7.20の夢 「映画」
母と東北に旅行に行って、宿に泊まった。
到着して2日目の朝、私は観光に出かけようとしたのだが、母がなかなか宿を出ようとしない。
早く出かけようよ…と思って部屋を見渡すと、
部屋に大学生1人と高校生1人がいた。
2人と談笑した。
「これから観光に行くので、もしよかったら一緒に行きませんか。」
と声をかけた。
その呼びかけに喜んでくれていた様子だったのだが、その後、母と同様、支度に行ったっきりなかなか戻ってこなかった。
そこでふと、そういえば母は明け方、
「映画を作る。」
と言っていたな、と思い出した。
急に何を言い出したのだろう、とにかく早く支度を済ませてくれないかな、と思っていた。
とうとう母と2人の学生が出てこないので、痺れを切らして1人宿を出た。
母にはひとこと連絡を入れておいたのだが、返信はない。
少し電車に乗って、隣町まで出かけた。
一通り観光を楽しんで、一度宿に戻ることにした。
「みんなが全然出てこないから、先に1人で旅に出たよ。」
と言って泊まっていた部屋に入ると、
母と大学生が映画館と打ち合わせをしていた。
「試し上映は10分だけできるらしいよ。」
などと話していた。
横に目をやると、高校生はぐったりと寝ていた。
まさか、本当に3人で映画をつくりあげてしまったのだろうか。
「本当に、映画、つくったの?」
と母に問うた。
「作ったよ。」
母は、返事をした。
「この午前中だけで?」
「そうとも。」
「エ、エンドロールも?」
「もちろんさ。」
母は全ての質問に対し得意げに答えた。
なぜか、私の中に、申し訳ないという気持ちが込み上げてきて、
「なんか、みんなが一生懸命映画つくってたのに気づかず、1人で呑気に観光行っててごめん。」
と言った。
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