見出し画像

後ろ姿

僕の実体験です。小学低学年の頃の話
その頃母親がママさんバレーをしていた。練習場は僕が通っていた小学校の体育館。
いつもは練習について行くことはなかったのだが、その日、何故だか四つ上の兄と一緒について行くことになった。
最初は練習の光景を興味津々で見ていたのだが、段々と飽きがきて、母親に「帰りたい」と駄々をこねて困らせた。
見かねた母が「○○商店で、お兄ちゃんとジュース買ってきたら?」といいお金を渡してくれた。
○○商店とは学校の正門から出て、左手を道なりに1分程度、歩いた所にある駄菓子屋である。
その外に複数自販機があるので、そこにジュースを兄と買いに行くことになった。
ジュースを買う事、夜の校庭を歩く事でうきうきな気分になり、ちょっとした一大イベントになった。
夜の外装はいつもと違い、なんでも新鮮に目に映った。
校庭を抜け、正門から出て○○商店につき、外の自販機で兄と一緒にジュース買い、体育館に戻る事になった。
帰りは来た道ではなく、体育館に近い西門から帰るルート。
○○商店から西に歩き、道なり進めば西門につく、道の途中にちょっとした曲がり角が二か所ある程度。
兄とジュースを飲みながら、最初の曲がり角まで歩いていると、角の所になにか黒い影があるような感じだった。
暗くてよく分からないが人がいるのかなと何となくそう思った。
段々と近づいていくと、風貌が見えてきた。角の影は後ろ姿の人で上半身から下はなくボロボロの軍服と軍帽を被っていた。
幼かった僕は、怖いというより「なんでそんな服装してるんだろう」と思い、そのままその歩き近づいていったら
兄に手を引っ張られその場から来た道を走って戻る事になった。
兄はただ無言で走る息だけを漏らし、僕の手を引き正門から校庭を走って体育館まで戻っていった。
僕は何か悪い事をしてしまったんじゃないかと思い、起こった事は母には言わずだまってバレー練習を見て、家に帰った。
家に帰ったあともこの話は兄と話す事は一切なかった。

この話はなぜか忘れていて、中学生の時に友達と怖い話をしていて「幽霊を見た事があるかと」聞かれ、思い出した話しでした。
友達にこの話をした所、戦争で亡くなった人を一時的に置いていた場所が近くにあったから、そこの角ではよく幽霊が出るとの事でした。
この話は未だに兄と話し返すことがないです。単純に仲が良くないのでそもそも話し事態しないのですが…
僕は怖いというより不思議だったなと今でも思う出来事でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?