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【第4話前半】日プガールズ感想 Hype Boy / FIESTA / CHEER UP

ついに最初の投票期間が終わった日プ女子ことPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS。第四話の感想も長くなるので前後編に分けて書いていく。この記事では「Hype Boy 」「 FIESTA 」「CHEER UP 」を振り返る。

※第3話感想はこちら(前後編)


Hype Boy 2組

このカードは2組が先攻。楽曲は若手ながら高い人気を誇るNewJeansの代表曲。しかし、課題曲では唯一の韓国語で歌う点に練習生は苦戦する。

仲宗根先生のレッスンでは、韓国語の分からない観客に曲の世界観を伝えるためのワークショップを行う。練習生の表現は、アイデアはいいものの「自分の本当の感情が追いついていない」と指摘される。そう、上辺だけの表現では、日本語の楽曲だったとしても観客の心にまでは伝わってこないと私も思う。私が思うにK-POPの楽曲が世界中で人気なのは、韓国語が分からない聴衆にも伝えられるほどの感情を、アーティストが込めてパフォーマンスしているからだと思っている。

「自分が体験できるようなストーリーを作っていく。(中略)コピーで終わらせるなよ」という仲宗根先生の言葉を受けて、柴垣有佐の仕切りで2組の練習生はオリジナル要素を取り入れ始めた。こうして完成したパフォーマンスは、本家ともまた違うフレッシュでかわいらしいステージで、韓国語で歌っているのに日本のアイドルを見ているような気持になった。柴垣の提案で導入された菅井夏帆のバレエ要素のあるパートは良いスパイスになっていたし、センターの小柳絵美のちょっと引っ込み思案な感じも「Super Shyな女の子」って感じであざとかわいかった。

Hype Boy 1組

Aクラス2人を擁する隠れ実力派のチームだが、Aだからこその悩みを持つ練習生がいた。田中優希である。レベル分けテストでは実力のわりに厳しめの評価を受け、シグナルソングのセンター・ソロ選抜戦は結果を残せず、グループバトルのレッスンでも「目立たない」と指摘されてしまう。誰もがうらやむ地位にいる彼女だが、同じ人間だから悩みを抱えるのは当然である。

悩みを打ち明けた田中優希に対して仲宗根先生は「悔しい、怖い、そこの奥にある、本当の自信、自分が気付かんと」と言葉をかけ、鏡に映る自分に向かって笑いかけるよう指示を出す。これは心の奥深くに眠る自信に気づくための一種のセラピーだろうか。練習生の悩みに真摯に向き合う仲宗根先生を見ると、やっぱり私は、ダンスの技術だけではなく精神面も磨く先生のレッスンが好きだなって思う。

こうして自信を取り戻した田中優希を中心に、チームはさらなる団結を見せた。それが現れたのがレッスン中、スランプで悩む中野心結が泣き出してしまった場面。他のチームメイトが踊りながら「泣かない!」と中野に励ましの声をかける様は今回の名場面の一つだろう。その後のYUMEKI先生のアドバイスも私の心に沁みた。

「(他の練習生が気にかけてくれている)それを自分も気付かないとダメだよ。1人だけで抱え込もうとしないで。みんなでやるんだから」

パフォーマンスは、恋する自信のない女の子を演じる中野心結を中心にしたストーリーが見えて舞台のようだった。特に歌に入る前の寸劇が私は大好きで、いい導入になったと思っている。仲良し6人組が楽しそうにしているところに中野の好きな人が来て通り過ぎていく様子、練習生の視線だけでそこにいないはずの人物が私には見えた。その後田中琴が中野に話しかける感じとか、恥ずかしそうに頷く中野やそれを見た他5人の反応も、喋っていないのに会話が聞こえてくるようだった。中野の陰がある一面があのストーリーの鍵になっていたと思うので、彼女がこのグループのセンターだったのは適任だと思った。

他にもサブカル系が似合う印象だった村上璃杏が、Hype Boyの世界観にも合わせていける適応力を見せたのはいい発見だった。自主練中、イ・ホンギ先生が天の声のごとく2階からアドバイスを送った時のリアクションもコミカルで、彼女の魅力に映った。

バトルの結果は1組の勝利。しかし2組のフレッシュなパフォーマンスも新しい「Hype Boy」を見れた気がして、ベストマッチだったと私は思う。

FIESTA 1組

まず前提としてこの曲はかなりの難曲である点を強調したい。本家IZ*ONEがあれを歌いこなせたのはひとえに、チョ・ユリ、クォン・ウンビ、キム・チェウォンという歌唱力の化物が3人もいたことが最大の鍵だと私は思っていて、中途半端な実力ではまず歌えないというのが実情だと思っている。そんな難曲を踊りながら歌わなければいけないのだから、とんでもなく要求されるレベルが高いというのは言うまでもない。

さてここからが本題。FIESTA 1組は…、うーん。完全に曲の難易度に飲み込まれてしまった感が否めなかった。確かにダンスは経験者が揃っただけけあって上手かったけど、今のガールズグループはやはり歌えないと評価されないのでもったいなかった。曲の難易度が高すぎたと擁護するのは簡単だが、プロを目指すならそれが通用しないのも厳しいが事実。個人的に気になる練習生のいたグループだけに、グループバトルで好印象を残せなかったのはかなり痛手だが、もし生存できたら次のポジションバトルで挽回することを祈らずにはいられない。

FIESTA 2組

HKT48での活動歴がある水上凛巳花と、よくリーダーをする場面が多かったという佐野じゅえりの2人で練習を仕切ることに。しかし些細なすれ違いが積み重なり、チームの空気は悪化の一途を辿ってしまう。

が、これは誰かが悪いというよりも、各々がバラバラの方向を向いたまま、パフォーマンスを良くしようと気を張りすぎた結果による衝突だと私は思った。私自身も過去にグループ作業をしている時、方向性のすり合わせが上手くいかずチーム同士で疑心暗鬼になってしまった経験があるので、敏感になりすぎた水上の気持ちも、一人で先走りすぎた佐野の気持ちも、上手く仲介に入れなかったその他の練習生の気持ちもみんな分かる。このタイミングで相手と向かい合って共感できることを探すワークショップを行った仲宗根先生は、立ち直りのきっかけを与えていて流石だと思った。

さて本番。1組が飲まれてしまった難曲を成功に導いたのは、青木友香髙橋妃那中山穂乃楓のボーカルが安定していて、なおかつ各々の個性が目立ったことが大きいだろう。青木のよく響くパワフルな声、髙橋の甘くあどけない声、中山の透明感のある安定した声。本家IZ*ONEの持つカラフルなハーモニーを思い出した。

結果は2組の勝利。そのクラス構成は、1組がAとBもいるのに対し、2組はC2人とD4人。こうしてみると、クラス分けの結果に引きずらずに切り替えることの重要性が伝わってくる。

CHEER UP 1組

指名者の大坪楓恋曰く、可愛い曲をやるという前提で組んだチーム。狙い通りの曲を引き当てたものの、交流の浅いチームはなかなか一つにならなかった。中でも北爪さくらは唯一のCクラスであることに引け目を感じ、おまけに体調不良で離脱を余儀なくされる。それが災いしてか、YUMKEKI先生からは「(パフォーマンスで)記憶に残っているところが、今見たばかりだけど無い」と評されてしまう。

とはいえその後のミーティングでは、チームに馴染めていない自覚を全員が持っていたことが明らかになり、ちゃんと本音で話せる関係性を築くことができた。この時、体調不良で不在だった北爪さくらの胸の内を代弁してくれた城丸真歩はナイスフォローだった。

パフォーマンスは、個人的にコンセプト消化能力だけならここが一番だと思った。チームに合った曲ができたという点も大きいが、全体的にダンスも歌も安定感があった。中でも北爪さくらからは目が離せなかった。まだ荒削りな点は否めないが、なぜか気になるスター性があって、タイプとしては現INIの松田迅に近いものを感じた。こういう子を見るとアイドルは技術だけでなれるものではないと改めて考えさせられる。

CHEER UP 2組

1組とは対照的にクールな楽曲が得意の練習生が集まったチーム。ダンス経験が豊富な小田有葉が仕切るも、苦手なコンセプトの曲だったことも災いし、1組に大きく後れを取ってしまう。そのパフォーマンスを見た仲宗根先生からは「音源よりも負けてる」と言われる始末。

やったことないタイプの曲に「今までカッコいいダンスしていた自分どこにいるんだ」と思ってしまうほど辛くなっていた小田だが、話し合いではチームメイトにこう本音をぶつける。「いっぱいみんなに頼って、頼って、頼りまくってチームになる」その言葉を受けて、山崎美月もダンスのアドバイスをするようになり、茂呂空音も得意の歌でチームに貢献しようというマインドを手にした。

パフォーマンスは、コンセプト消化においては1組に軍配が上がるものの、歌とラップに関しては2組の方が上だと私は感じた。中でもメインボーカルの茂呂空音が大活躍だった。レベル分けテストからずっとFクラスの彼女だったが、トレーナー陣からもFは卒業と言われるほどの成長を見せていた。細井彩加山崎美月のラップも個人的には良いアクセントだった。

接戦を制したのは1組。しかし2組も大健闘だったので、どっちが優れていたかは各々の好みによって決まる気がしてしまった。

後半へ続く

前半記事はここまで。後半の記事では「TOKYO GIRL 」と「Body and Soul 2組」の様子を振り返る。


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