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小説:シネマ・コンプレックス06(終)
エピローグ 女神の祝福
とりあえず、神様が人間に恋をしたお話はここで終わりだ。
彼の運命がどうなったか、私は解らない。私には時の神のように、時間を早回しする能力はないんだ。実際に流れる時間を眺めていくにはたいそう時間がかかる。運命の数だけ並行した世界があることになるから、数も途方も無いしね。
新しく時の神になった奴に聞いてもいいが…新人は新人でまだ職務に精一杯だろうし。
小説:シネマ・コンプレックス05
4 『彼』の運命
「よう、調子どうだい?」
数日して、運命の神が僕の仕事場に顔をみせた。僕はすかさずいい椅子を勧め、彼女の好きなお菓子と紅茶を出した。
「サンキュ。でも、もっと労ってくれてもいいぜ?。思った以上に大変だった。だけど、彼女の人生から分岐できる運命は、とりあえず全部分岐させた」
「ありがとう。本当に、なんといっていいか」
「彼女の様子は?」
そういって彼女は、モニターをみやる。
小説:シネマ・コンプレックス04
3 『彼女』の運命
彼女を初めて失った僕の気分は、酷く沈んだが、なんとかそこから浮上し、いつもどおりの生活に戻りつつあった。
しかし、何かがおかしいと気付くのに、大した時間はかからなかった。
また、とある時間軸の彼女が亡くなった。休日に友人と遊びに出たときの交通事故だった。
悲しみにくれている僕に、他のモニターの異変が目に入る。彼女のアパートの部屋が燃えていく。彼女は在室中
小説:シネマ・コンプレックス 03
2 クロノスの懊悩
僕はある程度の時間を賭して運命の神に会いにいったわけだが、感想としては、『恋だと解ったからと言って、だからなんだ』ということになる。端的に言えば、エラーの内容・原因は解ったが、解決の方法はない、ということであったのだから。
触れたいと思っても、触れることはおろか、話をすることすら叶わない。恋とはなんと不毛なものであろうか。もっともこれは、僕が神であるから、だが。
小説:シネマ・コンプレックス 02
1 恋するクロノス
なんてことだ、と、クロノスは呟いた。
彼の眼は、自らが管理する時を監視するためのモニターの内の一つに釘づけであった。そのモニターの中には、アジア系の人種が行き交う駅の構内が映っていて、看板などから察するに日本だということが解る。
モニターの景色は、人の流れに合わせて動いているようで、よく見るととある一人の女性を中心にして移ろっていた。
女性は広い駅構内の様々な店に
小説:シネマ・コンプレックス 01
―プロローグ 運命の女神、かく語りき
まぁ、なんていうか、私たちはアンタらがいうところの、神って奴だ。
信じないなら信じないでいいし、これから話す話についても聞かなくて構わない。この話がハッピーエンドなのかは、私にも解らないからね。
神様なのに解らないことがあるのか、って?そりゃ、あるさ。人間が思っているほど、神様は万能じゃない。出来ること、専門分野が神ごとに違って、得意なことはすご
小説:シネマ・コンプレックス 前書的な何か
置き場を探してなろうに連載していた短編小説なんですが、サービスを掛け持ちするのがめんどくさくなって、すっかり更新も止まってしまっていたのでnoteの方にあげていきたいと思います。
話自体は完結しているので、ちゃんと最後まであげたいと思っております…おります…。note自体もしばらく更新してなかったから信憑性/Zeroですが…。
止まってたらなんか突っ込んでやってください。
話自体はSFなのか