16時間の旅

ほぼ始発の時間に電車に乗った。

青春18きっぷを買い、高尾まで出て、中央本線に乗った。(高尾まで出るのがまず大変だった)

寒さに震えながら足を椅子の暖房になるべく近づけるようにして暖をとっていたら気付いたら寝ていて、甲府まではほとんど寝てしまった。

気付いたら甲府に着いていた。
松本行きに乗り換え、小淵沢まで行く。
あっという間に着いた。

小淵沢は駅舎が比較的新しくトイレが綺麗なため、そこでお手洗いを済ませた。

乗り換えまで15分ほど時間があったため、改札をおりて、売店で山賊焼弁当を急いで買った。

そして、憧れの小海線に乗った。
車内は結構空いていて快適だ。

どうやらSuicaが一部の主要駅でしか使えないらしい。すごく良い。

気付いたら電車が動いていた。
あっという間にJR最高地点のある野辺山駅に着いた。

JR最高地点はずっと行ってみたかった。
レストラン最高地点というのがあって、そこで最高地点ソフトクリームというのが食べられるらしいのだ。

だが今回はそこでは降車せず、小海線を乗り通すことを優先することに決めた。
窓越しに最高地点レストランを見た。
あっという間に通り過ぎてしまい、残念ながら写真を撮る隙もなかった。

そこからは途中まあまあ秘境な駅もあり、車窓も面白かった。
後半は大分人のたくさん住む町という感じの雰囲気になってきて、小淵沢で購入していた山賊焼弁当を食べてぼーっとしていたら小諸に着いた。

恐れていたほど寒くはなかった。
小諸からそのまま引き返すか、しなの鉄道というのに乗って長野まで行くか迷った。

しばらく迷って、結局乗ったことない電車に色々乗った方が良い発見があるだろうという結論に至り、しなの鉄道に乗ることに決めた。

しなの鉄道が発車するまでしばらく時間があったので、小諸駅周辺を散策してみた。

小諸駅周辺はなんとレトロ看板の宝庫だった。
というかスナックがすごく多く、スナックのレトロな看板がたくさんあった。
なかなか面白かった。

お土産屋さんもあったので少し見たが、申し訳なくも時間が無かったし何も買わずに出てきた。

駅に戻り、しなの鉄道に乗り込んだ。
まあまあ人がいたので、ドアの横に立って車窓を楽しむことにした。

しなの鉄道には途中、「テクノさかき」という駅がある。
だいぶ前に家で路線図を眺めていたときに、(テクノさかき!??そんなかっこいい駅名が存在していて良いのか…?)と興奮したのを覚えている。

なので、テクノさかき駅が見られるのが楽しみで仕方なかった。

テクノさかき駅まであと何駅だ、、?と何度も確認した。
ついにテクノさかき駅に停車した。
時間がなかったのでここでも降車はできなかったが、テクノさかき駅の空気を楽しんだつもりだ。

そして、長野まで行こうと思っていた予定を急遽変更、篠ノ井駅で降りて篠ノ井線へ乗り換えることにした。

篠ノ井駅で降りた。
どうやら卒業式終わりとみられる高校生の男女が駅でたむろっていた。

篠ノ井あたり出身の友人に、篠ノ井駅に「あんず」という名の蕎麦屋があるよ、とLINEで教えてもらったのだが、行ってみると一年ほど前に閉店していたことが分かった。
自分の地元ではないが、変な悲しさをおぼえた。

ここでは駅周辺を少しだけ散策できた。
駅の前の通路の地面に大きく「押しチャリ」と書かれていたのが印象的だった。
だが、普通に走りチャリをしている人がいた。

篠ノ井駅の周りは気になるお店がちらほらとあった。面白看板もちらほら。

セブンがあったのでなんとなく入ってみた。
うちの近くのセブンと一緒だな、と思って変な安心感をおぼえ、速攻駅に戻った。

篠ノ井線に乗った。
途中に日本三大車窓がみられる姨捨というところがあり、前から憧れていた。

姨捨の景色はものすごかった。
大地の雄大さを感じる車窓だった。
日本三大車窓と言われているのに納得だ。
それに加えて、この日は快晴で本当によかった。

姨捨駅では少し停車時間があったので、ホームに降りて写真撮影でもしようかと思ったのだが、他の乗客たちは皆地元の人たちだったのだろう、誰一人として外の写真を撮ったり外に出ようとしたりする人がいなく、なんだか降りづらい雰囲気だった。

しかもドアが一番前しか開かない仕様で、ボタンも押さなければいけない、そして運転手さんに切符を見せなければいけないようで、面倒だったので外に出るのは辞め、窓越しに景色を楽しんだ。

姨捨は今度またゆっくりと訪れたい。

次は松本で乗り換えだ。

松本の駅の周りは結構いろんなお店があって、都会という印象を受けた。

お土産屋さんに寄ってみた。今度は乗り換えまで時間にも多少の余裕があったので、日本酒とビールを家用に購入した。

お腹も空いてきたので、蕎麦屋さんでも寄ろうと思い、駅の外の蕎麦屋さんのドアを開けようとしたら、「休止中」の文字が目に入った。

仕方ないので、別の蕎麦屋さんを探したら、駅のホームに立ち食い蕎麦屋があるとの情報を得、ホームに戻り、立ち食い蕎麦屋に入った。

おばあさんが1人で蕎麦を作っていた。

月見そばを頼んだ。

3分であつあつ月見そばが出てきた。
とてもおいしかった。

旅の途中の立ち食い蕎麦屋は良い。

そういえば2年前に1人で中央本線を旅した時も蕎麦屋に行ったなと思い出し、懐かしい気分に浸った。

蕎麦でお腹を膨らませたところで、電車に乗った。

もう帰り道だ。

上諏訪や下諏訪、岡谷、すずらんの里などを通り、小淵沢まで行った。

そこからまた乗り換えだ。

小淵沢でまた少し時間があったので、例によってトイレを済ませた。

それでもまだ時間が余っていたので、小淵沢駅の展望フロアに上がった。

晴れていたので、富士山が見えた。

私の他にも2人ほど人がいたが、皆こぞって富士山の写真を撮っていた。富士山を見ると、写真におさめなければいけないという「義務感」のようなものを感じる。

パシャパシャと富士山をカメラに急いでおさめ、ホームに戻った。

中央本線に乗った。
もうここまで来ればもはやかなり家に近づいてきたという感覚だ。

辺りは暗くなってきた。
暗くなってきたけど、まだ山梨県だった。

勝沼ぶどう郷駅から見える夜景は美しかった。

色々考え事をしたりメールの返信をしたりしていたら、もう相模原に差しかかっていて、すぐに高尾駅に着いた。

高尾まで来るともうすぐだ!と思いきや、まだ家までは遠い。

そこからは見慣れた風景で、退屈なような安心なような、そんな気分だった。

家に着いたのは夜21:30ごろ。
お土産に買った日本酒を少し飲んでみた。
きつかった。

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