REY’S Special Show Time 『VERDAD(ヴェルダッド)!!』 —真実の音— 作・演出/藤井 大介

星組配信『VERDAD(ヴェルダッド)!!』作・演出/藤井 大介
2021年7月10日15:30公演

ネット上ではすでに感動の声が上がっている様子。
同様の声が多ければ多いほど、評価が高まると思うので、
私も、称賛の旗を掲げたい。

星組ファンだからとか、礼真琴ファンだからとか、そういうレベルを超えて、圧倒的なコンサートだった。
第一幕の、『ノバ・ボサ・ノバ』メドレーだけで、視聴料のもとは取れたと思ったが(セコイな)、それどころではなかった。

とくに、第2部後半からの礼真琴のミュージカルナンバーは圧巻。
礼真琴が、歌がうまいということは知っていた。
つもりだった。
今回、全然知らなかったことを、知った。
私が知っていたのは、彼女の力のほんの片鱗だった。
とてつもない実力だ。
あの長い時間は、彼女一人のコンサートであり、たった一人で観客を飽きさせることなく歌い続けた。
聞いているうちに、「礼さんはどれだけ引き出しあるのよ!」「すげえ!」「すげえ!!」「どんだけ!!!」終わったと思ったら、最後に『僕こそミュージック』まで。「フォルテにピアノ~」で、「ピアノ」の歌詞を本当にピアノで歌う。こんなの初めて。他の歌い手もやっていたかもしれないけれど、スルーしてたわ。
スカステ放映を待って楽しむつもりだったけど、ブルーレイ出たら即買い決定です。絶対ヘビロテですね。

一曲一曲、声の質が違う。全く違う表現力。力強く、繊細に、厳しく、優しく、固く、柔らかく、自在に操る。
低音がよく出て、歌詞をはっきり聞き取ることができるのが、彼女の実力を示す点だと思っていたが、高音も素晴らしい。『ありのままに』、高音まで力強い。『スター』『オペラ座の怪人』では強く硬い声。相手役のジェンヌさんも素晴らしかったね(都優奈さんで間違いない?)。曲名がわからないけれど、ディズニーメドレーかな、みんな白い衣装で食事を勧めるような歌があったじゃないですか、礼真琴が早口で歌詞を歌うのだけれど、ああいう歌詞がはっきり聞き取れるところもすごいところ。『僕こそミュージック』もそうだけれど、演技と歌唱が分離していない。

賛美し始めたらきりがないので、このへんでやめておきますが、様々な事情で配信を見ることが出来なかった人たちは、本当に残念でした。ブルーレイ買っても損はしないと思います。

演出家というのは、どこを見せるべきかということをちゃんとわかっているのだと、改めて思った。歌、歌、歌、トークと小芝居は最小限にして、歌、歌、歌。藤井氏は、昔からファンのツボをよく心得ているが、ここまで徹底してくれて感謝。そう、これは礼さんのコンサートなのです。

オマケですが、若手たちがフロントで歌い、礼真琴と瀬央ゆりあが階段の上で軽く踊る場面は、楽しくてウキウキ。こういう形で上級生の格好良さを見せる演出は初めて観た。また、二人が同期だから、心から楽しそうで、それがこちらにも伝わる。そんな場面に仕上がっていました。

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