実際にどれだけの金額をもらえるのか?生活保護で受給できる金額を算定してみましょう

生活保護を受けるための条件について見てきましたが、生活保護で一体いくら受給できるのでしょうか?

その受給できる金額について、実際に算定してみましょう。

生活保護で受給できる制度


まず、生活保護で受給できる制度について見ていきましょう。

生活保護を受けることができることになった場合、その扶助には大きく分けて以下の8つの種類があります。

・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・医療扶助
・介護扶助
・出産扶助
・生業扶助
・葬祭扶助

これらの制度で受給できる金額の合計が生活保護で受給できる金額になります。

それぞれの扶助の内容

次に合計8種類あるそれぞれの扶助の内容について、詳しく順に見ていきましょう。

8種類の中には現物支給のものや、実質的には支払い免除のものもありますので、実際に金額が受給できる扶助は、以下の5つの合計になります。

・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・生業扶助
・葬祭扶助

これらの制度で受給できる金額の合計が生活保護で受給できる金額になります。

生活扶助

生活扶助は、衣食その他の日常生活に必要なものの金額を、原則金銭で給付されます。

生活費扶助は、全国各地を物価に合わせて1級地1、1級地2、2級地1、2級地2、3級地1、3級2の6段階に分けて金額を計算します。

障害者加算、母子加算、児童養育加算、妊産婦加算などの世帯には、それぞれ給付の加算があります。

住宅扶助

住宅扶助は、最低限必要な住居やその補修、維持に必要なものの金額を金銭で給付されます。

全国の家賃水準に合わせて1級地1、1級地2、2級地1、2級地2、3級地1、3級2の6段階に分けて金額を計算します。

教育扶助

教育扶助は、世帯に小中学校に通学する子供がいる場合に、主に小中学校に通学するために必要な教科書、学用品、通学用品、給食費などが現金で支給されます。

医療扶助

医療扶助によって、発行を受けた医療券を診療所や病院で提示すれば、診察、薬剤または治療材料、医学的処置、手術、自宅での療養に伴う看護、病院や診療所への入院や看護、移送を無料で受けることができます。

介護扶助

介護扶助は、介護保険の居宅要支援被保険者等に対して行われる扶助です。

介護保険計画に基づいて行われる居宅介護、福祉用具、住宅改修、施設介護、計画に基づいた介護予防や日常生活支援、移送についてその範囲内のサービスを無料で受けることができます。

出産扶助

出産扶助によって、分娩の介助、分娩前及び分娩後の処置、脱脂綿、ガーゼその他の衛生材料を現物で給付を受けることができます。

生業扶助

生業扶助では、扶助を受けることによって収入を増加させ、自立を助長できる見込みがある場合に、生業に必要な資金、器具、資料、生業に必要な技能の習得、就労に必要なものについて金銭または現物を受けとることができます。

葬祭扶助


葬祭扶助によって、葬祭を行う主催者に対して、検案、遺体の運搬、火葬や埋葬、納骨、その他の葬祭に必要なものを金銭で支給されます。

生活保護の金額はどれくらい?

具体的な生活保護の金額はいくらぐらいになるのでしょうか?具体的な例をいくつか挙げてそれぞれの額を算定してみましょう。(令和元年10月の「生活保護制度における生活扶助基準額の算定方法」に基づく)


基本的な算定方法は、
生活扶助基準(第1類)×逓減率+生活扶助基準(第2類)+住宅扶助基準+その他で算出されます。


生活扶助基準(第1類)は食費や衣類などの個人的費用、生活扶助基準(第2類)は水道光熱費などの世帯に共通してかかる費用です。

例1:東京都23区内に住んでいる単身でアルバイト(収入8万円)をしているAさん(25歳)の場合、東京都23区内は1級地1、単身逓減率は1.0000ですから、
38,970円(第1類)×1.0000+41,380円(第2類)+53,700円=134,050円

次にアルバイトで8万円の収入があるのでそれを差し引きます。

134,050円‐80,000円=54,050円

よって、54,050円がAさんの受給額となります。

例2:愛知県岡崎市に住んでいる女性Bさん(74歳)、年金等の収入がない場合、愛知県岡崎市は2級地1、単身逓減率は1.0000ですから、
31,010円(第1類)×1.0000+37,400円(第2類)+45,000円=113,410円
収入が他にはないので、そのまま113,410円がBさんの受給額になります。

例3:Cさんは兵庫県三田市に住む32歳で同じ年の妻と3歳の子供がいる3人家族です。病気で長時間の労働ができないので収入は5万円です。この場合、兵庫県三田市は3級地1、3人家族で逓減率は0.8350なので、
まず家族3人の基準額を足します。

32,800円+32,800円+25,850円=91,450円(第1類)

次に合計額に3人世帯の逓減率0.8350を掛けて、第1類の額を算定します。

91,450円×0.8350=76,360円(第1類)

次に第2類と住居扶助基準額を足して扶助合計額を算出します。

76,360円(第1類)+50,820円(第2類)+40,900円=168,080円

Cさんには収入が50,000円あるので、

168,080円‐50,000円=118,080円

よって、生活保護支給額は118,080円になります。

生活保護で受給できる金額については、厚生労働省の公式ホームページにも記載されていますので参考にしてください。

まとめ

生活保護の受給金額は、これまで見てきた通り、住んでいる地域や家族の人数によって算定額が変わってきます。

また、収入があると算定して算出した健康で文化的な最低限度の生活ができるとされる生活扶助基準額からその分が差し引かれた金額が受給額となります。

よって、それぞれの生活保護の受給金額は各世帯個別に算定して出すことになります。

私も計算してみましたが、14万円程度は受給できる計算になりました。

ただし、受給したお金はギャンブルには利用できませんので注意してください。

生活保護受給者がギャンブルをする問題点については、下記で解説していますので参考にしてください。


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