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同い年の彼は小説の世界の人のようだった

久しぶりにTinderの人に会いました。

会うまでのやりとりは割と淡白で、あちこちオードリーが面白いだ、誰のラジオがおもしろいだとか、たわいもない会話。そのまま何気なくフラッと会いました。

家が近めで、彼は池尻あたりで私が桜新町あたりなので、三茶〜駒沢のちょうど中間地点で会うことに。

会ってみた感想を一言でいうと、「本当にこんな人いるんだ。」って感じ。

同い年なのにすごく大人びていて、いい意味で自分の生き方と全然違うくて、なんかその日の感覚は今まで味わったことないものでした。


その日は、餃子屋さんで軽くご飯を食べました。

仕事は美術館の施工の仕事をしてるらしく、東京中の美術展があるたびにデザインをするみたい。芸術だけじゃなく昔の映画や本も好きなようで、80年代の人かのような空気を漂わせていました。




そして、アプリで去年の夏くらいから4人に会ったと語る彼。

1人は大の落語好きの女性で一緒に落語を見に行ったりしたそう。彼は昔の落語家は比較的わかるが、彼女は新人落語家にも精通していてすごかったらしい。

2人目はサイコパス好きで現実世界で起きている狂気的な殺人事件が大好きな子だったらしいです。彼もカルト集団の教祖として「シャロン・テート事件」をはじめとした無差別連続殺人を起こしたチャールズ・マンソンの本を持っていてその人に貸したんだとか。

3人目はアメリカから数週間遊びに来ていた黒人女性だったそうで、日本に彼氏がいたけど遊びに来ている間に喧嘩した?別れた?らしくその間遊んでいたとか。

最後の4人目は小説家だったようで、世界観が強い人だったとのこと。表参道で開かれた彼女の講演会に行ったりもしたよ、などと語っていました。


え、キャラ濃くない?
私のキャラ弱くない?


そんな布陣と違和感なく過ごす彼もほんとに独特な空気を漂わせていました。

同年齢の男性ってどちらかというと子供っぽいと思うことの方が多かったですが、自分なんてお子様だと思わせてくるくらいの彼の人生経験にはなんかゾワゾワさせられました。


店を出たあと駒沢公園をぶらり。ベンチでさらにいろんな話をしました。


どうやら彼女は2年くらいいないらしいのですが、歴代彼女との話はつきないつきない。

2年前に別れた彼女は、かなり年上だったし子供が2人いたよとさらっと語る彼。

「俺、昔は子供とかそんな興味なかったし触れ合ってこなかったんだけどさ、その2人にはたくさんプレゼントとか買ってあげたりしてさ、なんか可愛かったな。」

なんて小説みたいなエピソードを何気なく語るんです。

彼女との話以外にも、俺の実家は18になったら家を出るっていう決まりでさ高3から一人暮らしだったんだよね、とか、友達の1人がゴミ屋敷に住んでてさ、昔金なかったときにその家を片付けて住ませてもらってたりしたことあるんだよ、とか。
学生時代のバイトは新宿のクラシックピアノがある純喫茶でバイトしていて俳優がよくきてさ、とか、俺、高知県以外は日本全部回ったんだよね、とかとか。


えええ。

わたし、比較的、自分の人生経験って濃い方だと思ってたし、おもろい人生だと思ってたけど、うん、過大評価だったのかもしれない。笑


私より10年くらい生きてるよね?
同い年じゃないよね?


タバコをふかしながら淡々とすごく幅広い話をする彼の綺麗な横顔を見てたらいつのまにか0時近くなってました。


この先彼と何かあるかどうかはわからないけど、自分と違う価値観・世界観の人と一緒にいるのは、プラスになるのか、それともマイナスになるのか。ということを考えさせられました。


きっと自分ひとりじゃ絶対に味わえないような世界を経験できるし、たぶん自分では想像できないような人生になるんだろう。それこそ誰かと一緒にいる意味なのかもしれない。

けど、その世界が自分にとって心地いいかはわからないし、自分の生きる世界じゃないって疎外感を感じてしまうかもしれない。


自分に似たような人と手の届く範囲で居心地の良い生活を送るのとどっちがいいんだろう、なんてしっとり考えました。



おわり。

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