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中高一貫のバカ事情 第5話

無事遠足先の島への運搬が終了したキノコたち。

今回の遠足先は県から少し離れた島なのである。
正式名称は、香田島(こうだしま)。
だが鹿が大量に生息しており、学校の生徒からは鹿野島(かのしま)と呼ばれている。

そして、学年の人たちは到着してすぐに調理に取り掛かった。
当然キノコたちも調理に取り掛かった。

というかほぼ炭に火をつければ終わりだった。
なんせ焼くだけで済むのだから。

そう、男子高校生など料理ができないのだ。
当然このメンバーも包丁さばきもままならない者ばかり。
多少の手間がいる(本当はそうでもない)鍋よりも
食材を並べて焼くだけのバーベキューのほうが圧倒的に簡単なのである。

しかし、ここで起こってはならないことが起こってしまったのである。

雨が降ってきたのだ。
しかもバーベキューコンロの炭を燃やそうとしたときに。

バーベキューの唯一の天敵でもある雨。
そこまで強い雨ではないものの、なかなか火がつかない。

しかも雨だけでなく風も吹き始めたのだ。
この風の影響で炭の燃えカスなどで煙たくなり被害は甚大に。。。。

「とにかく雨風しのげるところへ移動するぞ!」
とキノコが主導してコンロ・食材を避難させたのであった。

庇(ひさし)がある場所にてキノコたちは、BBQを敢行することにした。

当然苦労して持ってきたコンロで(マツが)
焼いた肉はうまかったのだ。

そもそもマルキの高級肉が普通にうますぎるのである。
男子高校生のBBQで消費される高級肉が本当にもったいない。

このBBQは、学年で唯一であったために
学年の班すべてと何かしら食材交換が行われたりした。

特に人気だったのが、マルキが買ってきた
「霜降り牛肉」であった。間違いなくBBQで焼く肉じゃない。

当然そんな肉を普段食べている同級生はマルキを除いていなかった。
霜降り牛肉を食べるには、相当な対価を支払わなければいけないのだが...

なんとキノコたちが食べる前に既に食べられていたのである。

「おい、誰だよ。霜降り牛肉持ってったやつ」
キノコは割とガチで切れていた。割と楽しみにいていたのであろう。

「おれ知らねーよ」
周りのメンバーは誰も知らない。

「そもそも俺らじゃその肉の対価の食材持ってねーよ」
食材の交換に来ていた他の班の人も知らない。

「おれ焼いてないけど、今日じゃなくても普段の食事で食えるやん」
マルキに聞いたのが間違いだったが、マルキでもなかった。
というより金銭感覚狂いすぎだろこいつ。

では、誰が。。。

「ああ、それさっき女子にあげたよ。まじすげー喜んでたわ」
そう、マツである。ここで性欲の権化であるマツは
女子にいいところを見せようとしてあろうことか
「高級霜降り牛肉」を女子にほぼ無償で焼いてあげていたのだ。

「何やってんだテメーーー」とみんなの反感を一気に買ったマツ。

コンロを持ってきたのに、その後マツはほとんど肉を食べさせてもらえなかった。




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