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森林の大切さを知った日

今回は社会教育を学ぶための第1歩となる、仲間づくりをメインとした実習の紹介です。チームビルディングを自ら体験しながら、その手法を学びます。この日は、木の伐採作業を、仲間と力を合わせて行うことで絆を深めました。
【実習概要】
授業名   「地域デザイン演習Ⅰ」(社会教育課程)
指導教員   磯田浩司非常勤講師(NPO法人good!代表)
実習テーマ 「生涯学習や社会教育の場を体験的に学ぶ」
日時     2023年10月14日(土)
実習人数   6名
場所     小田原市いこいの森

協力連携 小田原市森林組合


自己紹介とアイスブレイク

【一日の動き】
朝9時半に小田原駅に到着!
バスに乗っていこいの森に向かいます。
遠くの学生は浦和から!早起きがんばりました。
10時には全員そろって、今日お世話になる、小田原市森林組合の佐藤さんと林業従事者の磯野さんを交えてアイスブレイクタイム。
なんと、磯野さん、神大の先輩でした!めぐりあわせですね~

森を歩きます

お互いを知った後は、佐藤さんの案内を聞きながら、森の中を散策しました。山椒の身を食べてみたり、大きく育ったもみの木を見上げたり、赤ちゃんもみの木を発見したり、見たことのないキノコを教えてもらったり…。数えきれないほど、森の不思議を教えていただきました。

そしてこの日は、前日に3頭のイノシシを捕獲したということで、山の奥の解体場で、解体作業が行われていました。その様子を特別に見せていただくこともできました。これがまた、すごかった!!

佐藤さんによる紙芝居

森に入る前には、森林の役目や、守ることの大切さを学びました。
森は、水を貯える、水害や台風の災害から守る、二酸化炭素を減らし地球温暖化を抑える…など、きりがないほどたくさんの役割を担っています。
昔は、炊事やお風呂、暖を取るためなどに木を燃やして使っており、木の役割が多かったため、森は適正な量の木で保たれていました。
その後、戦争のために大量に木を使い、戦後、禿げた森に、スギやヒノキを植林しました。しかし、人々の生活が豊かになると、木を使うことが減り、森には木が増えすぎてしまいました。
木が健全に育ち、森が健全に役割を果たすためには、増えすぎた木を適切な量にする間伐作業を行わなければなりません。
しかし、現在は山の管理をする人や林業を生業とする人が減り、間伐作業が大変になっています。小田原市森林組合では、4,200haを越える面積を占める小田原の森林を管理しています。

知らないことがたくさんありました

さあ、いよいよ森に入ります!
いつもはチェーンソーで100本伐っているそうですが、今日は、手のこを使って、スギとヒノキを1本ずつ伐ります。

準備OK!
伐るのはこのヒノキです

まず、木を倒す方向を決めます。ほかの木に影響がないような方向に倒さなければなりません。
最後に倒すためのロープを木にまきつけ、伐る作業に入ります。
まずは、伐倒方向に受け口の切込みを入れます。

目印をつけます
受け口ができただけでも達成感!

受け口ができたら、反対側から伐っていきます。
これがなかなか大変な作業!みんなで交代しながらがんばりました。

講師もがんばります!

最後はロープを引きながら、倒していきます。
メリメリと音をたてて、ゆっくりと地面に倒れこむときの地響きと音の迫力に、圧倒されました。
一つの命を倒したことの重さを、身をもって感じられた瞬間でした。

ヒノキの香りに癒されます

人の生活のためにその命を失っていく、木や猪たちがいること。
そのことを忘れず、感謝を表すためには、最後まで使い切ること、食してあげること、ということを佐藤さんから聞きました。

そして最後に、人々が木を使ってくれるようになるためにはどうしたら良いか、森を守る林業に興味を持ってもらうためにはどうしたら良いか、話し合いました。
これから日本の国土を守っていくためにできることは何か、大きな宿題をいただいた実習となりました。

良い香り~

【学生の声】
☆今日は、人生で初めて木の伐採をしました。私は、山や自然がとても好きなので、実習がとても楽しみだったし、実際に体験してみて、とても刺激を受けました。伐採の前に、山の散策をして、様々な種類の木や植物について学ぶことができて、楽しみながら知識も得られてよかったです。いつもは、講義を受けているだけだったので、名前を知る程度だったけど、山での実習や、川で遊んだりして、交流ができたので、前よりは話すことができて、うれしかったです。地元は自然が多かったので、なつかしい気持ちになれました。授業を通して、ふつうはできない経験ができたので、とても良い経験になりました。1日ずっと楽しかったです。(自治行政学科1年 O.R)

☆森の中を歩きながら、木の実や葉などに触れるという経験が、非日常なものであったため、非常に楽しく行うことができた。その中でも木を切るということを初めて行うことができ、印象的だった。その方向にどんな目的をもって、また、その方向に傾かせるために刃をどの方向に入れるのか、色々と考えながら切っていることを知った。林業は、人手が足りなくなりつつあるといわれている業界ではあるが、森や木を守ることで災害などから守ることができるといった、私たちが日々安心安全に暮らすうえで、必要な仕事であり、この達成感ややりがいが、より多くの人に広がってほしいと考えた。(法律学科4年 T.E)

      佐藤さん             磯野さん       

【小田原市森林組合 佐藤さんより】 
この度は授業の内容に小田原の山や林業を取り入れていただきありがとうございました。
初めは表情がかたかったように思えましたが、五感で森林を感じていくにつれ、表情が豊かになっていき、学んでくれているのだと感じました。
今回の非日常の体験をこれからの人生の何かに役立てていただければありがたいです。

【林業従事者 磯野さんより】
この度は授業に参加させていただきありがとうございました。
あの楽しい雰囲気の中での授業をしていると学生の頃に戻った気分になり、とても懐かしく楽しく感じました。
楽しい雰囲気を作ってくださった先生方には感謝しております。最初のアイスブレイクもめちゃくちゃ楽しかったです!


このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。
ご協力いただいた小田原市森林組合のみなさん、ありがとうございました!
(文責:地域コーディネーター 益田)


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