「そうだ、村上さんに聞いてみよう」

「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?


・ですから、あなたも自分が少しどもるということは、別に気にしなくてもいいですよ。治そうとか、そんな風にも考えることないです。ほんとうに。それよりはもっと目立つ特質(できたらもちろん良いものがいいですよね)を身につけた方が話は早いと思います。


・人生においていちばん深く心の傷として残るのは、多くの場合、自分が誰かに傷つけられたことではなく、自分が誰かを傷つけたことですね。そのような思いは、ある場合には亡霊のように、死ぬまで重くついてまわります。だから誰かに傷つけられたときには、「傷つけられたのが自分でよかったんだ」と思うといいと思います。そんなのなかなか思えないですけどね。それでも。


・負けないことも大事ですが、負けてもくじけないことのほうが大事なんだと思います。


・ただ年をとると、多くの人は、若いときに備わっていた想像力を徐々に失っていく傾向があります。枠に当てはめてものを考えるようになると、想像力はどんどん失われていきます。


・人生というのは、退屈しながら生きていくにはあまりにも貴重なものです。ほんとうに。


・いちばん大事なのは、たとえどこにいようが、自分自身の中にどれだけ新しいフロンティアを見出していけるかということではないでしょうか。しっかりとした意欲と行動さえあれば、たとえ日本から一歩も出なくたって、新しい体験や価値観はいくらでも見つけていけるはずです。


・人生の変わり目はだいたいにおいて、向こうからあなたを選びます。あなたが選ぶことはほとんどありません。ほんとうに。


・「たいしたことでもないし」と思い出すと、世の中の日常的なたいていのことって、どれもまぁたいしたことじゃないんですよね。


・でもできればできただけ、人生というのは豊かになります。「後悔しない」ことが人生の目的ではないだろう、と僕は思います。


・万人に愛されようと思うと、誰にも愛されません。


・何かを得るためには、まず何かを手放す、これが人生の原則です。



村上春樹の小説はあまり得意ではないけれど、このエッセイは面白かった。

日々工場で作られているけれど、なかなか買い換えない洗面器。日々大量に作られる洗面器を大真面目に心配している話、特に好きだったな。



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