アラサー社会人がフランス大学院に合格するまで②~出願準備

※2023.10.31
「語学資格の受験」に追加しました。

前回は私がフランス大学院出願を決意するまでのお話を書きました。
今回は実際に出願に向けて行ったことを書いていきます

出願スケジュールの確認(Campus France Japon経由)

フランスの大学院に出願する方法はいくつか考えられますが、
私のように日本在住でフランス国外から出願する場合は、Campus France Japonというフランス政府公式機関のHors-DAPという手続きを通してフランスの国立大学の修士課程へ応募することができます。
(パリのINALCO等一部の教育機関は直接出願が必要なケースもあります。)

2024年度入学希望者の応募スケジュールは下記の通りです。

2023年10月1日:応募開始
2024年1月31日までに:オンラインフォームを提出
2024年3月15日:Campus Franceでの面接を受ける
2024年4月30日:教育機関からの合否の連絡
2024年5月31日までに:合格校から留学先の教育機関を選択

大学に応募申請をする | Campus France

年度によってスケジュールは変わるので確認が必要です。
(しかも途中でスケジュール変更になる場合もあります。)
応募開始というのは、必要書類を全てEtudes en Franceというサイトでオンライン提出するのですが、
その提出用のアカウント作成開始のことを指すと思われます。
このスケジュールに間に合うように準備を進めていきます。

大学院で専攻したい学科を決める

留学を希望される方の多くは「これを勉強したいから留学する」という動機から始まると思うのですが、
私の場合はフランスに行きたいという気持ちが先行して何を勉強したいのかを決めかねていました。
自分が本当に好きなこと、興味があることでなければ勉強は続けられないし、
そもそも出願に必要な志望理由書だって書けません。
熟考を重ねた結果、文化や言語について勉強したいという結論に。
特に日仏の文化や言語の違いについて興味を持っていました。
フランス人の視点で日本文化を見たら、どんな風に見えるんだろう?という好奇心から、
「フランスで日本について勉強する」という日本学科への出願を決意しました。

出願する大学院を決める

専攻学科が決まったら、出願する教育機関(大学院)を決めます。
修士課程の場合は7つのプログラム(大学が同じでも学科やプログラムが違ったらそれぞれ1つでカウント)まで出願可能です。
複数の教育機関に出願する場合は、それぞれの専攻内容が一貫していることが望ましいとされています。
希望する専攻がある教育機関や、その応募条件はCampus FranceのHPから検索できます。

Accueil JP | Campus France

「プログラムの検索」から進みましょう。
大学によってHPのどこに何が書いてあるかがまちまちで、情報を探すのが結構大変です。
学費についても大学によって異なります。
EU圏の学生同様に数万円で済むところ、外国人向けの学費を採用しているところ、既卒社会人経験者向けの学費(Formation continue)を採用しているところ等々…
HPを見てもわからないことは大学の担当窓口にメールや電話で質問してもOKです。フランス語ネイティブスピーカーに一緒に見てもらうとスムーズかもしれません。
色々見ているとわけがわからなくなってくるので、メモにまとめたりしながら比較することをお勧めします。

語学資格の受験

これが一番時間と労力がかかった上、結局目標のDALF  C1を取得することは叶いませんでした。
フランスの高等教育機関へ出願する際、DELF B2以上の語学資格の提出を求められることが多いと思います。
(専攻によってはB1でもOKな場合もあると思います。)
特に文系大学院の場合はC1が基準になります。

私が志望していた日本学科がある大学院も、C1以上を求める場合が多く、
一部B2でOKというところもあり。
Campus France Japonの出願スケジュールに当てはめるとオンラインフォーム提出期限までにこの語学資格を取得していなければならないのですが、
最終チャンスの秋季試験で1.5点及ばず不合格…
B2での出願を余儀なくされることに。

ちなみに、C1受験の対策はサンテーズって何?の状態から半年~1年かけて行いました。
(DALF C1の試験内容については割愛します。)
私の場合は一人で勉強するのは到底無理でしたので(理由:意志薄弱)、
日仏学院の試験対策講座を受講したり、オンラインの個人レッスンで先生に作文や口頭試験の添削をしてもらったりしました。よって、結構お金がかかりました…

ちなみに、私はC1以上を条件にしている大学院にもB2で出願しました。
その年の応募状況によっては、満たしていなくても合格できたという話を聞いたことがあったからです。
結果、C1以上を条件にしている大学院は不合格でした(汗)
でも応募してみる価値はあると思うので、最後まで諦めずできることをやりましょう!

(2023.10.31 追加)
よくよく大学の合否を振り返ってみたら、C1を要求している大学にも合格してました。
逆にB2からOKのところが不合格だったりしました。
基準がよくわかりませんがやっぱり一か八か出願するのはありだと思います!

必要書類と志望理由書・CV(履歴書)の準備

私が出願時に用意した書類は下記の通りです。
・パスポート
・日本で卒業した大学の卒業証明書と成績証明書(仏文または英文)
・DELF B2の証明書
・語学留学時に通った語学学校の修了証明書
・CV(最終学歴から1年以上開いている場合)

修士課程に出願する場合は、高校の卒業証明書は不要です。
また、書類としてではなくEtudes en Franceのアカウント内に直接入力する形で提出するのですが、志望理由書も必要になります。
たしか2500字以内だったような…(うろ覚え)
学士課程の専攻と異なる学科へ出願する私にとって、また、足りない語学資格をカバーするためにも志望理由書とCVの内容がカギになると思っていました。

志望理由書ではこれまでの自分の学業やキャリアがどのように今回の出願へ結びついたのかを記し、読み手を納得させる必要があります。
また、私は学士課程で日本学科を専攻していたわけではないけれど、
日本人として、学業や仕事を経て培ったものがあるから修士から始めたいんだということを書きました。

CVでは具体的に自分が高校・大学で学んだことや仕事で培ったスキルなどをアピールします。ちょっと誇張して自分を良く見せることも時には必要です。
私は資格のところに「Français : DELF B2 obtenu - niveau DALF C1」と書き、
取得してるのはB2だけどC1レベルあるよ!とちょっと過大評価しました(笑)
結果としてはあまり意味なかったかもしれないですが…
この志望理由書とCVについてはネットで検索すればフォーマットが拾えると思いますが、最後はフランス語ネイティブスピーカーに添削してもらうことを強く勧めます。

ちなみに、志望理由書は1つを全ての出願校宛てとして併用しても良いですし、
例えば7校のうち2校と5校で2つ作成しても、それぞれの出願校宛てに作成しても良いです。


長くなりましたが、準備編は大体こんな感じです。
次回は実際に出願を開始してから合格通知をもらうまでを書きたいと思います。


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