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中高一貫のバカ事情 第3話~先生を説得するには完全アウェーの状態を作れ~

朝学年全体の朝礼1時間前までに、グループのメンバー全員が到着し、
バーベキューに必要な機材・資材・食材を持ったキノコたち。

当然C組担当の畔柳(くろやなぎ)先生は知らないのである。
学年主任でもある畔柳先生は、7時40分ごろに学校に登校した。
登校してすぐ中庭に向かった。

遠足の時は、教室ではなく学校の中庭集合となっているのだ。
中庭は、職員室からでも様子が見れるようになっている。

図8


まだ朝礼40分前なので、そこまで人も集まっていない。
しかし、普段学校にあるはずのないものが目についたのである。
そう、バーベキューコンロである。

「?????」
畔柳先生は困惑した。
今日の遠足って鍋だったよな。キャンプに行くわけじゃないよな?
しかもコンロを持っているのはキノコたち(キノコの担任は畔柳先生)。
下手をすれば生徒指導の先生に担任ごと指導される羽目になる。

とりあえず先生はキノコたちに事情を聴いた。

先生)「お前たちこれは何や?」

キノコ)「え、バーベキューセットですよ」

先生)「今回の遠足は鍋じゃなかったか?」

キノコ)「え、でも先生鍋以外やったらダメなんて言ってなかったですよね」

先生)「そんな屁理屈言うなよ(笑)、今までにこんなことなかったぞ」
そうなのだ。
そもそも普通鍋以外をやろうと考える生徒が今までいなかったのだ。

このように先生と話しているうちに同級生たちが
続々中庭に集合し始めたのだ。

そうすると
「えー、バーベキューするの?いいなー」
「食材は分けるから、一緒に参加させてくれねえかな」
「さすがキノコたちだな」
と周囲の同級生30人前後がバーベキューに乗り気になり始めたのだ。

というのもキム、ルターなどはB組・A組でもそこそこ人望があるのだ。
そいつらが周りにバーベキューのことを話せば、
周囲は当然好意的にとらえてくれる。

このように畔柳先生と口論になるのは想定済みで、
周りの同級生を味方につけて先生も反対しにくい空気を作った
のだ。

そして、なによりこのキノコは口論がめちゃくちゃ強いのだ。
ディベートとか口喧嘩とかの類は、確実に学校随一であった。
先生に怒られ慣れすぎて、先生に対する恐怖感は持っていない。

そんな超アウェー状態で、先生はバーベキューを否定できない。

例えるなら、畔柳先生は
甲子園球場のライトスタンドの阪神ファンの中に
巨人のユニフォームを着ている状態のようなものだ。

そんな場の空気・口嘩に言いくるめられた先生は

「お前ら、まじで学年の迷惑はかけるなよ」
と言い、ほぼこちらの完全勝利の形で先生問題は解決したのだ。

そして問題なくバーベキューセットは先生公認となったのだ。

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