、やりたいことをやるというのが人間の本性で、彼は戦争がしたいのではないでしょうか。
 
 日本の戦国武将を見ても分かるように、ヒト社会においても群れの頂点に立つ個体は非常に好戦的です。そして、現在でもパプアニューギニアで行われているように、ひと昔前まで戦争は一種のスポーツのようなものでした。民主主義の台頭とともに戦争は政治の一手段となり、さらに、第一次世界大戦で大量殺戮兵器が導入されて、たくさんのヒトが死ぬようになると、戦争は忌避されるようになりました。
 
 安倍晋三氏が、プーチンは戦国武将のようだと評したように、彼は現代に生きる戦国武将なのでしょう。彼は命ある限り、たとえ一人になっても戦い続けるでしょう。そして状況が不利になり、追い込まれれば追い込まれるほど核兵器を使う危険性が高まっていきます。
 
 地球上で最大の殺戮者はヒトです。そして、その攻撃性の行きついたところが核兵器です。それによって自らを殺戮するなら、やはり自業自得と言えるのではないでしょうか。
 
 新型コロナの影響を最も強く受けている地域と肉食文化圏は重なります。ロシアが一度でも核兵器を使えば、日本に核爆弾が落とされる危険性は著しく高まりますが、それでも核兵器の影響を最も受けるのは、やはり同じ肉食文化圏なのではないでしょうか。
 
 単に人類が悪業の報いを受けるというよりは、ある種の人間が間引かれるという側面もあるのではないでしょうか。
 
 疫病、戦争と続いて、次は何でしょうか。
 
 人類のカルマは、そう簡単には解消されないでしょう。

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