見出し画像

中高一貫のバカ事情 第10話

作戦名:「オペレーション・クッキング
何とかカップ麺をコンビニから買ってきて
家庭科室に侵入しお湯を入れるところまでは成功したキノコたち。

ここから、食べるまでがミッションなのだが
ここで、見張りのマツとキノコが2階に先生が来たことに気づいた。
「やばい、いろいろとにかく床に置いとけ!」

ポットやお湯が置かれていると不自然に思われる可能性があったので、
家庭科室の外からは見えない床に置いた。

さて、問題はだれが通るかである。
生徒指導の先生など捕まると死ぬほどめんどくさい先生に見つかるわけにはいかなかった。

そっと窓から見ると、
通りかかったのはルター、マルキのA組の担任森木先生のようだった。
あだ名はモリキー。

ルターはこう断言した。
「モリキーなら笑って許してくれるよ」
マルキはこう断言した。
「森木は下手したら一緒に参加してくるかもしれんぞ」

一同は安心した。なぜなら学校で1,2を争うくらい緩い先生なのである。
さすがに参加するとは言わないまでも、ノリが学生寄りの先生だ。
ルターやマルキは担任の森木先生が怒っているのを見たことがないくらいである。

とはいえ、勝手に家庭科室に侵入して堂々とカップ麺を食べてお咎めなしの先生はまずいないと考えるので、森木先生が職員室に戻るのを確認するまで
カップ麺を食べずに待った。

「よし、いま食っていいぞ!」
「よっしゃー!!」

時刻は午後7時。遠足のBBQから6時間ほど経過しているので
みんなお腹がすいていた。

先生に見つかったら終わりという背徳感を抱きながら全員がカップ麺をあけて食べた。

「う、うまい」
全員が同時に唸った。
普通に食べるカップ麺とは格段に違った。

空白はスパイスとも言われるが、このとき彼らは
背徳感もスパイスになりうると気づいたのだ。

ただ、カップ麺を食べたことによる弊害が出た。
それは、カップ麺の匂いだ。
1人が食べても匂いが充満するというのに、5人が食べたせいで家庭科室周辺がカップ麺の匂いがしてしまっていた。
特に匂いの根源が、

マツが選んだ蒙古○メン
マルキが選んだカップ○ードルカレー味だ。

辛い系のカップ麺の匂いは凄まじく、
家庭科室周辺はラー油系の匂いとカレー風味の匂いが漂っていた。

「おいカレー味とか頭おかしいもの食うなよ」
「お前の蒙古○メンのほうが味覚終わってんだろ」
まあ味覚はともかく匂いのことを想定していなさすぎた。

各自食べ終えた順に片付けて何とか家庭科室から脱出していった。
キノコ、キム、ルターは無事に脱出することに成功した。

匂いがきついカップ麺を食べている2人組は、匂いを消し去ろうと必死に水で洗い流していた。

その時、
「うわ、なんやこの匂い!」

なんと、2階に来た生徒指導の先生にカップ麺の匂いが気づかれたのだ。
急いで、キノコとキムとルターは家庭科室から撤収した。
一方取り残されたマツとマルキは、それに気づくことなく洗い流していた。

そして、、
「お前ら何しよんぞー!」
と2人だけ生徒指導の先生に見つかり、2人だけ
1週間毎朝奉仕活動の刑に処された。

コンロをほぼ1人で運ばされた上に、
ケータイが見つかった上に水没して、
放課後に学校でカップ麺を食べていたのがバレたマツは散々な日になった。

無事オペレーション・クッキングに成功したキノコは、
また別の計画を立てるのであった。

BBQ編終わり。

よろしければサポートよろしくお願いします! いただいたサポート料は、これからの記事を書くための自己投資として使わせていただきます!