KanaeKenchikuCo.,Ltd

鼎建築株式会社は、大阪に本社を置く文化財修復 や古民家修繕をする建築会社です。

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最近の記事

国宝 元興寺極楽坊

奈良市の名所、奈良町にある世界遺産であり南都七大寺のひとつ 元興寺( がんごうじ )の極楽ををご紹介します。  奈良町の中にひっそりとたたずむ目立たないお寺ですが、実は「 日本初 」が多い、すごいお寺なんです!! < 奈良町と平城町 > まずは豆知識から・・・・。 奈良県以外の方々は 「 平城 」 と書くと 「 へいじょう 」 と読まれると思います。 「 平城京 」 の遺跡や、歴史の奈良時代の都で有名ですよね。 古くは 「 平城 」 と書いて 「 なら 」 と読みま

    • 国宝 秋篠寺本堂

      奈良市内の喧騒から、一歩離れた森に佇む秋篠寺の本堂を 宮大工の目線でご紹介します。  秋篠寺から、歩いて20分程度のところには近鉄の大和西大寺駅が在り、ここや奈良駅からもバスが出ていますので、 アクセスはご不便ないかと思います。 < 建物の大きさと屋根の形 >  まず、上の写真が本堂を正面から写した写真ですが、屋根の部分をご覧ください。  屋根の形が台形になっています。  こういう形の屋根を、寄棟造り(よせむねづくり)と呼びます。 もう少し下に目線を向けてみましょう

      • 国宝 浄瑠璃寺本堂

        京都府木津川市加茂町の別名 九体寺こと浄瑠璃寺のご本堂をご紹介します。  京都府といっても京都の市街地よりも 奈良市の東大寺などが建ち並ぶ市街地のほうが近い地域にある古刹で ご本堂は平安時代後期の建物です。 < 名前の由来~その1 >  一番上の概要でも書きましたが、お寺の別名として「九体寺(くたいじ)」。  ご本堂のことは「九体寺 阿弥陀堂(くたいじ あみだどう)」と呼ばれています。  「阿弥陀堂」といえば、「阿弥陀様がご本尊のお堂だなぁ!」ということはすぐに分かり

        • 国宝 神魂神社本殿

          造りは簡素だが圧倒される迫力! 建物に限っては 「 国宝 出雲大社本殿 」 よりも古い ! 出雲地方独特の造りをした島根県の国宝 神魂神社本殿 ( かもすじんじゃ ) をご紹介します。 < 切妻造り >  まずは屋根の形からご説明します。 上の写真は神魂神社本殿 ( 上 ) と東大寺ないにある門 ( 下)の屋根の写真ですが、 以前ご紹介した秋篠寺本堂と瑠璃光寺本堂の屋根の形と比べてみてください。 これらの写真は真横から見ると台形の形をしています。 このような屋根を

        国宝 元興寺極楽坊

          木の取説(2)

          < 樹種/材種 > 表題の「木の種類」と書くと、山に生えている立ち木の種類を連想しますが、ここでは木材、建築に使用する木材に限定してお話いたします。 項目の < 樹種/材種 >( じゅしゅ/ざいしゅ )ですが、呼んで字の如く木の種類、木材の種類という意味で同じです。  この言葉は大工と材木商とのやり取りの中で、木材を購入する際に明細書の項目に使う程度で、普段の仕事の話し言葉で使うことは余り ありませんが、便宜上ここでは使用します。 < ヒノキと雑木 > 「雑木」(

          木の取説(1)

          < 木には表と裏があります > ここでいう「木」とは山に生えている樹木のことではなく、その樹木を伐採して製材した木材、建築その他の材料にするための 材木のことを呼びます。  ですから山に生えている木には表も裏もありません。  強いて言うならば、「表だけ」ということになります。 一番手前の原木を、  黒線の図形のような、縦長の平たい材木に製材するとします。 黄色矢印の切り口から見てみると、下の写真のようになります。 黒線状に材木を製材すると、青色矢印側の材面は「木の外