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中高一貫のバカ事情 第4話~人に頼み事するには相手の望むものを与えろ~

無事学年主任を言いくるめたキノコ達。
学年の朝礼も無事に終わり、遠足場所への運搬作業に入った。

ここで文句が出始めるのである。
誰がバーベキューコンロを運ぶのか。という問題が出てきたのだ。

重さもあるし、何より大きいので持ち運びが面倒。
ここで運ぶのはマツの予定だったが、朝にキノコと
学校まで運ぶのも想像以上にしんどかったので、運びたくないらしい。

「学校まで運んだんだから、駅までは誰か違う人が運んでよ」

と主張し始めた。
最初は、みんなも手伝ってあげていたが
これがなかなかにしんどかった。
バーベキューコンロの体積の大きさから、運びづらいことこの上ないのだ。
ましてやこの遠足は4月末だったので、かなり暖かい時期だったのだ。
運ぶのが筋トレな上に、汗も止まらない。

そこで、みんな思ったのだ。
どうにかしてマツに運ばせようと。
マツ以外の全員の思惑が一致した。

ここで前回の畔柳先生vsキノコ達の構図が
マツvsキノコ達の構図に変わったのである。

マツ自体は別に口喧嘩も強くないし、
力尽くでやらせてもよかった。
しかし、彼は後で何するか分からない人物。
彼は過去中学時代に
好きだった子が同じバスケ部のイケメンに好きになっていたことの腹いせに
そのイケメンのすね毛が毛深いことに目をつけて、
寝ているときに彼のすね毛で毛玉を作りまくり泣かせたという
とんでもない伝説を持っている。

そんな執念深い彼に、どう気持ちよく持ってもらおうか考えた。

ここで、皆さんならどうするか。
皆さんは相手に頼み事をするときにどのように伝えるのが良いか。


それは、
相手にメリットがあるように伝えること。
相手の欲求を満たすこと。

が大事なのである。

これは日常生活でも実践できる心がけであり、これを高校生だったキノコ達は意図せずするのである。

マツと言えば、女の子が好き。
制欲の権化である。
ただ、自分から積極的にいくほどの男ではない。要するに奥手の変態だ。

つまり、マツが欲しいのは女の子から話しかけられることである。

そこでキノコ達はクラスの女子の力を使ったのだ。
このキノコは彼女こそできたことはないが、
コミュ力はめちゃくちゃ高かった。

周りの女子にこう助言するよう言ったのである。
「マツが持ってきたコンロで焼肉やらせてよ」と。

この学年の顔面偏差値は、
男子<<<<<<<<<<女子だったのだ。
男子のレベルはそこそこだったのだが、女子のレベルが高かった。
そのため、他学年や他の学校の生徒からも羨ましがれるほどであった。
ただ、先輩と付き合っている女子が大半であったが。

そこで普段から女のことばかり考えてるマツに

「マツ君がんばって!」
「マツ君のおかげでバーベキューできるね!」
「マツ君ありがとう!!」

このように急に好きな女子から応援されると

「おれが最後まで運んでやるよ」

と意気込んでくれた。本当にちょろい。

そうして遠足場所まで
コンロをマツに運ばせて着いた。

いよいよバーベキューの開始である。

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