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国際日本学部の特色のある授業紹介~日本文化学科の授業:日本文化演習A

 日本文化学科の専攻科目である「日本伝統文化演習A」には、日本の伝統文化を学ぶことはもとより、実際に体験する実習も組み込まれています。この授業が開講された前期では、感染対策を徹底した上で、6月28日に「華道」の実習を、7月12日には「茶道」の実習を行いました。

 「華道」実習では、日常では知る機会の少ない華道について、華道「桂古流」の副家元である新藤白龍先生に、二回に分けて教えていただきました。
 第一回では、華道が生まれてから今に至るまでの歴史の流れを学ぶとともに、「華道」と「いけばな」の違いや、飾られる場所、副家元である新藤先生自身の生活についても教えていただきました。

新藤白龍先生による活け方の説明

 第二回では、いよいよ受講生が自分たちの手でお花を活けました。今回は「クルクマ」、「フトイ」、「ナルコラン」の三種類のお花を活けました。活けた際は、全体のバランスのとり方や、自分が一番美しいと思える配置を考え、新藤先生のアドバイスのもと作品を完成させました。自分の中の感覚を、「花」を通して表現するという経験は貴重でしたし、何よりも新鮮な気持ちでお花を活けることができました。また、後日、新藤先生からの講評を全員にいただいたことで、いけばなの感覚をさらに深く理解できたと思います。

執筆者自身が実習時間中に活けた作品

 「茶道」実習でも、「茶道」の持つ伝統的な魅力とその源流を、茶道「表千家」の茶道講師、中澤宗寿先生に二回に分けて教えていただきました。
 第一回では、華道と同じくその歴史と、「茶道」の持つ伝統的な思想とその意味について教えていただきました。

中澤宗寿先生によるお点前

 第二回では、中澤先生に実際に受講生の前でお茶を点てていただき、茶室でのマナーや茶器の扱い方も指導いただきながら、受講生全員が実際にお茶を点て、お菓子と共にいただきました。また、お菓子には、受講生から名前を募集して、「夏目奏」(ナツメソウ)という銘を付けました。

爽やかな色味の夏らしいお菓子。銘は「夏目奏」に決定。

 茶室でお茶を点て、客人に振舞うという行為は非常にシンプルなことですが、そのシンプルながらに洗練された「茶道」には、他人と作り出す調和の思想が所作の一つ一つから伝わってきました。
 どちらの芸道も、実習を踏まえてみると、これまで考えていた「伝統」よりもずっと新鮮で、新鮮ながらにも、日本人の根底に流れている「精神」を形作っているのだと思いました。
 この授業を通して伝統文化を知ることもできましたし、同時に「視野」が広がったことも実感しました。

(日本文化学科2年 R.Y.)


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