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とりとめもない文章。「自分」の話ではあるけれど、「わたし」の話ではないような。(記事のタイトルは全て仮のものです)
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弾奏L

雨樋のない軒先からぽたり、ぽたりと、雨粒が落ち続けるのを見つめている。こたつの中から見つ…

kanaecogo
9か月前
4

暮色O

2色のガーベラを両手で抱えて帰路につく。空が花びらと同じ色に染まってきていて、わたしの頬…

kanaecogo
9か月前
5

焦点S

駅を出ると、ひとけのないロータリーがあった。 数分前に見た地図を頭のなかで復元して北西に…

kanaecogo
2年前
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木耳C

耳鳴りがするとき、自分に耳がついていたことを思い出す。 右耳には高音の、ソプラノリコーダ…

kanaecogo
3年前
7

降水R

久しぶりに外出した日、久しぶりに雨が降った。紺色の地にペールトーンの長方形が印刷された傘…

kanaecogo
3年前
5

視点A

私はアーム。主人(あるじ)の右腕的存在。ある日、主人が怪我をした。「このほうが体重が乗る…

kanaecogo
3年前
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日常F

指について書きたくなった。 私の指はその10本で多くの仕事をする。 朝、けたたましく鳴る携帯のアラームを止める。3つしかないいずれかのボタンを押せばいい。スヌーズ機能もオフにする。この時は画面を操作しなければならない。 カーテンを開ける。寝巻きを脱ぐ。シャツを着る時は右手から、ズボンを履く時は左から。ボタンはやっぱり左側にあるといい。めがねのブリッジをつまむ。洗面台の脇に置く。髪をとかす。束ねる。冷たい水を迎え入れて顔を洗う。10本全ての指をぴたりとくっつける。もっとも