【第4話後半】日プガールズ感想 TOKYO GIRL / Body and Soul 2組
第一回順位発表の放送を今週の木曜日に控える日プ女子ことPRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS。
この記事では第四話のグループバトルより「TOKYO GIRL 」と「Body and Soul 2組」の感想を書いていく。
※「Hype Boy 」「 FIESTA 」「CHEER UP 」について書いた前半はこちら
TOKYO GIRL 1組
個人的に最も成長したと思うチーム。そんなTOKYO GIRL 1組は6人中4人が未経験で、練習中もつい隣の2組を気にしてしまう。その様子を最年長の小山麻菜が「集中するところは集中してやった方がいい」と注意するも、意識が高いのは小山だけで、他の練習生はそれに追いついていない。それもあってかレッスンではYUMEKI先生に呆れられる始末。ダンスを見た後このように喝を入れられてしまう。
「(ステージがグループバトルで)最後の子っていっぱいいるよ。(中略)分かってんだったら死ぬ気でできないの?自分のこと信じて、やってほしい最後まで。」
これをきっかけに腹を割って話し合った1組は冗談を言い合えるまでに仲を深め、パフォーマンス面でも大きな成長を見せた。最終的にあのYUMEKI先生を見返した時は、私まで嬉しくなった。
本番で特に目を引いたのは桜庭遥花。レッスンでは振りが入っておらず悪い意味で目立っていたが、ステージ上ではそんな過去を微塵も感じなかった。個人的に彼女の魅力はピュアな笑顔と独特な可愛らしさのある歌声で、こればっかりは技術どうこうで身につくものではないと思った。
TOKYO GIRL 2組
石井蘭の指名で結成された、裏アベンジャーズと呼ぶに相応しい人気と実力を兼ね備えたチーム。個人的にも最も期待していたグループで、その理由は以下の記事で語った通りだ。
本番に至るまでの過程でフォーカスされたのは石井蘭。個人的に他の5人のストーリーもちゃんと見たかったので物足りなさはあったが、それに対する運営への不満は、期待を大きく超えるパフォーマンスを見せてくれた6人に免じてぐっと飲み込むことにする。
さてそんなTOKYO GIRL 2組だが、辛口でお馴染みのYUMEKI先生のレッスンでもその完成度を絶賛される。ところがもう一つ、J-POPの別の曲でやっているこれまた良いグループがあるという、何とも意地悪な匂わせをされてしまう。それを受けて偵察へ向かったのが、櫻井美羽擁するBody and Soul 2組だ。石井にとっても櫻井はシグナルソングのセンター争いで負けた因縁の相手。しかし肝心の二人は、和気藹々とした健全すぎるライバル関係。もし二人揃ってデビューすることになったら、長く一緒に活動することになるので、過度にバチバチするよりはよっぽどいいと私は思った。
パフォーマンスは、AとかFとか関係なく全員がセンターと言ってもいいほど各々が目立っていた。
土台となったのが高畠百加のハスキーな歌声。個人的に「めいっぱいに手を伸ばして」と「ここにいるあなたへ」のフレーズがかなりツボだった。自主練中も通りすがりの海老原鼓を捕まえてアドバイスをもらいにいく向上心は相変わらずで頼もしい。岡部望々花の歌声は曲前半の不安気な空気を作り出す役目を果たし、後半の爆発力に繋げていた。石井の指導の甲斐あってかダンスも安定していて、チームの一員として充分機能していた。
ひたすら静かに抑えていた前半から一転し、会場のボルテージを上げる役割を果たしたのが間奏の1列になって踊るダンス。この時先頭に立っていたのが川畑蘭華だ。Aクラスの石井や笠原を差し置いて彼女が起用されたのは、切り札登場といった趣があって、サビへの期待をさらに高めていた。ひとしきり踊った後、サビに入る起爆剤となったのが清水恵子のシャウトだ。ここで6人の溜めに溜めたエネルギーが大爆発した。この役目は練習生一の明るさを持つ清水にもってこいだった。見ている私も一緒に「AWAKEー!!」と叫びたくなった。一連の流れを作った川畑と清水は2人とも、再評価テストで「LEAP HIGH! は私に似合う曲じゃない」という空気をトレーナーに悟られて降格したもの同士というのがまた面白い。TOKYO GIRLも2人の持ち味とは逆のテイストだったが、今回は苦手意識を感じさせない、新境地の開拓といった仕上がりだった。
サビに入ってから本領発揮したのがセンターの笠原桃奈。東京という街で一生懸命生きる女性のタフさを出すには主人公オーラ溢れる彼女がピッタリだった。それでいて他の練習生のパートでは、悪目立ちしないようちゃんとチームに溶け込む適応力を見せていて、彼女のステージ経験が活きていると思った。
終盤に石井蘭が見せたソロダンスは、流石という言葉でも足りないほどの貫禄があった。今回のグループバトルでは歌で魅せるタイプの練習生が躍進したのに対し、彼女の持ち味はダンス。そんな環境で123票も獲得した彼女の気迫は簡単に出せるものじゃない。デビューしたら間違いなくグループの要になりそうな存在だ。
総合的に見てAWAKEのTOKYO GIRLは、本家Perfumeの見せる機械的な世界感とは真逆だった。しかしこのエネルギッシュなパワーこそがこのチームの持ち味であり、私がAWAKEを好きな理由だ。そもそもグループバトルはカバーコンテストじゃない。課題曲をいかに自分達らしくやるかがグループバトルの醍醐味だと私は思っているので、ゴリゴリのパワフルなメンバーが集まったこのチームがその魅力を殺すことなく、全く新しいTOKYO GIRLを見せた点を私は評価したい。
結果は2組の圧勝だったが、1組の成長ぶりに感動したのもまた事実。高畠を中心に「Tokyo Girl最高!」と笑顔で勝負を終えた両チームには最大限の拍手を送りたい。
Body and Soul 2組
対戦相手の1組の模様は前回の第3話で放送済み。その感想は以下にて。
さてこの2組、練習過程で大きくクローズアップされたのが櫻井美羽だ。
既に多くの分量を獲得している彼女を大きく取り上げること、そこで映し出された彼女の言動は国プ内でも賛否を呼んだが、私はチーム内で孤立した櫻井の姿にかつての自分を重ねてしまい、何とか彼女が報われてほしいと思ってしまった。
櫻井があのようにチーム内で孤立してしまった理由は2つあると私は考えた。一つが自分の意見を上手く言語化できないこと、もう一つが自分の本音を伝える勇気が無いことだ。
これは私自身も何度も経験したことだが、櫻井が言いたいことを言えない間にどんどん話が進んでしまい「今更言っても無駄だ」と諦めてしまったのではないだろうか。それが積み重なったせいで「チームで私が何やればいいか分かんない」という、他人から見たらあまりに飛躍した悩みの吐露に至ったのではないかと私は考える。人によってはそれを「何言ってんだこいつ」と思っただろう。しかしそこに至るまでに櫻井の頭の中では様々な葛藤があったはずだ。でも頭の中で考えていることは残念ながら他人には見えない。従って、突拍子もない発言に呆れてしまう人が出てきてもおかしくないと私は思った。とはいえ、自分の意見を言語化できない口下手な人間の気持ちを痛いほど分かってしまう私は「そうなっちゃうよな。言語化できていない気持ちを口にしても無駄だと思って溜めこんじゃうよな。でもそれじゃ他人には分かってもらえないんだよ…」と、いたたまれなくなった。
そんな櫻井が、あのまま孤立せず再びチームの輪に入ることができたのは、仲間に恵まれたことが大きいと私は思っている。
加藤心の言葉は櫻井の短所を的確に指摘していた。「思っていることとか嫌なことがあった時に、遠回しで伝えられちゃうと、良い気持ちがしないのね。だから、嫌だったら嫌だって、直接言ってくれた方が、態度で嫌だって示すよりは、直接言ってくれるとありがたいな」
「言っても伝わらないから」と自分の中に溜め込まず「上手く言語化できていないけど、何か引っかかる」と思ったらその通りに伝えること。それが加藤の言う「態度で嫌だって示すよりは、直接言ってくれるとありがたい」だと思った。そう言ってくれる存在に櫻井も救われたことだろう。
レベル分けテストの時から一緒にいる山本すずの存在も大きい。山本はチームを引っ張ってくれた櫻井の意識の高さを認め、自身もその思いに応えたいと頑張ったとしつつも「ちょっと、キツいかなって言葉もあって」と、櫻井の欠点を指摘した。あえて今までそれに触れてこなかったのは「美羽ちゃんが悪気があって、言ってると思ってなかった」とのこと。それは「こんな感じでいっか、ってところを美羽ちゃんが、いやこれじゃダメでしょ。ここまでやらなきゃダメでしょっていう、美羽ちゃんがいるから、いいパフォーマンスができる」という言葉にある通り、山本が櫻井の持つストイックな一面を認めているからだと思った。
仲宗根先生からも、本音をぶつけるという今までとは違うことをする自分への挑戦を「怖がっている暇なんてない」とアドバイスをもらい、櫻井は少しずつだが、変わるきっかけを掴んだように見えた。その後彼女がちゃんと成長するのか、はたまた何も変わらないままなのかは、この先の放送を見ないと何とも言えない。少なくとも私は、気難しいという理由だけで櫻井を切るのは時期尚早だと思ったし、もう少し櫻井を見守りたいとも思った。
パフォーマンスだが、技術だけならこのチームが圧倒的に抜きんでていて、これぞアベンジャーズといった高い完成度を誇っていた。まず歌に引っかかるところが無い。他のグループだと素人目にも分かる粗が時折見受けられたがそれが全くない。そのうえダンスも揃っていてシンクロ率が高い。個人的にグループの持つ世界観の面で好きなのはTOKYO GIRL 2組だが、こちらのBody and Soul 2組が全体一位だったのは納得しかない。
特に際立っていたのが海老原鼓だ。ダンス未経験にも関わらず、歴の長い他のメンバーに見劣りしないレベルで踊り、よく響く明るい歌声で伸び伸びと歌う彼女は見ている私も元気になれる。結果として現場投票最多となる172票を獲得した。その衣装から「サトシ」のようだと他のメンバーにいじられる様はまるで末っ子かペットのよう。個人的に、こういうマスコット的立ち位置のメンバーはグループにぜひ欲しいと思った。
後書き
さて、グループバトル全体を振り返ると、大成功を収めたチームから上手くいかなかったチームまで千差万別だ。第一回順位発表明けの投票は、一日に投票できる練習生の人数が半分以下に減ることが予想される。そのため「期待を込めて」という意味合いでの投票も大きく減ってしまうだろう。そう考えたら、このグループバトルで思うような結果を残せなかった生存者は厳しい戦いが待ち受けそうだ。
一方、グループバトルで負けはしたものの、いい印象を受けた練習生も多くいた。木村カエラも本番後「今日一生懸命やった人は、今の結果は関係ないと思う」と声をかけたが、その代表格といえばBody & Soul 1組の会田凛だろう。現場投票では相手チームの実力もあってか8票しか獲得できなかったが、困難にめげず努力する様は多くの国プの目に留まったはずだ。個人的に、アイドルとは応援したくなる要素を持っている点も大事だと思っているので、彼女が引き続き多くの票を集められたなら、それこそ本物だろう。
次回の放送は11月2日。練習生が全員いる回はこれがラスト。国民投票の結果を静かに待とう。