#1 人って泣きすぎると顔面が痛くなるらしい

安定期目前の妊婦検診。5月30日(火)
14w6dの日。
3週間ぶりの診察だったから、久々にお子に会える喜びと、ちゃんと成長しているのかの不安と…
両方抱えながら産院に向かう私。

最初に超音波検査。
今まで膣エコーだったので、お腹にジェル塗られてみてもらう感じ。
「ドラマでよく見るやつだ~」って思ってなんかわくわくした。
心臓も元気に動いてるし、身体も元気に動かしてるし、ホッとした。
「順調に育ってるんですかね?」
前回流産を経験していることもあって、色々と不安も…
思わず聞いてしまったけど
「何か異常があったら、このあとの医師の診察でお話ありますからね~」
とだけ言われて、ふむふむ、分かりましたと納得。
医師の診察を待つ

その日の私の診察番号は【312】だったのだけど、なかなか呼ばれない。
【313】【314】の人が先に呼ばれる。
あれ、何かおかしいな…今日全然混んでないのに…
不安を感じて旦那さんにも連絡。
さっきまで、心臓動いてたよ~って安心の報告入れたばっかりなのに。

予定していた部屋ではない、奥の部屋からやっと【312】が呼ばれる。
「もう一回様子見るんでね、下の服脱いで横の椅子にお願いします」
………
その時点でもう、少し覚悟ができていたような気がする。
膣エコー見た後、超音波でも見る先生。終始無言。
しばらくたった後、
「赤ちゃんにね、異常がみられるんですよね……」
「どこですか…?」
「頭がね…ないんですよ…」
………
静かな診察室、無音、ただただ重苦しい空気。

無脳症(無頭蓋症)といって、
すでに頭蓋骨が形成されているはずなのに、できていないと…
その時先生からは詳細の説明は無く、私からも聞く気にもなれず、ただ一言
「難しいってことですか?」
という質問に対して、
「妊娠継続は難しいですね…」と答えた先生。
「私だけでは判断できないので、大きい病院で念のため見てもらってください」

こういう時って人は案外冷静にやりとりできるもので…
涙も出ず、先生と淡々とやりとりをした。

会計までの待ち時間、周りの人たちと私は全く違う気持ちでここにいるんだな…って思って、だんだんつらくなる。
早くこの場から逃げ出したい…
だけど会計はしなければ…
そんな思いで必死に感情を押し殺して、やっとの思いで会計をし、産院をでる。

すぐに旦那さんに電話。
アポイントに向かう電車の中だったのに、何かを察してすぐ出てくれた旦那さん。
我慢していた涙が滝のようにあふれ出て、電話したのに言葉も出ず、ただただ泣きじゃくる。
道端で、大きな声出して泣きまくる。
やっとポツリポツリと事情を説明し、言葉にできたことで少し涙が引く。

その日は一日中泣いてばかりで、
泣きの限界を超えたのか、いよいよ顔面が痛くなってしまった。

人って泣きすぎると、顔面が痛くなるんだな…
そんなことを感じた一日。

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