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肝試しの帰り道

友人y君から聞いた話
y君が友達三人と有名な心霊スポットに行った。
場所は山の所で二カ所心霊スポットがあるらしい、先ず一つは井戸が3~5つある。すべて井戸を見つけ覗いたら神隠しにあうというものと
もう一つは山頂に向かう途中に短いトンネルがあり、そこで幽霊が出るといった事らしい。
とても有名な心霊スポットなので、他に肝試し来てた人と出会ってしまう事も暫しあったみたいだ。
y君が行った際は他に肝試しに来てる人いなく、目的だったトンネルについた。
トンネルの中は車では入れず、手前に車を止め、歩いてトンネルの中に入っていった。
トンネル内は暗く、少しひんやりしていた、先入観もあってか中々、怖い雰囲気の中、歩いていたら
y君の友達の二人から「山田(仮名)をトンネル内に気づかれない様に置いていって、俺は車に乗り込んで走り去るドッキリをしよう」と持ち掛けられた。
y君は面白そうだと思い、そのドッキリに賛同した。
気づかれない様に歩いている山田君と距離を取っていく、段々と山田君が姿が遠くなっていくの確認し三人は元来た道を一斉に走った。
山田君は急な足音にビックリして、振り返り状況を把握した。
以前から悪ふざけしあう仲なので今回も悪ふざけで置いて行こうとしているだなと思い、山田君は急いで来た道を走り追いかけた。
三人は「おっ!気づいた!」「早く、車に乗るぞ!」と楽しそうに走りながら会話を交わす
山田君は「おい!これは流石にやりすぎだろう!」と焦りと怒りが混じる声で叫んで追ってくる。
三人は車について急いで車内に駆け込む、笑い声が混じりながら「速く、速く!」「車出して!」とはやし立てる。
車が動いた時に山田君がちょうど追いついて来て、車を叩きながら「俺も乗せて!置いて行くな」と叫んでいた。
車は止まる事なく、ちょうど山田君が追いつけないスピードで走る。三人は山田君のリアクションを見ながら笑っていた。
運転手の田村(仮名)が異変に気付く、「ちょっと、山田の顔変じゃない?」と呟いた。
サイドミラー越しに見ていたのだが山田君の顔が目は吊り上がり、口がいつも倍近くあり、まるで鬼の様な顔立ちに見えた。恐怖で歪んだ人相ではない、逸脱していた。
車に乗っていた二人に再度聞いた。「山田の顔が変だよ、鬼みたいだ」と二人に言った。
友達二人は揶揄で言ってるのかと思い、「鬼は流石に言い過ぎだよ」と笑いながら返した。
田村君が二人に「冗談じゃなくて、マジで」と真剣な顔で訴える。流石の二人も冗談で言ってるんじゃない様子だと分かった。
二人は確認するために追いかけてくる山田君を見る。「えっ、本当だ」友達が言葉を漏らす
「く、車止めて」ともう一人の友達が叫ぶ。その声で田村君がブレーキをかけ、車内は静寂になる。
暫くすると、山田君が車の所まで来て、後部座席のドアを開けて車内に入ってきた。車内に緊張が走る。
息を切らしながら山田君が「はぁ、はぁ、ちょっと、流石に、置いていくのないだろう」と疲弊してる様子だった。
三人は何も言わず、山田君の顔をまじまじと見たが、いつも通りの山田君の顔だった。
何も言わず三人がまじまじと顔を見てきたので山田君は不思議に思い「何?何かあったの」かと聞く。
「いや、お前の顔が鬼みたいになってたんだよ」と山田君に言った。
山田君は笑いながら「何それ?ひどくない」と冗談を言われていると思ったみたいだ。
「いや、マジで、だから心配で車を止めたんだよ」と田村君が言った。他の二人も「顔がいつもと全然違った」と言った。
当の本人の山田君は困惑してる様だった。自分では到底どうしようのない事。
「ここから出ようと」と田村君が言う。三人は何も言わず、車が発進していく。
流石にきみが悪かったので、ファーストフードで明るくなるまで時間を潰した。
先程、あった事の話はしなかった。
明け方、まだ薄暗かったが帰る事になった。y君は三人と別れ家路につく。
他の三人は一緒の車で家路を帰る。車内では先程あったきみが悪い出来事を押しのけようと間髪入れず三人とも関係のない話する。
車は一車線を走る、車内での会話は弾んでいた、さっきの出来事がなかったみたく。
交差点に入る手前まで来たが、急に車が右に横滑り、勢いそのまま中央分離帯に乗り上げる。
助手席と後部座席に座っていた二人は何が起こったか把握出来ずにいる。次の瞬間に助手席に乗っていた友達が「事故だ」と気づいた。
運転席に目をやる、田村君は茫然としていた。二人は何があったのかと田村君に問いただす。
「いや、急に眠気が来てと思ったら、今」だと言う。田村君は事故の直前まで話をしていた。そんな人は急に睡魔に襲われるのか、一歩違ってたら死んでかもしれない。
心霊スポットに行ったから起こった事なのかは分からないが、なんとも恐ろしい体験だったと話を聞かせてくれました。

後日、その心霊スポットにy君とy君の弟と行って来ました。どういう経緯で行く事になったのか忘れてしまいましたが
昼間、トンネルに行って入りましたが、先入観もあったせいか中々、雰囲気がありました。
その後は特にy君の友達は何もなかったみたいです。(現在は分かりませんが)
心霊スポットはいかいほうがいいですよねと教訓になる話でした。

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