見出し画像

どうすれば自分の人生に集中できるのか/ 「流浪の月」に学ぶ【感動探求】

ほっといてほしい。
なんで人はこんなに他人に興味があるんだろう。

わりと、常々、その事実に打ちのめされる。


一見「思いやり」のように見えるもの、例えば自分のことよりも他人を気にかけたような発言はよく見かける。

ではそれは、事実なのか、真実なのかと問えば、未確認だったりする。

「多分、あの子は、そう思ってる」みたいな憶測で、こういうのは、大きいものだとワイドショー的なものと同類かもしれない。

単なる憶測を平気で放送している番組、ほんとすごい。

違った解釈をして、真実がコピペで伝わらないことも多い。
だから、真実は当人にしか分からない。

第三者のそれは、よく言えばお気遣いだし共感だし、「優しいと他者が思うだろう行為」だが、「憶測だけで当人を傷つける、余計なおせっかい」になってしまうときもある。 

それは「自分」ではなく、「他人」を主語に生きているゆえんの、行動のようにも思える。


だから、まずは自分の人生に集中しようよ。
と、思ってしまう。


「誰か」の話ではない、私は「あなた」の話に興味がある。「あなた」はどう思うのか。
「あなた」はどうしたいのか。
私は、心の中で叫んでしまう。


そんな私は冷たいだろうか。
とは言え、そんな他人に反応してしまうのは、それが自分の鏡写しであり、私も私の人生に集中できていないことに、どこか苛立ってるからかもしれない。


さあ、事実と真実と、第三者のおせっかいと「正しさ」が二人を追い詰めてゆく物語が「流浪の月」(凪良ゆう著)だった。

2020年本屋大賞の作品。
少女誘拐事件の元被害少女と、元加害少年の物語だ。
恋愛ではない、新しい人間関係、だけど誰にも理解されない関係。

この読書体験は、自分自身が、日陰の道を延々と歩いているような物語。


私の道は、この小径のはずなのに、自分の信じている道を、他人がいろんな解釈を投げてくる。


その勝手な解釈がうざったい。
いろんな人が、自分の正しさを押し付けてくる。

どう解釈されてもいい、これが私だ。
私は私だ。
そして、彼の真実も彼のものだ。
私のものだけの私の真実は、誰にも侵されるものではない。


小説は、そう叫んでいる。

●では、どうすれば自分を主語に生きれるのだろうか?


気付かぬうちに他人の人生を生きていることは多い。

私も、小さな判断を、世間体とか、他者がどう思うかで無意識のうちに決めていることが多い。。。


私が運営している農業法人women farmers Japan(株)でも、女性農家コミュニティの運営の中で、いかに「わたし」を主語に取り戻すかを重視しています。

なぜなら、男性社会であり、家族経営農業の中で生きてきた女性も、「わたし」が主語でなかったことが多かったから。


このコミュニティを運営したり、私自身学びを深めるなかで、参考になった本をいくつか紹介しますね。
どのように「わたし」を再定義していくか。
私もまだまだ道の途中です。

参考になれば幸いです!

①「ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー」(由佐美加子、天外伺朗 著)

女性農家のコミュニティを運営する中で、やはり一番効いたのは、自分の無意識の思い込みを見つけ、それを受け止め、手放した上で、どう自分を再定義していくかの作業だった。

「私は〇〇だ」という無意識のうちにしている自分に対する決めつけ、それが全ての行動や思考の起点になっていることが多い。

この発見は本当に開眼モノで、みんなの目がみるみる変わっていったのは本当にかけがえのない体験だった。

②人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門(中土井僚著)

U理論もすごく面白かった!

メンタルモデルと重なる部分もあるが、これも「何からやるか」より「何者として、どこからやるのか」をスタート地点として重視している。

自分自身の問題だけでなく、夫婦、家族、会社、組織運営などどのような単位であっても、それを運営する人にとってはすごく活用できる、めちゃおすすめなU理論です!

過去の延長線上ではない自分を、未来を、関係性を、どう描いていくのか。
読んでいてもワクワクできる。

③「物語思考 『やりたいこと』が見つからなくて悩む人のキャリア設計術」(けんすう著)

こちらは自分をメタ認知したうえで、自分の物語を動かしてくので、主語がどうしても他人になってしまう人にとってはいいかも。

なぜなら、視点をギュッ〜と自分に持ってきて、自分の内側を言語化し、キャラ設定し、ストーリーを描いていくから。

視点が、内側からメタへ。

自分の物語を設定し、自分の物語を生きることに集中できる手法のひとつでもあると思った。ひとつひとつのステップも具体的で、とても心理的ハードルも低く、楽しく進められるので、おすすめです。


=====
私は、私を生きる。


情報が多すぎると、それが難しいのが現代かもしれない。


私は私を生きる。
生きたい。
生きるのだ。
誰がなんと言おうとも。

そんな気づきを与えてくれたのが、小説「流浪の月」だった。


いただいたサポートは、里山農業からの新しいチャレンジやワクワクするものづくりに投資して、言葉にしてnoteで届けてまいります!よろしくお願いします。