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入管法の上陸拒否について②_20231113

1:上陸拒否事由について

海外から日本への入国(上陸)を希望する外国人は、上陸審査において上陸拒否事由が存在していないことを審査されます。
代表的な上陸拒否事由は下記の通りです(入管法5条1項)。

入管法5条1項に規定されている上陸拒否事由

上記のうち、「懲役・禁錮1年以上の有罪判決を受けた者」に関しては執行猶予判決が含まれます。従って、執行猶予期間を経過したとしても上陸拒否の規定に該当すると考えられます(入管法5条1項4号)。
また、「薬物事犯について有罪判決を受けた者」については、刑の種類や刑期を問わずに上陸拒否事由に該当します(入管法5条1項5号)。
「売春業務に従事した者」についてはさらに厳しく、有罪判決がなくても入管がその事実を確認していれば上陸拒否の対象になります(入管法5条1項7号)。

2:上陸許可について

(1)上陸特別許可

日本に入国(上陸)しようとする外国人が上陸許可要件を1つでも満たさない場合は原則として上陸は許可されません。
しかし、下記の条件に適合する場合は法務大臣によって特別に上陸が許可される可能性があります(入管法12条1項)

①再入国許可を得ていたとき
②他人の支配下に置かれて本邦に入ったとき(人身取引などのケース)
③法務大臣が特別に上陸を許可するべき事情があると認めたとき

実務的に、上陸特別許可は③の規定によるものを指すことが一般的です。
例えば、過去に強制退去となった外国人が日本人の配偶者であること(日本人と結婚していること)を理由に、配偶者と一緒に生活するため日本に上陸したいと希望する場合は、上陸拒否期間中であっても上陸特別許可による入国が許可される可能性があります。

(2)上陸を特別に許可された事例

出入国在留管理庁(令和2年10月)

上記は全て配偶者が日本人の場合における許可事例で、許可された内容も全て「日本人の配偶者等」(在留期間1年)です。
このうち、在留資格取消により退去強制された事例(上陸拒否期間5年)では、当該外国人が退去強制を受けた後に日本人と結婚して子供が産まれたものです。

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