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杉山久子の俳句を読む

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俳人の杉山久子さんの俳句を不定期に一句ずつ鑑賞します。 【プロフィール】 山口市在住。「藍生」「いつき組」所属。山口新聞俳壇 選者。俳句甲子園地区予選審査員。 1997年 第三…
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#夏の季語

杉山久子の俳句を読む 23年05月号

日輪や切れてはげしき蜥蜴の尾(句集『泉』所収)  上五に打ち込まれた掲句の切れ字「や」の効果はすこし複雑である。蜥蜴の尾を昼の光にさらけ出すために上五で背景を作るならば、「太陽や」「白日や」とできるところ、あえて二次元的な「日輪や」が選ばれているからだ。  「や」の性質上、主格として「日輪が切れて」とも読める。蜥蜴の尾が切れるのは生物の営みにおける自然現象だが、日輪が切れるなら超常現象である。太陽が外縁で盛んに波立つように見える、いわゆるプロミネンス(紅炎)の映像を凝視すれ