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ホテルの新しい未来をつくる。

「ホテルって、せいぜい働けて2,3年だよね」って、よく言われます。わたしも今までそう思っていました。理由としてはこんな感じ。

・人間関係の悩みが尽きない
・祝日がない(というか週2日以外の休みのオプションが少ない)
・薄給
・同じことの繰り返しルーティーンで5年後のキャリアが見えない

上記のような悩みに同じくして、実際にわたしが10年前にホテル現場にどっぷり浸かりながら日々感じていた悩みやストレスのリアルはこんな感じでした。

  • リスペクトできる人がいなかった
    (黒服の人はもはや辛そうだしなぜか当たってくるしもはや存在がトラウマ(笑)で、運営側に回ることは遥か遠い未来、本社との関わりは無縁)

  • ストレスを周りに撒き散らし現場環境は最悪
    (シェフは現場裏で部下を罵倒しまくっていて白目、”NO感情”を貫く特技を会得)

  • 稼働が上がるほど、予約が増えるほど現場に行きたくない悲しい矛盾
    (支配人はなにもしてくれないし、日々偉そうに(見えてただけです、ごめんなさい)しているバックオフィスは出勤してないし、なんなのぷんすか。)

  • 国民が幸せであるべき日に幸せそうじゃない
    (自分たちに余裕がないからゲストを幸せにできる心の余裕がなくて、咄嗟の思考では効率を求めようとしている自分に苛立ち、悔しい…(泣)の負の感情ループ)

理由はこれ以外にも様々あると思いますが上記のような悩みがはびこる限り、30歳目前にほとんどの人が離職を希望し、若い人材は別業界への就職を希望し、本来「”人”を軸に大切にすべき業界」なのに、「”人”を大事にできていない危うい労働環境が続く業界」であることに、この業界の未来は危ういぞと危機感を募らせる日々です。

わたしとしても、ホテル業界で働くことを夢見て東京に勇んで上京してきた18歳から5年後、上のような経験が苦しすぎて、哀しみの中でホテル業界を諦め去ったときはとっても辛かった。同じ気持ちだった人がいるのであれば、話したいです。

共感してくれる方もいるのではなかろうか。


だからこそ、悔しいからこそ、この業界にもう一度戻るご縁か宿命か、あったからこそ、その”当たり前”を打開していきたいなと、5ヶ月前から恐る恐る、Twitterに想いを吐露するようになりました。

そうしたらなんと、驚くほどたくさんの方からいいねやフォローやDMや、直接の応援のお声をいただくことが増えて、

いまわたしは、
これ変えなきゃいけないやつやん。
現場には今も苦しくて泣いてる人、いるやつやん。
いまだからこそホテル運営業界みんなで新しい時代つくれるやつやん。
と、ガチで真剣に、変えるためには?と、考えるようになりました。

じゃあどうやって変えよう?

わたしたちはいまチームで、

「チームそれぞれがホテル運営を自らが担うことができるスキルセットを持つ」

ための組織作りをおこなっています。

(旧)いままでのホテル運営会社。やることが完全に分業制。
(新)これからのホテル運営会社。シームレスにホテリエとしてのキャリアを描く。

あるスタッフは、オペレーションの現場に立ちつつ、ブランディングとクリエイティブを担い、
あるスタッフはオペレーションの現場に立ちつつ、セールスとレベニューを行い、
またあるスタッフはオペレーションの現場に立ちつつ、この館をヴィンテージにしていくための営繕師としての役割を担っていく。

そうすることで、チーム個々の強みや、新しいキャリアパスや、チャレンジできる領域の可能性や選択肢が格段に増え、この会社に帰属する意味を長期的に見出せるようになる。

そして”本社”組織の役割としてはAFTERの図のようにマネジャーがメッセンジャーになることで、これから会社として向かっていきたい未来や課題感を透明性を持って伝え、彼ら全員が会社の課題感や向かっていきたい方向性を運営代表者的視点で思考し、最終的には「この会社が社会に与えたい新しい価値やインパクト」を共創していくことができる。

そうしていくことで、「ホテル」という、長く深くその場所に根ざしていく事業体で働くスタッフをも長く楽しく働ける状況がつくれ、ホテルとゲストの距離も近くなり、「ファンになってくれたゲスト」が共にこのホテルを作る共創者となる。そんな好循環をも生まれると信じています。

全員でホテル業界の明るい未来をつくっていくためのコアビジョンをつくりました。

戦々恐々、、、言ってしまったからには有言実行せねばいけないのですが、泣く泣くこの業界を離れていった人々がいつか、戻ってきたいと思える業界に、最終的になったらいいな。

時間はかかりますが、「今やらなかったら誰がやるのだ!」と、使命感さえをも感じています。そして、これは同じホテルじゃないとできないことではなく、ホテル業界全体で変わっていく必要があるからこそ、私自身がいま考えているこれからのホテルの未来への考え方についてシェアしました。

これだけが正解ではないはず。やり方は千差万別、多種多様。同じ課題感を持って、これからのホテル運営業界のために何かを築こうとしている人たちとこれからも繋がりつづけ、話せることを楽しみにしています。

追伸:金髪はもう卒業しました。

HOTEL K5
Kanako Watanabe


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