金縛りについて

夜中、シャワーを浴びて髪を乾かしていたら、

「ぅウヴァおぅヴァううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

和室の方向からこの世のものとは思えないようなうめき声が聴こえた。

ものすごい恐怖感に襲われ、とりあえず和室に猛進した。

母が金縛りにあっていた。

私が駆けつけたらすぐに解けたようだった。

金縛りには私も時々あうのだが、
時が経過すれば解けることは分かりきっているので特に何もせずじっとしている。

というか、金縛りにあっている最中は大抵物凄く眠いので、「金縛りを解くためにもがき叫ぼう」という気力すら起きないという感じだ。

霊現象かと思えるような、人影とか足音とかを特に感じた事がないから、静かに時の経過を待つだけの余裕があるのかもしれない。

母は金縛りにあうと大抵、私がドタドタと走ってくる気配、音がするらしい。(実際には私は走っていってない時に)。

今回も、
「金縛りにあい始めてすぐにかなちゃんがドタドタと走ってきて助けにきて腕つかまれた!と思ったらそれは幻覚で、そこから少ししてようやく本物のかなちゃんが登場した。」
と話していた。

以前は、
「金縛りにあって、その最中かなちゃんが岸田劉生の麗子像になってた。」
と言ってきたこともあった。

金縛りにあうことももちろん怖いだろうが、
同時に突発的にうめき声を聞かされたり、「麗子像になっていたよ」と聞かされたりするこっちの身にもなってみてほしいとも思う。

とはいえ、今後もうめき声を聞くことになる可能性も、自分が金縛りにあう可能性も高そうなので、心の準備をしておきたいと思う。

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