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NETFLIX映画「パレード」 感想(ネタバレあり)

話の設定は平凡だけど、どこか温かいものを感じる。

 「人は死んだらどこへ行くのか?」という疑問は、おそらく今まで沢山の人が考えてきた事の1つじゃないだろうか。「遺される者」と「遺していく者」の後者に焦点をあてたこの映画は、この世に未練を残した者たちがそれぞれの方法で未練を断ち切り「その先」へ向かう様子が描かれている。

実体験と映画とのリンク

 父母を早くに亡くした私は「遺される者」となった。当時は、人生が終わるまでずっとこの空虚と一緒に生きて行かなくてはならないのか…と苦悩していた。「幸せだったかな」「心配させたままだったな」「私が頑張れば救えたんじゃないだろうか」という後悔は今でも残っている。

 遺していく感覚は正直分からない。今まであまり考えた事がなかった。
大切なモノを置いて行ってしまう辛さや悲しみを、藤井道人監督はこの映画で想像させてくれたように思う。

 欲を言うなれば、遺された者の苦悩がもう少し描かれていると感情移入しやすかったかもしれない。

魅力的なキャストがパレードを彩る。

 『パレード』には名だたる俳優陣が集結しており、彼・彼女たちのお芝居によって、全てが柔らかく表現されているように思えた。中でもマイケルを演じたリリーさんは別格で、「こんな人いる!いそういそう!!」と思ったし、もしかしなくてもあれは亡き河村プロデューサーだったのではないかと思う。

 「亡くなっても、映画を作り続けているだろう」という藤井道人監督の理想と願いがうかがえて、少し涙腺が緩んだ。

壮大なラブレター

 この『パレード』という映画を観終わり「心配させないように生きなくちゃな!」と私は思った。そしてこの映画は、愛する河村さん宛てに、藤井道人監督が1番得意な方法で創り上げた壮大なラブレターなのだと思った。

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