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講義科目「ポップカルチャー論B」に、音楽評論家の小川真一さんをお招きして、シンガーソングライター、シティポップについてお話しいただきました!

2021年度、後学期の講義科目「ポップカルチャー論B」では、1970年代以降の日本のポピュラー音楽(ロック、ポップスを中心に)をテーマに授業を行いました。

趣味性の高いポピュラー音楽を学術的にどのように扱うのか、
そして、そこから何がみえて(聴こえて)くるのか——
様々な観点から受講生と教員が深く思考しました。

kaede「サイクルズ」を歴史的に聴く、モノンクルのカバーと解釈、筒美京平のクリエイティヴィティ、山下達郎のパフォーマンスの美学、シティポップとは何か?などのテーマについて、批評理論などの学知から検討し、時にオーストラリアのThe Avalanchesなどの表現も踏まえて、議論を重ねてきました。

このような学びを、「日本の音楽評論」という文化理解のパースペクティブと接続させてみたいという思いから、ベテラン音楽評論家の小川真一さんにご登壇いただきました。

小川さんは、『ミュージックマガジン』や『ギターマガジン』などの主要な音楽雑誌への寄稿をはじめ、単著『フォークソングが教えてくれた』(マイナビ新書、2020)、『ロック画報読本 鈴木慶一のすべて』(Pヴァイン、2017)の監修などのお仕事で知られており、幅広いジャンルを対象とした音楽評論活動を展開されています。
また、エフエム豊橋では『ラビットアワー』(木曜、18時)のパーソナリティもご担当されています。

ご講演では、シンガーソングライターという存在から説き起こされ、その後「シティポップ」という音楽現象について、ご自身の聴取経験、さらには批評家としての鋭い分析的な観点から音楽現象についてお話いただきました。

例えば、日本におけるシンガーソングライターの登場について、文学的表現とのつながりから鋭く解説されるなど、文化の網の目の中に音楽が存在していることを強く意識させられるご指摘の連続でした。

また、小川さんが現在注目していらっしゃるシンガーソングライター 折坂悠太の楽曲を紹介される場面もあり、音楽評論家ならではの観点から現在の音楽シーンへの評価をうかがうこともできました。(後日の授業で、担当教員の水川は、小川さんへの応答として、柴田聡子の楽曲を紹介しています)

担当教員の水川との対話形式で授業は進行し、Zoomでのリアルタイム授業でもあったため、少しラジオ番組的な雰囲気もあり、いつもとは違う面白さもあったのではないかと思われます。

豊穣な聴取経験と、音楽にとどまらない幅広い知識によって可能となる音楽評論の世界の一端に触れることができた、大変貴重な時間となりました。

ご多忙の中、授業に参加してくださいました小川真一さんに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。


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