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中高一貫のバカ事情 第7話


無事バーベキューも終わり、マツへの復讐が終わったキノコ達。

遠足の日程も終わり、めでたしめでたしで終わらなかった。

帰りも大変だった。
来た時同様にコンロを持ち運ばなければいけなかった。
散々な目にあったマツは、


「さすがに帰りにずっと1人でコンロ持ち運ぶのは無理ゲーやわ」


と言ってきた。
転んだだけでなく、
スマホを持ってきていたのが先生に見つかった上に
スマホが水没するという
3重苦を味わっていたので、さすがにみんなマツに同情していた。

ということで、帰りは交代でコンロを運ぶことになった。
みんなBBQという大義名分のためにここまできた。それが終わったいま、コンロを運ぶのはただの徒労だった。

コンロを何とか学校まで持ち帰り、学校で学年は解散ということになった。
通常の生徒はここで遠足が終了なのだが、
ここからこのメンバーはコンロの掃除をしなければならなかった。
ちなみにこの時点で午後4時半。

このコンロ掃除が大変だったのだ。
バーベキューコンロを掃除した経験がある高校生男子がいるだろうか?
ほとんどいないであろう。
もちろんこのメンバーは誰もコンロ掃除などしたことがなかった。
経験者は分かると思うが、
バーベキューコンロの炭の汚れは全然落ちないのだ。

残ったメンバー5人が学校の水道場でコンロ掃除を始めた。
全員きれいになるものとばかり思って
必死で30分程度洗ったもののある程度で限界だった。

洗い物が嫌になってきたキムが余っていた
ナパーム(ゼリー状の着火剤)に注目した。

「おい、これ燃やして中の炭消そうぜ」

とか訳の分からないことを言い出した
一刻も早く帰りたいメンバーは、黙々と作業を進めていたので誰も聞く耳を持たなかった。

「おい、そんなこと言ってる暇あったら手動かせよ」
「早く洗って帰ろーぜー」

そこでキムと小学校以来の仲のキノコが言った。

「早く洗えよデブ」

キムは学年で一番体重が重いのだが、キノコの言い方が悪かった。

この一言でキムが暴走し始めたのだ。
なんと水道場で、ナパームを燃やし始めたのだ。

着火剤に直接火をつけた経験があるだろうか?
着火剤ということもあって火がかなり大きいのだ。
そして、全然消える気配がない。
ましてや学校である。学校で火事なんて起こしたら確実にムショ行きだ。

「おいバカ!早よ消せよ!!」
とみんな消火活動をすることになったのだ。

これがなかなか消えない。
水を上からかけても全然消えてくれない。
消火器を使おうものなら生徒指導行きになってしまうので
それだけは断固阻止しなければならなかった。

すべての水道の水圧を最大にして
バケツで大量に上からかける
を繰り返して何とか鎮火することができた。

ただ、このボヤ騒ぎ寸前の出来事があったせいで、
コンロ掃除を終えるのに2時間もかかってしまった。

時刻は6時半。

ここで、まだまだ続くのである。

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